パソコンとスマートフォンのウィルス対策大丈夫ですか?
あっぷ丹波がお奨めするウィルス対策ソフトはこちら
今なら1台あたり年額約450円から
さらにさらに期間限定で1台あたり年317円!!

オルビス

切り抜き詳細

発行日時
2012-11-29 10:12
見出し
江戸期の女性群像
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3369 江戸期の女性群像への外部リンク
記事詳細
 諸田玲子の近作 「花見ぬひまの」 は、 江戸期の女性群像を描いた短編集。 その中の1編 「辛夷 (こぶし) の花がほころぶように」 に、 田捨女が登場する。 舞台は貞閑尼となって晩年を過ごした姫路・網干の不徹寺。 訳あって逃げ込んできた豪商、 灘屋の使用人おあん (架空の人物) を、 師の盤珪の指示でかくまうという話だ。 ▼中央公論に連載されたシリーズで、 他に高杉晋作ら幕末の志士を支援した野村望東尼、 筑紫 (福岡県) の郷里を捨て俳諧師と駆け落ちし、 やがてその道で自らも名を成した諸九尼ら、 それぞれ実在した尼さんが主役や脇役で出てくる。 ▼ 「当時の女性が自らの思いに忠実に生きられたのは、 親の定めた結婚をし、 子供を育て上げ、 夫を看取った後、 というのがほとんどだった」 と諸田さん。 捨女もまさしく、 亡き夫に供養を尽くした後、 これまでの生活を捨てて柏原を離れ、 ひとり京に上った。 財力があったとは言え、 それには相当の意志が要ったに違いない。 ▼それにしても、 「『女大学』 の訓戒に縛られた封建時代の女性」 という通念は、 若干修正を加えなければならないかも知れない。 本書に啓発され 「女性の近世」 (林玲子編、 中央公論社) を紐解いたら、 彼女らが階層を越えて遺した句や歌のみならず書画、 陶芸などの逸品に目を見張らされた。(E)