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切り抜き詳細

発行日時
2012-9-6 14:20
見出し
田捨女
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3290 田捨女への外部リンク
記事詳細
  「雪の朝二の字二の字の下駄のあと」 田捨女作と言われるこの句は自筆句集にはない。 彼女の作ではなく、 誰かが捨女に仮託して作ったのではと、 俳人坪内稔典雅氏が 「女たちの俳句史」 (雑誌 「俳句」 連載) に書いている。 ▼千代女の 「起きてみつ寝てみつ蚊帳の広さかな」 も仮託された句。 つまり、 この作者ならこんな句を作ってもおかしくない、 と人々が納得して決めたのだという。 ではなぜ捨女が 「二の字」 の句にふさわしいのか。 それは自筆句集の 「いつかいつかいつかと待ちしけふの月」 も示すように、 「彼女が頓智の人だったから」。 坪内氏は北村季吟門の作品を集めた 「続山井」 に、 捨女の句が芭蕉の28を上回る38句も出ており、 「この本の花形作家だった」 とも指摘する。 ▼そもそも 「俳諧の連歌」 として流行し始めた初期の俳句は、 連歌の雅を崩し、 酒席の気軽な乱れを反映した詩歌だった。 「おそれながらも入れてこそみれ」 と仕掛けられ 「足洗ふたらひの水に夜半の月」 と受けて、 「エヘヘ」 と座が盛り上がる。 婦女子にはいささか品を欠く文芸だったのだ。 ▼季吟が逗留するような一家に育ったとは言え、 捨女はそのような男の時代にあって 「女の俳句史」を切り開く才を備えていた。 すべて坪内氏からの受け売りながら、 9日の捨女忌に集まるご婦人方にも知ってほしい。(E)