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切り抜き詳細

発行日時
2017-3-30 17:57
見出し
すこしだけ怖い話
リンクURL
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記事詳細
 小学生の頃、熱を出して2階にある自分の部屋のベッドでうつらうつらしていた時、階段をみしりみしりと上がってくる音がする。夢の中でも「あ、半分まで来たな~」「あと、もう一段」と考え、登り切ったと思う頃、母は買い物へ行っていて家には誰もいないことに気がついた。あの足音は何だったのだろう。  中学生の頃、部活で遅くなって真っ暗な校舎の中、友だちと電気を付けてトイレに入った。それぞれ個室で用を足しながら、大きな声で話していた。すると突然、天井から大きく「コンコン」とノックの音が…。一瞬の間をおいて、二人個室から転げ出て一目散に逃げた。ものすごい恐怖だったけど、せめてパンツははいて飛び出した自分を褒めたい。  これも中学の終わりのこと。新しい家に引っ越した日、2階に置いた仏壇がガタガタと大きな音を立てて突然揺れ始め、その部屋の電気の紐も大きく揺れていた。3階の階段から下りてきているところだった私は、そのまま仏壇を確認してから1階に駆け下り、「今、地震あったよね?!」と家族に聞いた。地震なんかないよ、という冷静な返事。なんで仏壇があんなに揺れたのだろう。新しい家はお気に召さなかったかな?  その新しい家では、夜中に寝ていると、よく胸が苦しくなって眼をうっすら開けると白い大きな塊がふわ~っと天井に吸い込まれていくのをたびたび見た。一緒に寝ていた猫もじっとそれが上がっていくのを見ていた。お~、くわばらくわばら。(土性里花・グループPEN代表)