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切り抜き詳細

発行日時
2012-12-8 15:53
見出し
木枯らし
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3378 木枯らしへの外部リンク
記事詳細
 十二月にはいった途端に寒波到来、 木枯らしが吹き始めた。 家の周りの雑木林から木の葉が飛んでくる、 掃いても掃いても。 暖かな部屋から、 空へ吹き上げられては舞う落ち葉を見ながら、 「初木枯らしで一句詠まなくては」 とぶつぶつ言っていると、 「夏と秋では、 風の質が違うよ、 もちろん葉も今頃のは枯れて軽くなっているから、 飛ばされ方も違うんだ」 と夫が言う。 「ふーん、 風は同じじゃないの?」 「春や夏は気温が高いから、 風は軽くなる、 冬は気温が低いから風は重くなる」 「ああそうか、 それで枯葉はよく飛ぶというわけなんだ?」 「その通り、 理にかなっているというわけだよ」 と、 やや得意そうな夫。   「でも、 空気が重くて枯葉がよく飛ぶと俳句で詠んだら、 先生から 『俳句は理屈で詠んではいけません』 と言われるわ」 「まあ、 理知や科学で解決できることが、 僕にはおもしろいのだけれどね」 というところで、 昼ごはんの鍋焼きうどんができ上がる。  木枯らしは 「凩」 とも書く。 江戸中期の俳人、 池西言水 (ごんすい) に、 「木枯しの果はありけり海の音」 という有名な句がある。 松尾芭蕉と同じ時期に活躍した人。 「木枯しの行き着く果ては、 海の音になってしまうのだ」 という意味で、 この一句で 「木枯しの言水」 とも言われている。  昭和の時代を牽引した俳人、 山口誓子にも 「海に出て木枯帰るところなし」 の句がある。 こちらは海に出たら、 もう帰るところも無いといういささか、 主観的な虚無感を感じさせられる名句。 やっぱり俳句で詠んでこそ、 木枯らしは趣がある。