「ゴーゴーという大きな音をたてて由良川からの水が押し寄せていた。その勢いはすごく、足がすくむ思いがした」。福知山市戸田の前自治会長、杉山元明さん（６７）は１６日午前５時ごろ、興で堤防が未完成の部分から濁流が戸田など西中筋地区周辺に入っていたのを確認した。

　７５回の歴史を重ねる関西学生対校駅伝競走大会が、９年ぶりに京都府北部へ帰ってくる。丹後大学駅伝として２４日に丹後半島、天橋立などを走る８区間８１・２キロコースで行われる。主催は関西学生陸上競技連盟。府、府教委など後援。

　福知山市内の牧川には今年も順調にサケが遡上（そじょう）している。１８日には立原と十二を結ぶ十二橋の下で、回帰したサケが産卵準備をしているのが見られた。

　テレビやゲームに依存する子どもたちが増え、健全な心身発達への影響が危惧されている。そんななか、福知山市野花の上川口小学校（森川智美校長、８０人）は、１０月下旬に「ノーメディアチャレンジ」をした。報告会で、グランプリの児童に賞状が贈られた。

　「作った物がすべてなくなるのは無念の一言」−。農事組合法人遷喬ふぁーむの代表理事・福山正昭さん（６９）＝戸田＝はがっくりと肩を落とす。同じ方向に倒れた稲、枯れた小豆、ひしゃげたビニールハウス…。由良川からの泥水が流れ込み、収穫されることがない農作物があちこちに残されている。

　台風１８号で７割の家屋が浸水被害を受けた福知山市内の地域は、復旧が進んで屋外は元の姿に戻った所が多いが、家屋の中は、まだ片付けが終わっていない。京都府鍼灸マッサージ師会のメンバーらが１４日、土（つち）地区でマッサージボランティアをして、疲れがたまっている住民の体をほぐした。

　ほとんどの人たちが避難できたのを確認し、自身も避難所に向かおうと自宅の外に出た時、水はくるぶしのところまで来ていた。福知山市大江町河守新町の山田信夫自治会長（６９）は、足を指差しながら話す。

　１８日朝、盗難車両が警察車両に追われ、車をぶつけながら福知山市内を約３０分にわたって逃げ回る事件が発生した。犯人の男は現行犯逮捕された。けが人は無かった。

　台風１８号を取り巻く雨雲や湿った空気が次々と流れ込み、近畿地方は記録的な大雨となった。９月１５日朝から１６日午後にかけて雨が降り続き、音無瀬橋の水位は、時間を追うごとに上昇し、１６日午前８時１０分には８・３メートルを記録した。０４年の台風２３号時の７・５５メートル、昭和２８年（１９５３）の大水害「２８水」の７・８メートルよりも上がり、観測史上最高の水位だった。

　９月の台風１８号で内水被害を受けた店舗の改修が終わったのを記念し、福知山市蛇ケ端の「ゆらのガーデン」で１５日から、復活祭が始まった。オープンからわずか約１年半後の被災に関係者は戸惑いを隠せなかったが、この日は各店に行列ができるにぎわいとなり、再スタートを喜び合った。

あずま・てつお＝元夜久野町議会議員

一白＝◎損得より人情を重んじて大吉

　台風１８号水害で通行止めになっていた福知山市の市道上荒河観音寺線（旧中丹広域農道）の一部区間が、１５日午後５時から開通する。

　１千棟超の家屋が浸水被害などを受けた９月１５、１６両日の台風１８号。記憶に新しい台風２３号大災害（２００４年１０月）からわずか９年しか経過していないなか、福知山市はまたも大災害を経験した。台風１８号水害を振り返る。

　京都府教育委員会は、福知山市土師の福知山高校に中学校を併設し、中高一貫校にする方向で検討している。１３日に開いた定例教育委員会で報告があり、早ければ１５年度の開設を目指す。

　狩猟期間が１５日から始まった。関係機関は「誤射を防ぐため、山に入る際は目立つ服装で、ラジオを携行して鳴らすなど注意を」と促している。初日は雨の平日となったため、全体にハンターの姿は少ないよう。猟期は来年２月１５日まで。農林業被害が大きいイノシシ、ニホンジカについては３月１５日までとなっている。

　舞鶴の白杉を９日午後に訪れた。駐車場の管理人に尋ねると、先月の台風まではサヨリがよく回っていたが、それ以降は少し釣果が落ちているという。

　福知山市梅谷の集落から離れた山裾で４０年もの間、土の中に埋もれ、住民の記憶からも風化していた梅谷不動尊が、有志の手で掘り起こされた。１２日に復活祭を営み、住民たちが手を合わせた。