使っていただける人が定まった布の整経が、終わりました。“こんな感じの人”ではなく、“この人”に使っていただくというように、作る前から使う人がわかっているので、気合が入り作りたい布のイメージが強くなるせいか、なかなか納得のいく柄が決まらず、整経にたどり着くまでに時間がかかってしまいました。
やっと柄が決まり、経糸を巻いて整経に至りましたが、今までにない緊張感があり、ピリッと張り詰めた気持ちで整経を行いました。満足していただけるものを作りたいという思いと、いつもと何か違う感じが合わさり、自分でも意外なほど緊張した気持ちでの作業でした。無事整経が終わり、仕事場のドアを開け駆け寄ってくる犬たちを見た時、何故こんなに緊張していたのかが理解できました。
いつもは、必ず工房にノンビリといるココさんがいなかったのが、いつもと何か違う緊張感を生んだ原因のようです。常々、場の雰囲気はそこにいる人によって作られるという事を実感していますが、それは人間だけでなく、他の生き物にも当てはまるんだという事に気付きました。ココさんの存在は、私の仕事環境に大きく影響しているようです。