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切り抜き詳細

発行日時
2012-10-14 8:59
見出し
イタリア俳句紀行―やすらぎ番外編
リンクURL
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記事詳細
サンタルチア唄ひ秋惜しむ  今月初めまで1週間、 俳句結社 「栴檀 (せんだん)」 の辻恵美子主宰と同人らでイタリアの旅に。 ミラノに着くまでおよそ半日。 飛行機がシベリア上空にさしかかると、 くしゃみが止まらなくなる。 〈くしやみしきりツンドラの上にゐるらし〉  時差で7時間も長い1日の疲れを休めた翌朝、 ミラノ観光へ大型バスで出発。 すぐに陸稲田が目につく。 やや短い稲が黄金色の穂を垂れている。 〈稔り田の香やイタリアの旅はじめ〉   ミラノのドゥオモ (大聖堂) の立派なこと。 大理石造りの入り組んだ建築で、 五百年をかけて完成した。 たくさんある尖塔のいずれにも聖人像が掲げられている。 〈秋うらら聖人像に避雷針〉  ベネチアへの途次、 ロミオとジュリエットの舞台となったベローナへ。 悲恋の実話があり、 シェークスピアがそれを題材にしたとか。 ジュリエットの家と称されるバルコニー付きの家の前には、 観光客がひしめき、 添乗員から 「スリに気をつけて下さい」 と声が飛ぶ。 周辺の壁には、 ハートマークの落書だらけ。 永遠の愛の鍵を付ける金網まで設置されていた。  この日はベネチア泊まり。 途中のレストランでの夕食は、 「ズッキーニのクリームパスタ」 がなかなか美味だが、 量が半端でない。  ベネチア観光は、 まずゴンドラ。 縞のシャツを着て腕に刺青のある男性に、 手を添えられて乗船。 大運河から、 家のひしめく小運河へと縫うように進む。 古い石造りの家の玄関先にまで波が寄せている。 〈錆び深き鎧 (よろい) 戸に寄す秋の潮〉〈サンタルチア唄ひベニスの秋惜しむ〉 船を下りてから、 ドゥカーレ宮殿、 ベネチアングラス工房などへ。 娘らにベネチアングラスのアクセサリーを購入。  フィレンツェへのバスの車窓はブドウ畑がどこまでも続き、 日本とおなじスタイルの案山子 (かかし)。〈イタリアの案山子斜めに鳥打帽〉  ウフィツィ美術館は市の文化週間に当たるとかで、 無料開放。 すごい行列を40分並んでようやく入館。 並んでいる間、 広場で青年がギターを弾きながら、 CDを売っていた。 〈目を閉ぢてギターつま弾く秋の風〉 ボッティチェリの 「春」 「ヴィーナスの誕生」 はさすがに圧巻だが、 絵画を見て句作は難しい。  フィレンツェからナポリへは、 高速鉄道の 「ユーロスター」 で3時間。 〈行く秋のユーロスターに句作かな〉 途中のローマ駅で、 向かいのホームに家族を待っているらしき人たちがいる。 〈再会のかたき抱擁秋夕焼け〉 見ているだけで喜びが伝わってきた。  ナポリから高速艇でカプリ島に渡る。 遠くヴェスヴィアス火山が見える。 メインは、 五人乗りの小型ボートで、 身を屈めて入る 「青の洞窟」。 〈秋潮にのりて一気に洞窟へ〉 カプリ島はひたすら明るく、 日本の小豆島みたい。 イタリアもここは南、 かなり暑く、 生のレモンジュースが喉にしみる。 〈レモンジュースカプリの海を見下ろして〉  ポンペイの遺跡は千九百年前、 ヴェスヴィアス火山の大噴火で埋もれた街。 立派な神殿、 邸宅、 歩道付きの車道、 水汲み場、 風呂屋、 パン屋など、 文明がいかに早くから開けていたかに驚く。 〈秋の声手形残りし水汲み場〉 この日は実に強行軍だった。  ローマはコロッセオ、 トレビの泉、 スペイン広場など。 ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂には、 カソリックの信者たちが同じ色のスカーフを巻いて礼拝している。 〈巡礼に銭乞う女秋真昼〉  イタリア最後の夜は 「カ ン ツォーネのディナ ー」。 俳句の先生の誕生日だったので、 サプライズとして誕生日の歌で祝ってもらったのが、 なかなか盛り上がった。 外に出ると十六夜 (いざよい)。 〈十六夜の月を仰げる石畳〉〈ローマびと月を仰ぐをいぶかしみ〉  文字通り 「たっぷりイタリア」ツアーだった。次はもう少しゆっくり回りたい。 〈イタリアの秋日に増へし顔の染み〉〈時差ぼけのまなこに仰ぐ居待月〉