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切り抜き詳細

発行日時
2012-11-15 8:58
見出し
黒の彩り
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3354 黒の彩りへの外部リンク
記事詳細
 植野記念美術館の 「丹阿弥丹波子―黒の彩り」 展で、 枯葉の絵に目が留まった。 「風の道」。 「風が通り過ぎて重なり合った落ち葉がわずかに形を変えてゆく。 右から左へ視線を動かすだけの 『時』。 ささやかで貴い 『時』 の一滴…」 という添え書きを読んでいると、 かさこそという音がかすかに聞こえてきた。 ▼その隣の絵には、 見えるか見えないかのような線に蓑虫がぶら下がって、 やはり風の道に乗ってふわーっと揺れている。 ▼ベルソーという先の平べったいへらのような刃物で銅板に、 1センチ四方に幾百もの細かい穴を刻み込んで地を作ってから、 凹版の作製にとりかかるメゾチント画。 ビロードのような黒のバックが奥行きを増す。 洋画の大家が 「あなたの絵は黒と白だけなのに、 色を感じる」 と話したという。 ▼自身が解説して下さった観賞会で、 「花でも、 見ながら描くのでなく、 頭の中に叩き込んだ姿を、 ここは緑、 ここはピンクと思いながら描くの」 と言われた。 ▼数年前、 弊社で展覧会を開いて頂いた際、 新聞の印刷工場に案内して 「いずれはカラーの紙面にする計画です」 と話したら、 「カラーなんかより白黒の方が断然良いわよ」 と即座に話された。 さすが、 父の日本画家、 岩吉氏が霧を勉強しようと、 妻の郷里の丹波と東京を往来していた時期に生まれた人である。(E)