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切り抜き詳細

発行日時
2012-9-13 8:50
見出し
流れ星四つ
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3294 流れ星四つへの外部リンク
記事詳細
 先日、 篠山で一番、 星に近い宿に泊まった。 その夜は良く晴れて、 手を伸ばせば本当に星を掴めそうだった。 250年前に建ったという茅葺屋根の大きな家は、 中に入っている私たちをすっぽりと懐に包みこみ、 穏やかで暖かい時がゆっくりと過ぎていった。  土間には、 おくどさんがあり、 薪で篠山産のお米を炊く。 薪に火をつけるところから始まり、 火吹竹で火力を調整しながら、 もうもうとした煙の中、 お米が香ばしいにおいをさせながら炊きあがってゆく。 年季の入った木の分厚い蓋を開けると、 真っ白な湯気の向こうに神々しいほど美しいご飯があらわれる。  おかずは、 その宿の家守がその日に農園から収穫した旬野菜だ。 野菜は、 囲炉裏の炭火でじっくりと焼く。 家の中に火があることは、 これほどすごいものかとつくづく感動したが、 囲炉裏で食材を焼くと、 それら全てが見事に素晴らしい滋味深い食べ物となり、 人の血となり肉となる尊さ。  250年という家族の歴史を支えてきた場所は、 厨から笑ったり話したりしている家族の様子が目に入り、 料理していても洗い物をしていても、 一人の感覚はない。 人と人が、 実際に対峙してつくる繋がりを何よりも大事にしていた時代の家は、 なんて温かいのだろう。  家の中には火があり、 安らぎがあり、 繋がりがあり、 一歩外に出ると満天の星空の下、 周囲を山と木と生きものたちに囲まれ、 五右衛門風呂で心の垢をおとす。 眠る時には、 座敷童がほほ笑んでくれる、そんな一夜であった。 (土性里花・グループPEN代表)