経糸は、巻いたものの縞が決まり切らず立ち止まっています。そんなスローペースな私の隣で、すんごい勢いでロクロを回し、あっという間に窯詰をし、夏の展示会に向かって窯焚きを始めた、我が旦那さん。
どう見ても寝ていないので、珍しくこちらからオファーをして窯焚きのお手伝いをすることにしました。涼やかな風の吹く気持ちの良い夜に犬のマンゴーと共に、窯の前で火の番をしました。
夜の山は、耳を澄ませば枝が揺れる音や枝が折れる音などが聞こえたり、たまに不思議な匂いがしたりなど、いろんな想像力がかきたてられます。隣で寝そべり、ウトウトしている嗅覚も聴覚もヒトより何倍も何倍も優れているはずの犬、マンゴーを見てなんとなく安心し、本を片手に火の番を楽しみました。
昼と比べると違った雰囲気の山に身を置くと、妖怪や精霊ってきっといるな、自然の生き物も物の怪もこの世にゴチャッと一緒にいるんやな、ということを実感し、謙虚にそしてなんとなく楽しい気持ちになれた夜でした。
これからは、窯の温度も上がりハードな窯焚きになっていくので後方支援にまわりたいと思います。