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切り抜き詳細

発行日時
2012-12-13 14:32
見出し
21回目の奇跡
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3380 21回目の奇跡への外部リンク
記事詳細
 今月9日に私たち夫婦は、 21回目の結婚記念日を迎えた。 なぜ、 結婚式もしていない私たちがその日に籍を入れたかというと、 その日は彼が敬愛するビートルズのジョン・レノンの命日で、 ジョンは12月8日にアメリカで銃弾に倒れたが、 日本時間では9日だというのだ。 それで、 結婚記念日は9日になっている。  彼と出会ったのは私が24歳の時、 インドで。 私は小学3年以来出したことのない高熱にうなされ、 誰ひとり知ることのないインドの片隅の安宿で 「あ~、 私死ぬのかな~」 とぼんやり考えていた。 そんな時、 インドに来てから初めてそこで知り合った日本人の彼が、 私を看病してくれたのである。 それ以来、 仕事は別として21年間ずっと一緒だ。  一緒になった頃は、 これでもかこれでもかとわがままを言ったり、 喧嘩を吹っ掛けたりと、 今考えれば心の底から彼に同情するが、 彼を試していたように思う。 でもどんな時でも彼は受け入れてくれた。 私は次第に落ち着くようになり、 彼を尊敬するようになった。  いつでもどんな時でも、 自分のことを信じて愛してくれている人がいることは、 何にもまして人を安心させてくれる。 もう一度、 私を生んで育てなおしてくれたのが彼だと、 心から感謝している。  それでも、 まだまだ彼にはお世話になりっぱなしで、 酔った私を介抱する役目も彼である。 これから忘年会が多くなる季節だが、 呑みに行く前に必ず彼からメールが入るだろう。   「調子に乗って呑み過ぎないように」 と。  (土性里花・グループPEN代表)