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切り抜き詳細
発行日時
2012-11-1 10:44
見出し
ブータン2
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3342
記事詳細
加藤登紀子さんがブータンの首都、ティンプーの広場でコンサートを開くのを聴きに行った話を、 もう1回。 ブータンには信号が一つもない。 ただ1カ所、 ティンプーの目抜き通りの交差点で、 お巡りさんが手信号で交通整理しているだけ。 車は結構通っているが、 さほど事故は起きないらしい。 ▼パロの国際空港からティンプーまで40キロほどの道路は一番の幹線だが、 くねくね曲がった簡易舗装の山道。 バスは土ぼこりをたてながら2時間近くかかった。 トンネルも国内に1カ所もない。 ▼ブータン人は、 時間をあまり気にしないのだろう。 人も動物も前世から今世、 来世へと生まれ変わり続けることを信じている。 悠久の時間の中では、 1、 2時間の差などたいしたことはないわけだ。 道端で気持ちよさそうに寝そべっている犬達も、 前世は人だったかも知れず、 決して粗末には扱われない。 予防注射もちゃんとしているとか。 ▼世界遺産に十分なれるすばらしい寺や城があちこちにあるが、 「指定されても、 長い目ではマイナスが多い」 と、 政府は応じない。 歴史と伝統を守り、 「国民総幸福量」 を重んじる同国の矜持 (きょうじ) と思われる。 ▼会場は、 地元の中高生らも登場してブータン語の歌詞が舞うにつれて盛り上がり、 登紀子さんは里帰りしたかのように、 軽やかに、 輝いて見えた。(E)