http://www.n-camera.net/archi/
所在地:兵庫県淡路市 設計:安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所 竣工 1997年。
淡路島建築最終です。淡路市の南端で大阪湾に面した断崖に立つ、住設メーカーTOTOの
保養所兼研修所で「安藤忠雄」さんの設計です。
当初は関係者の方しか泊まれませんでしたが、現在は「TOTOシーウインド淡路」の名称で
リーズナブルな宿として人気です。残念ながら、休館日で中を見ることができませんでした(涙)
辿り着くまで車でかなりの山道で大変ですが、登りきると流石という見晴らしです。
入口が8階で、海を眺みながら徐々に階下へ降りていく感じです。
ここまで来たのに休館とはかなり残念でしたが、打ち放しの超カッコいい独立エレベーターを
拝んで退散いたしました。次回は是非、宿泊でリベンジですね。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:兵庫県淡路市 設計:安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所 竣工 2000年。
記念すべき節目は安藤建築と決めているので200作目は、「淡路夢舞台」の紹介です。
淡路花博から早12年の歳月が流れてしまいました。
淡路夢舞台は、関西国際空港などの大阪湾の人工島を築くため、土砂を採取した跡地になります。
一度壊した自然を本来の姿に戻すというのがプロジェクトの大きな使命でもありました。
工事時に阪神・淡路大震災があり、困難に見舞われたと思いますが、安藤デザインが出し惜しみなく
使われているまさに集大成の作品です。
スケールが大きいので、全ての部分の写真はありませんが、国際会議場・ホテル(ウェスティン淡路)・
展望テラス・温室、植物館・野外劇場の5つで構成されています。
安藤建築のありとあらゆるパターンをダイジェストで見れますが、とにかくでかい・・のであまりそんな
目で見ず純粋に楽しんだ方が良いかも知れません(笑)
施設も月日と共に落ち着いて海風が気持ちよく、リゾートとしても充実していると思います。
花博疲れして、久しく行かれていないという方々も今一度行ってみるのも如何でしょうか?
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:兵庫県南あわじ市 設計:丹下健三/丹下健三・都市・建築設計研究所 竣工 1967年。
淡路島の最南端に「廃墟化した丹下建築」があると聞き、足を運んで見ました。
城壁のような資料館と、学徒を象徴しペン先の形をした慰霊碑がとてもシンボリックです。
第二次世界大戦で学徒動員され亡くなった方々を慰霊する施設でしたが、政治的・経営的な事情も
絡み、丹下ヒストリーからも書き消されたという幻の作品です。
阪神・淡路大震災前に経営難から閉鎖され、さらに震災で大きなダメージを受け現在資料館内は
立ち入り禁止の状態です。
わずかな隙間から、資料館内部を撮影しましたが綺麗に清掃されています。webなどを見ると
地元の有志やボランティアの方々のお陰で定期的に行われているようです。
本来は広島の平和資料館と同じような役割であっても良いだけに、何とかこのまま放置される
ことなく、いい活用法を見つけて欲しいものだと思います。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:兵庫県淡路市 設計:重村力+Team ZOO いるか設計集団 竣工 1993年。
さぼり癖がついて良くありませんが、200作紹介まであと2本。何とか頑張っていきたいと思います。
淡路島の本州側先端、岩屋地区にある中学校で、「いるか設計集団」の設計です。
兵庫で学校設計の多いいるか集団ですが、ここでは出石にある弘道小学校に続いての紹介です。
平日だったということもあり、外からの見学のみでしたが、大小の瓦屋根や各所に散りばめられた
温かみあるデザイン要素が高い場所から見渡してよく判ります。
内観も、変化のあるいろんな居場所があるのではないかと想像します。やはり、いるか設計集団の
学校建築は、見ている側が楽しい気分になってきます!
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:兵庫県淡路市 設計:安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所 竣工 1991年。
淡路島建築続きます。旧東浦町にある真言宗の寺院で、水御堂(みずみどう)と呼ばれる
本堂が安藤忠雄設計の寺院建築です。
鉄筋コンクリート造の円形の蓮池の地下に本堂があるというユニークな構造です。
蓮池の身頃は7~9月。私が行ったのは3月・・・何とも無計画な建築探訪となりました(汗)
ご覧の通りの殺風景な蓮池の姿でしたが、最後の写真でこの建物の全体を知ることができます。
池を切り裂くような階段を下りると、朱塗りの回廊があり、西に向いた大扉からの光が本尊を朱色に
染めるという仕掛けです。そういえば、小野市の浄土堂で見たのと同じ演出効果です。
蓮池が美しい夏の夕暮れに見に行くのがベストですが、最近は木々が成長しあまり陽も射さなく
なってきてるとか・・・なかなかうまくいかないものですね(汗)
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:兵庫県淡路市 設計:淡路島ワークショップ 竣工 1995年。
日本を代表する左官職人久住章さんと早稲田大学の学生さんがコラボレートして作られた
ゲストハウスが、淡路島の海沿いの集落に建っています。
左側の木で支えられた船のようなものがゲストハウス、右側の登り窯のようなものが
宿泊棟になります。今にも壊れそうで壊れない自由な曲線と左官仕上げの不思議な建物です。
現役かどうかも含め、どのように使用されているかはわからない面白い建物でしたが、
どうやら昨年末に取り壊されてしまったそうです・・・
久住さんは親子共々有名なカリスマ左官士で、ある有名建築家の建築図面に仕上げは
「久住章仕上げ」と書かれていたという逸話もあるとか・・・現在は全国各地で左官指導を
されているそうです。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:滋賀県甲賀市 設計:I.M.ペイ /Ieoh Ming Pei 竣工 1995年。
琵琶湖の南側山中を車で走り、どんどんと山深くなり不安になってきたところで、
突如山を切り開いたように現れる巨大美術館。これが、I.Mペイ設計のミホミュージアムです。
平日に足を運んだのに凄い人の数でした。みんな良く知ってるな~(゜o゜)
どのくらいのスケール感か検討もつきませんでしたが、想像を超えた超凄い建物でした。
写真は順に、入口のレセプション棟から専用バスに乗りトンネルをくぐると写真でもお馴染みの
ガラスのようなピラミット(展示棟)が現れます。
帰りは、再び来た道(トンネルの中)を歩いて戻りました。山を切り裂くスケール感や橋の構造美など
度肝を抜かれっ放しで、もうお腹一杯という感じで詳しいことを覚えていません(汗)
説明も収拾がつかないので、是非一度行ってみてください。レセプション棟から展示棟まで徒歩
10分程ですが、その間の枝垂れ桜がとても美しいので春の散策をお勧めします。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:滋賀県大津市 設計:シーザー・ペリ&アソシエーツ / Cesar Pelli 竣工 1998年。
京阪電車と琵琶湖ホテルが、浜大津のプール跡地に開発した複合型アミューズメント施設で、
世界各地のウォーターフロント開発で実績の有る「シーザー ペリ&アソシエイツ」の設計です。
「琵琶湖の波と山並みのうねり」を表現した曲線を多用されています。日本人の目から見ると
かなり派手目の色使いですが、これが有りなのか無しなのかは私には全くわかりません(笑)
最後の写真は、昭和9年に作られた旧琵琶湖ホテルで、岡田信一郎さんの設計です。
当時も恐らく外国人観光客を誘致する為につくられたと思いますので、とても日本的な建築です。
こうやって比較するだけでも時代の変遷を感じて、とても面白いものです。
浜大津アーカスも完成して15年。大津の町が一気に都会になったと感じた頃を思い出させます。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:滋賀県米原町 設計:遠藤秀平/遠藤秀平建築研究所 竣工 2002年。
湧水や梅花藻で有名な、滋賀県醒ヶ井にある道の駅で、「遠藤秀平」さんの設計です。
錆びたコルゲート鋼鈑が、様々な素材とマッチして遠藤さんらしい楽しい空間になっています。
コルゲートを一部反らせて開口を作っているところがあって、これが水をイメージしているのかな
と勝手に思いました。カッティングシートの看板だけが何とも残念・・・(涙)
真冬の平日だったので人影もまばらでしたが、所々に湧水を飲む場所が設置されていてなかなか
楽しそうです。オンシーズンや休日は、結構賑わっていることだと思います。
最後の写真は、向かいに建つJR醒ヶ井駅。デザイン的には結構似てるので、これも遠藤さん??
かどうかは謎のまま帰りましたが、改めて見ると何か違うような気がします。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:滋賀県栗東市 設計:川崎清/川崎清+環境・建築研究所 竣工 1999年。
栗東市の駅前にあるコンサートホールで、「川崎清」さんの設計です。「空に向かって
芸術文化を発信する姿」を象徴する丸い屋根が特徴的です。
周囲は水辺に囲まれ、ステージのようになった屋外広場も立派なものです・・・が
真冬の夕暮れに訪れた為、外で遊ぶ人の姿はまばらでした。
内部は、大中小ホールで1400席もある大きな施設です。何かの催しがあったようで、
外とは違いたくさんの人で賑わっていました。
アトリウムにある打ち放しの列柱や、天井の高いロビーなどもとてもいい雰囲気でした。
維持にもお金はかかるでしょうが、いいホールを見ると我が町にも1つあれば・・・とよく思います。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:滋賀県大津市 設計:高松伸/高松伸建築設計事務所 竣工 1990年。
久しぶりに関西地方に戻って、復帰第一弾は大津から高松建築の紹介です。
大津プリンスの前にある事務所ビルで、どう見ても間違いないというオーラを醸し出しています。
打ち放しメインのビルですが、上階の装飾には気合いが入りまくりです(笑)
懐かしいという言葉で片付けてはいけませんが、この強烈な存在感。いいですね!
少しテナントの空きが目立ちますが、消え行くバブル期建築が存在するとホッとします。
同じ通りに以前紹介した「tokimekiビル」があります。わずか10数年しか変わりませんが
この2つを見比べると高松建築の変遷を知ることができます。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:長野県松本市 設計:伊東豊雄/伊東豊雄建築設計事務所 竣工 2004年。
中部地方建築は一旦これで最終ということで、最後は松本市にあるホールを中心とした
市民会館で「伊東豊雄」さんの設計です。
シンプルながら面白い模様のあるグレーの外壁に不規則な形でガラスブロック(?)が無数あり、
曲線や素材が相まって建物に豊かな表情を作っています。
想像していたほど大きな建物ではありませんでしたが、エントランスにある大階段から
傾斜にそって登って行く感じがとても良かったです。
屋上は庭園になっていて松本市内を一望できます。ホワイエはガラスブロックが作り出す
光の雰囲気も美しいものでした。
ホールを見れなかったのは残念でしたが、伊東豊雄建築を満喫できる建物です。
松本へ行けれたら是非足を運んで見て下さい。オススメいたします!
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:長野県茅野市 設計:藤森照信 竣工 1991年。
前々回ご紹介した「高過庵」の麓にある資料館で、藤森照信さんの処女作になる建物です。
諏訪神社の筆頭神官である守矢家の歴史資料館です。
目に見えるところには、工業製品を極力廃した建物で、板貼に土壁がメインの風合いです。
閉館時間を過ぎていたのですが、優しい館長さんがもう一度開けて中に入れてくれました。
外観の素朴さと逆に、内部はお供え物の鹿や猪、ウザキなどの剥製が展示してあり
とてもディープな雰囲気でした。豊作への祈りや感謝は、こんな形で行われていたんですね。
入館料100円で十分建築を楽しむことができます。高過庵とセットで是非行って見て下さい。
ちなみに藤森さんのご生家もこのご近所だそうです。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:長野県茅野市 設計:藤森照信 竣工 2004年。
続いて、長野県まで飛びまして茅野市にある不思議な茶室?で「藤森照信」さんの設計です。
自然素材を大胆に使い、遊び心満点のその作風は唯一無二という建築家です。
2本の栗の木の上に「ただ置いてあるだけ」という言葉がピッタリの、危ない建物です(笑)
何でもアメリカのTime誌に「世界で最も危険な建物トップ10」に選ばれているとか・・・
どんな所に建っているのか興味津々で行きましたが、普通の里山の高台に建っていました。
もちろん登ることもできませんが、何時、どのように使っているのかも全くのナゾです(笑)
建物の面が真っ直ぐではないので、見る角度でいろんな表情に見えます。
わずかな情報を頼りに行ったので、探すのに苦労しました。ついに見つけたという満足感は、
今でも鮮明に覚えています。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:長野県松川村 設計:内藤廣/内藤廣建築設計事務所 竣工 1996年。
子供の水彩画で有名な画家、いわさきちひろさんの美術館で「内藤廣」さんの設計です。
東京の自宅跡地にある美術館が手狭になり、両親の故郷である信州安曇野に建設されました。
北アルプスを望む風光明媚な土地に切妻の屋根が良く似合います。、天井の木組も美しく、
中にいてホッと安らぐような心地よい空間です。
家族で行きましたが、夏休み中だったので沢山の方がお見えになられてました。
こちらの家具は中村好文さんデザインですので、「内藤+中村」の共同テイストを味わうことができます。
天気は良かったのですが、猛暑の為、誰も外で遊んでませんでした(笑)
春や秋に行くと、また違った雰囲気なのかもしれません。とてもいい建物でした!
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:岐阜県各務原市 設計:伊東豊雄/伊東豊雄建築設計事務所 竣工 2006年。
次は岐阜県に飛びまして、各務原市にある斎場で、「伊東豊雄」さんの設計です。
以前から一度見てみたいと思っていた建物ですが、偶然近くに行く機会に恵まれました。
雲のような白いクネクネとした屋根がとても印象的です。どんなところに建っているのだろうと
思ってましたが、キレイに整備された墓地公園の一角にありました。
個人の死生観というのも様々ですし、斎場建築ってどういうものが正解かと考えると
難しいですね。「保守的」で「厳粛」で「宗教色がない」とかは定番なんでしょうか。
個人的には、「死」を暖かいベールで包み込んでいるという優しい感じでいいと思いました。
余り見ることのない建築カテゴリーですが、今後の参考にしたいと思います。
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:名古屋市中区 設計:妹島和世/妹島和世建築設計事務所 竣工 2001年。
2012年も宜しくお願いいたします。新年1作目ですが、サラリと流したいと思います。
アパレル企業ワールドが展開するOPEQUEの名古屋店で「妹島和世」さんの設計です。
・・・が、この建物既にありません(汗)昨年、閉店→解体となってしまいました。
現在はFrancfranc(フランフラン)の路面店に変わっています。在りし日の妹島さんらしい
美しいガラス建築ということで紹介いたします。
既存の建物のファサードをリニューアルしたということで、2001年に都市景観賞を受賞している
建物ですが、10年で解体です。店舗設計で10年となるとさすがに一昔ということになるんでしょうか。
写真は条件も悪くイマイチですが、エメラルドグリーンの大きなガラス曲線が印象的でした。
現在のフランフラン名古屋店の画像見つけました。うわっ、デコなデザインに凄い変わり様(汗)・・・
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:名古屋市中区 設計:村野藤吾/村野・森建築事務所 竣工 1953年。
名古屋の繁華街に戻りまして、栄にあるデパートで「村野藤吾」さんの設計です。
丸栄は愛知にしかない百貨店で、江戸時代前身の呉服店から400年余り続く超老舗企業です。
写真の建物(本館)は、昭和28年に完成したもので、竣工して60年近くになります。
デザイン的な古さはあるかもしれませんが、建築としてそれを感じさせないオーラがあります。
百貨店建築で唯一、日本建築学会作品賞を受賞している建物です。
縦格子の連続するファサードが特徴的です。西側の角を曲がったところに大きなモザイク壁画が
あって、手入れも行き届いているようで、とても綺麗です。
増築に増築を重ねているので、大きな建物ですが当時はもっとスマートだったようです。
関西では、村野建築であった「心斎橋そごう」も無くなり百貨店のスペシャル感が薄まりつつあって寂しいのですが、丸栄さんにはこれからも老舗の格式をもって頑張って頂きたいです!
※建築主・建物管理者の方々へ
所在地:愛知県小牧市 設計:象設計集団(ぞうせっけいしゅうだん) 竣工 1977年。
少し郊外に戻り、小牧市にある図書館で、「象設計集団」の設計です。
白い建物に正面のギザギザデザインがとても特徴的で、象設計集団初期の作品になります。
大量の本を保管する図書館なので、デザインと採光のバランスというものがよく考えられて
いるんだろうと素人目に思いました。
最後の写真は、東西を横断する細長い吹抜け空間で、「光路」と呼ばれているそうです。
ガラスの向こう側に、わずかながらお城(小牧城)を望むことができます。
内部も、あえて高低があったり大小の空間があり、本とふれあう楽しいそうな場所でした。
確か夏休みの午後で、涼み客で溢れかえっていたため、中の写真はありません(汗)
70年代後半の古い建物ですが、今も地域の方に愛される「白亜の図書館」といった感じです。
※建築主・建物管理者の方々へ