冷たい空気がピリッと顔をさすように感じる季節になりました。寒いのが苦手なので、冬の訪れに慄いています。
また、クリスマスデコレーションをあちこちで目にするようになり、年末の訪れにも慄いています。慄きながら、年内になんとか一本織り上げたいと、経糸を夜な夜な巻いています。
今年は展示会やイベント出展などで、過去に販売させていただいた布たちに再会する機会が数回ありました。過去に自分が作った作品と再び会うのは、嬉しさと照れくささが混じったような気持ちになります。
手に入れていただいた方に、大事に使われている様子を見て嬉しいのと、「大丈夫かな?ちゃんと役に立っているかな?」といった心配と、「久しぶりやけど、いい感じになっている」という自分が作ったものなのに、もう自分のものではなく持ち主に使っていただいている中で、良い変化を見せている布へのちょっとまぶしい様な、照れくささを感じます。
手紡ぎの糸を使う私の布は、経糸に必ず糊をつけて機にあげます。糊のついた糸は、パリッとしていて織り上がった時布もパリッとしています。用途によっては糊のついたままの時もありますが、ストールの場合は必ず糊落としをして、柔らかくします。
ただ、糊を落としても新品の布はまだ何となくパリッとしています。巻いたり触ったり、水を通したり(洗ったり)といった中で、布はゆっくりと更に柔らかく、しなやかになってくれます。使っていく中で風合いが増す布なんだな~と今回の数回の再会で、実感することができました。インスタントに良さを感じるのではなく、使いながらさらに良さを感じていただけると嬉しいな、そして長く使うことに耐えうる布を作らないといけないな、と強く決心した再会でした。
「使っていますよ~」と見せてくださった皆様、ありがとうございました!