-
2017年4月13日09:57
-
毎日放送「ちちんぷいぷい」 4月13日か...
毎日放送「ちちんぷいぷい」木曜日の人気コーナー「昔の人は偉かった 湯治湯めぐり 兵庫編」で、4月13日放送分から丹波市ルートが数回に分けて紹介される。河田直也アナウンサーとくっすん(楠雄二朗さん)が、市内の名所や名物をたずね歩く。
各地の温泉を巡りながら、城崎温泉から有馬温泉まで踏破する「旅」企画。朝来市から遠阪峠を越えて青垣入り。「旅の12日目」から数日かけ、広い市内を歩き次の目的地をめざす。
午後1時55分―5時50分の番組中、同コーナーは午後5時ごろから。
-
2017年4月13日09:55
-
ストール中心に丹波布のフェア 4月15日...
丹波市青垣町中佐治の丹波布工房&ギャラリー「丹の布」(0795・88・0850)で4月15日から、フェア「青垣の風」が開かれる。ストールを中心にバッグや小物類を展示販売する。4月24日まで。午前10時―午後5時。
同工房主宰の大谷由美子さん(58)と工房のメンバーが出展する。メキシコ綿の特徴を生かし、やわらかく光沢があり、細くつむいだ糸を使って作ったストールは、やさしい手触りが特徴。地元の草木を使って染め、グレー系、淡いピンク系、オレンジ系と、春をイメージした色彩に仕上げている。
同工房ではこれまで春秋の年2回、フェアを開催してきたが、フェアはいったん今回で最後にするという。
-
2017年4月13日09:54
-
「シャクナゲ見に来て」 4月22・23日、...
「第38回にしきシャクナゲまつり」(実行委員会主催)が4月22、23の両日、黒豆の館(篠山市下板井)で開かれる。旧西紀町の花としてシャクナゲを育てている住民らが自慢の一品を展示。咲き誇る「花木の帝王」に、バザーやステージイベントなど、多彩な催しが彩りを添える。
地域住民や市外の愛好家ら約50人が10種類100鉢ほどのシャクナゲを展示。来場者も参加しての品評会で最優秀を決めるほか、シャクナゲの販売や栽培の講習会も開く。
軽食などが販売されるバザー、西紀音頭やフラダンス、フォークソング、よさこい、和太鼓などが披露されるステージもある。
また、バザーで使える商品券の購入者を対象に、シャクナゲの苗や鉢が当たる抽選会も。23日には黒豆パンまきもある。
-
2017年4月13日09:53
-
玉岡かおるさんが丹波市紹介 市がエッセ...
写真・丹波市が発行した玉岡かおるさんのエッセー冊子「丹波逍遥」
丹波市は、市への誘客につなげようと、加古川市在住の作家、玉岡かおるさんが市内をめぐり綴ったかき下ろしエッセーを「丹波逍遥―そぞろ丹波市足まかせ」として冊子化した。オールカラー61ページで丹波市の名所や見どころを紹介。市民や希望者に無償で配布している。非売品。
花・もみじ、丹波ゆかりの人物列伝、祭り、恐竜、丹波布、栗・イノシシ・地酒などの名品の6章に、プロローグとエピローグ。玉岡さんが取材に足を運んだ。
「美味しいものはここにあり―名産品の里を行く」の項では、石戸観光農園(柏原町石戸)を訪ね丹波市くり振興会の河村修治会長に取材をし、栗の加工品を販売している「夢の里やながわ」「ゆめの樹」(共に春日町野上野)を訪問。なた豆茶のこやま園(春日町黒井)、「やすら樹」(氷上町清住)のボタン鍋、山名酒造(市島町上田)などを紹介している。
「眠れる恐竜の谷を行く」の項では、丹波竜発見当時のようすを小説にして再現を試みている。
谷口進一市長は「丹波市を紹介するバイブルにしたい」と、誘客アイテムの一つとして期待している。
冊子は1万部を製作。市役所、各支所で配布している。数に限りがあるため、申込者1人1部。市外の希望者は返信用切手300円分を同封し申し込む。
問い合わせは市恐竜・観光振興課(0795・78・9400)
-
2017年4月13日09:52
-
丹波篠山さくらまつり 甲冑姿の武将も登場
「丹波篠山さくらまつり」(同実行委員会主催=西尾和磨委員長)が4月8、9の2日間、篠山城跡三の丸広場で開かれた。桜は8―9分咲きのほぼ満開状態だったが、天候にたたられ、観光客らの出足は鈍った。しかし両日とも開催時間中は雨も止み、来場者らは、城跡周辺で咲き誇る桜にレンズを向けたり、にぎやかなステージイベントや、おいしい特産物いっぱいの飲食ブースで買い物などを楽しんだりした。また、丹波篠山観光協会の役員約10人が甲冑姿の戦国武将に扮し会場を闊歩。観光客らからの写真撮影にこたえるなどして、まつりを盛り上げていた。
2日目の9日、丹波篠山茶と丹波焼の器、篠山の和菓子でもてなすお茶席コーナーでは、今月1日に任命されたばかりの丹波篠山観光大使の松本夏美さん(20)と角穴理香子さん(19)が接客に奮闘した。客が手にする器に煎茶を注ぎ入れるなど、笑顔で接待。戦国武将たちもその傍らで会話に花を咲かせるなどして“客人”をもてなしていた。
-
2017年4月9日18:00
-
「楽農」受講生募る 篠山市 農業の基礎...
篠山市は、農業の基礎知識や特産について学ぶ講座「楽農スクール」の受講生を募集している。参加無料で、定員30人程度。申し込みは4月14日まで。
対象は篠山市在住か、市外でも篠山で農業をしている人、これから始めようとしている人。JA丹波ささやま職員や丹波農業改良普及センター職員、農業者らが講師を務め、座学と実習、現地視察などに取り組む。
専用の申込書で申し込む。問い合わせは、市農都政策課(079・552・1114)。
日程と内容は次の通り。時間はすべて午後1時半から。
▽5月26日=黒大豆の生育と栽培管理、農薬の安全な使用(篠山市民センター)▽6月16日=野菜作りの基礎、夏野菜の栽培管理(同)▽7月14日=黒大豆と山の芋栽培農家の現地視察▽8月4日=農機具の使い方やメンテナンスについて(JA丹波ささやま農機事務所)▽8月25日=冬・春野菜の栽培管理、山の芋の生育・栽培(篠山市民センター)▽9月29日=土づくりと肥料の特性、獣害対策(同)▽11月10日=黒大豆の収穫・選別、先輩農業者との意見交換(同)
-
2017年4月9日18:00
-
大試験
高浜虚子に〈大(だい)試験山の如くに控へたり〉の句がある。
大試験は高校や大学の受験のこと。受験、受験生、合格、学年試験、及第、落第等も春の季語。今春、東京に住む長女の息子(優仁)が大学を受験。彼は高校受験で志望校に落ち、それならば大学こそ行きたい所に行くと定め、私立高校の特進科と塾通いの三年間を過ごした。しかし、今期のセンター試験の成果はいまいち、本来受けたかった都内の大学ではなく、「海洋生物学科」のある三重県の国立大学を受験した。祖父母としては、我が家から公共交通機関で二時間の三重大学に来てくれるのなら大歓迎、たまに来てくれるかもと、期待した。
その昔、長男が近畿大学に入学、金欠になると丹波の祖父母を訪ねて、丹波牛のステーキと小遣いをもらっていたように。
さて優仁、三重大に合格したのだが、彼が目指した海洋生物学科は今年新設学科で定員は二十八名、惜しくもそこには洩れて、第三志望の生物資源循環学科で合格。祖父母としては、とにかく国立大学に合格としたと大喜びしたのだが、当の本人は浮かない顔。もう一度二期試験で本命を受け直すという。
まあ、本人の気の済むようにと家族中で静観。二週間後、受験の前日に我が家に来たのは三月十一日、彼の十八歳の誕生日で、東日本大震災の六年目。一応二次試験は受けたけれど、少し冷静になったのか、その日に三重大に進学することを決意、下宿するアパートも母親と決めたとメールして来た。孫の大試験も一件落着。やれやれ。
-
2017年4月9日18:00
-
過去最多の900人舞う 4月16日、篠山でよ...
「篠山よさこいまつり2017」(実行委員会主催)が、4月16日午前10時から篠山城跡周辺(篠山市北新町)で開かれる。今年で4回目の祭典に、市内外から過去最多となる47チーム900人の踊り手が参加。勇壮な踊りで篠山の春を盛り上げるほか、飲食や物販のブースも開かれ、会場ににぎわいを添える。
まつりには、市内8チームのほかに、丹波市や姫路、加古川、小野などの県内他市のチーム、鳥取、和歌山、大阪、京都、滋賀など県外からも参加。篠山城跡三の丸広場をメーン会場に、大書院二の丸広場、春日神社(黒岡)でも踊り手たちが踊りを披露する。
三の丸広場で開かれる「篠よさお城マーケット」では、飲食やアクセサリーの販売、ネイルケアのワークショップなど33店舗が出店する。
-
2017年4月9日18:00
-
第516問
丹波市山南町の恐竜化石発掘現場一帯を整備し、1日に完成式典が開かれた公園の名前は?
1.篠山層群パーク
2.丹波竜の里
3.ちーたんの家
-
2017年4月9日18:00
-
花見
江戸時代は娯楽が少なかったせいか、庶民にとって花見は最高のお祭りだったようだ。小林一茶に「花の陰あかの他人はなかりけり」という句がある。咲き誇る桜の下で酒をくみ交わし、同じく花見に来た見知らぬ人も一緒になって陽気にはしゃいでいる光景が浮かんでくる。▼江戸時代、丹波の人も花見を楽しんでいたのではないか。そう思わせる句が田ステ女にある。「さくら色に顔も染けり花見ざけ」。顔が桜色に染まるほどに花見酒をあおったのだろう。浮き浮きした空気が伝わってくる。▼酒がセットになった花見。日本古来のこの文化について米国出身の日本文学研究者、ドナルド・キーン氏が60年ほど前に面白い指摘をしている。花見の核心は「できるかぎり大勢の人々とともに酔っぱらえるだけ酔っぱらって、自分が花見という観念を重んじることを示す点にある」というのだ。▼キーン氏に言わせると、日本人にとって花見は、桜を愛でることよりも、人々との仲間意識を確認し回復する機会だという。仲間意識を確認する上で酒は必要不可欠な代物という訳だが、ドイツのことわざに「酒がつくり出した友情は酒のように一晩しかきかない」とある。半面の真実であろう。▼桜の花ははかない。桜花の宴に浮かれ、酒の勢いで確認した友情もはかないか。(Y)
-
2017年4月9日18:00
-
農業の魅力伝えた発表会
丹波市で開かれた「丹波農業グランプリ」では新しい視点で農業に取り組んでいる生産者5人が発表した。グランプリ受賞者の平松さんは大阪から移住した新規就農者。移住者ならではのコネを使って販路を確保したり、野菜の配送箱に保存や調理方法を書いたものを同封するなど工夫を凝らしている。また、準グランプリの岩本さんは祖母から続く振り売り(行商)で得意先から「本音のニーズ」を聞いて野菜作りに生かし、さらに都市部での販路を広げようとしている。
ほかに、丹波地域で唯一、飼育から製造まで一貫体制でチーズを作っている農家や、薬草を栽培している農家、丹波では珍しいアスパラガスを栽培している農家などが発表し、それぞれの農産物の可能性を信じ、それぞれのこだわりの栽培方法で試行錯誤していることが分かった。農業は土地や気候などに左右される部分が大きい。高齢化や過疎化といった社会的影響も受ける。しかし、自分ならではの工夫でなんとか課題を克服し、喜びに変える農業を実践している姿が見て取れた。高校生たちが聴講した意義も大きかったと思う。(坂井謙介)
-
2017年4月9日18:00
-
有機農業43年目へ 小前芳彦さん(篠山市...
消費者、地域を大切に
40年近い歴史のある篠山市の「丹南有機農業実践会」の会長、有機農業などに取り組む同市内の農家でつくる「篠山自然派の会」の代表、一般社団法人オーガニック認証センターの検査員を務める。元県有機農業研究会理事長。有機農業を始めて43年目のシーズンを迎える。
高校卒業後、東京でサラリーマンをしていた。父親が畜産を始めるのを機に、手伝いながら事務の仕事でもしようと篠山に戻ったが、適当な求人がなかった。「もうええわ」と、農家になった。
畜産農家の仲間と有機農業に取り組むかどうか思案していた矢先、伊丹や尼崎の消費者団体と出会った。消費者が農家の家計を支え、農家が消費者の安全な食を支える―という関係性が新鮮に映った。それからの長い付き合いの中で築いた信頼関係。「小前さんの野菜なら農薬入ってても食べるで」という冗談がうれしかった。
堆肥の臭いや害虫発生の危険性などから、有機農業は地域から敬遠されることもある。だからこそ大切にしたのは、地域との協調。「慣行農法にも権利がある」。ヘリコプターによる農薬散布の際に、集落の人が「有機農業しとるもんがおるから気を付けてやって」と言ってくれるようになった。
近年、関心が高まり、自治体も補助金や奨励金を出すようになったが、「それでもやめていく人はいる。それだけ作業にも、売り先の確保にもしんどさがある」と言う。だから、これからを担う若手には「40年の経験、知識の中から何かヒントを残してやりたい」と話す。「40年にわたって一滴も農薬が入っていない農地が大きな財産であり、宝物」と笑った。69歳。
-
2017年4月9日02:12
-
木工作家34人が作品即売 4月29・30日、丹...
写真・丹波ウッドワーカーズクラフトをPRする作家や丹波年輪の里の職員=丹波市柏原町田路で
丹波年輪の里(丹波市柏原町田路)で4月29、30の両日、「丹波ウッドワーカーズクラフト」(丹波ウッドワーカーズ主催)が開かれる。3回目の今回は、作家自慢の作品を即売する逸品オークションを初めて開催する。各作家のブースで、来場者が購入したい好みの作品と値段を投票用紙に記入し、一番高値を付けた人に品物が渡るという試みが話題を集めそう。
木工作家で作る丹波ウッドワーカーズ代表で、自由工房「風箱」の小泉匡さん(45)=同市氷上町朝阪=は、「作品を通じ、お客さんとの対話、交流を大切にしたいという思いからオークションを企画した。手づくりの良さを味わってほしい。フードコーナーで、食も楽しんで」と話し、PRに力を入れている。
両日は、丹波市や篠山市のほか、近畿や岡山などから34人の木工作家が集まり、作品を持ち寄って展示、即売するほか、実演や体験コーナーもある。木の年輪と会場の年輪の里をイメージし、緑を基調にした季節感あふれるポスターも手作りした。「年輪を重ね続けていきたいという願いを込めた」という。各ブースには、椅子、家具、アクセサリー、食器のほか、手工芸品などの作品を並べる。
-
2017年4月9日02:11
-
熊本被災地からランドセル 篠山のNPO...
写真・熊本県西原村教育委員会から寄贈されたランドセル
熊本地震で被災した熊本県西原村の教育委員会(曽我敏秀教育長)がこのほど、篠山市京町のNPO法人「P・U・S(バングラデシュの村を良くする会)」にランドセル約100個を寄贈した。同法人理事長で、地震発生直後からボランティアとして西原村にかかわっている岩下八司さん(67)と現地住民とのつながりがきっかけ。ランドセルは被災した児童たちのためにと寄せられたものの不要になっていたもので、熊本に向けられた善意が、バングラデシュの子どもたちのために役立つ。4月14日で地震の発生から丸1年。紡いだ縁が“お互い様”の支援につながっている。
市民ボランティアによって同県山鹿市内で集められたもので、中古品ではあるものの、きれいで十分使用できる。
昨年4月の地震で最大震度7を観測した西原村。自宅が損壊した児童らのためにと、支援物資として同教育委員会に寄付され、ランドセルを必要とする児童に配られたが、多くが残っていた。
バングラデシュで学校を建設するなど教育支援活動を行っている岩下さんは、地震発生直後から西原村に入り、さまざまなボランティア活動を展開。昨年4月以降、定期的に村を訪れ、炊き出しの手伝いや屋根が破損した民家にブルーシートを張るなどしてきた。
活動を行った民家の住民がバングラデシュへの支援活動を知り、教育委員会に余っているランドセルの寄贈を提案。「支援として寄せられた物資が子どもたちのために役立つならば」と、同法人に贈ることになった。
今年2月、寄贈されたランドセルの一部を持って岩下さんらがバングラデシュに向かい、同法人が建設した小学校の開校式で現地の児童たちにプレゼント。遠く日本から届けられたランドセルに、児童たちは大喜びだったという。
-
2017年4月9日02:10
-
5時間「能楽囃子の会」 氷上町の上田さ...
写真・舞囃子の披露もあった「丹波能楽囃子之会」=氷上町石生の大和で
大倉流小鼓方の上田敦史さん(43)=丹波市氷上町石生=が主宰する「上田江月会」が4月6日、料亭旅館「大和」で初めての「丹波能楽囃子之会」を開いた。プロの能楽師11人をはじめ、上田さんが教えているアマチュアらが出演した。同料亭の2階座敷を会場に、窓から桜が見える中、午前11時半に開演し、終演まで約5時間。その間、50人ほどが訪れ、能楽文化にひたった。
上田さんの父親で金春流太鼓方の上田悟さん(66)=大阪府和泉市=が主宰する「上田青耀会」との共催。
上田さんは3年前、大阪から丹波に移り住んだ。大阪や伊丹、加古川で教室を開いているほか、丹波市でも同料亭や丹波カルチャーセンター(丹波新聞社で開設)で小鼓を教えている。今回の催しには、40年ほどのベテランのアマチュアから、習い始めて1年ほどの人も出演。上田さんの長男で東小学校2年生の航平君もかわいらしい姿で出演した。
-
2017年4月6日17:56
-
三宮神社(養父市大屋町筏)
大屋町を西に向かって行き、大屋市場を右折し、天滝へ向かう侵入路の角に位置する古社。創建は第10代崇神天皇30年(紀元前66年)、祭神は倉稲魂命(稲荷社)、大国主命ほか3神。静かな雰囲気の境内に入り、正面石段を上る。
唐破風流れ造の拝殿が鎮座する。向拝には多彩な彫り物が目に入る。目抜きの竜の圧倒的な迫力には驚く。頭部を左前方に向けあたりを睨んでいる。口を大きく開き、舌をピンと立て、宝珠を中央下で握り、尾の部分の“いらか”は際立っている。髭は銅線ではなく木で作られている。兎の毛通しの鳳凰も躍動感がある。その裏の神仙説話の司馬温公の甕割図が秀逸である。木鼻の少し内向きの唐獅子と獏、持ち送りの松と鷹、手挟みの今にも、飛翔を始める様子の鶴も逸品である。残念ながら、本殿は覆い屋ですっぽり覆われ、中は見えない。竜の尾の裏面に、丹波国氷上郡柏原住、彫物師、中井権次橘正胤とある。
中井権次研究家 岸名 経夫
-
2017年4月6日17:55
-
大歳神社(丹波市柏原町石田)
柏原八幡宮の三重塔の背後の八坂神社(祭神は素戔嗚尊)の流れを汲む八幡さんよりも古い神社で、円墳の上に建てられたものである。柏原七大歳の一つ。現在の社殿は明治維新よりもすこし前に建立された。
拝殿中央の狭い梁間に竜が居る。頭を右上空に向け宝珠を抱え込むようにし、赤い舌をぴんと立て、“いらか”も躍動感あるものだ。木鼻の左右には獏だけが外を向いている。手挟みには海鳥と鶴が居る。力強く迫力がある。惜しむらくは鶴の脚の先端が無くなり、頭も無くなっていることだ。7代目中井権次正次の40歳代の彫り物である。
すぐ横に有名な太鼓櫓がある。後の織田藩主信休が国替えの時に大和宇陀松山藩のそれを正徳4年(1714)に大手門付近に移築し、明治維新後藩主の上京と共に民間の手に委ねられた。神社のすぐそばに小谷家の屋敷が残る。旧柏原中第3回卒首相芦田均が下宿をしていた屋敷である。
中井権次研究家 岸名 経夫
-
2017年4月6日17:54
-
騎士団長殺し
村上春樹の新作「騎士団長殺し」は1部、2部計1000ページ、「1Q84」以来7年ぶりの長編で、例によって読み出したら止められない面白さではあったが、終わってみると正直、「何だ、こんなものか」と物足りなさが残った。いくつか気になる点が中途半端なままに、物語としてはさらりと終わっている。▼主人公は36歳の画家。生活のために気の乗らない肖像画を描き、観たものの本質をしっかり捉える眼力を持っているため客からは好評を得ている。しかし妻から離婚を言い渡された痛みを抱えながら、ひっそりと暮らす境遇。▼山中にある高名な日本画家の留守宅に住み始めたことから、穴や壁、異界の人物など、いつもながらの“村上ワールド”に巻き込まれ、有と無、現実と非現実の境を往き来する。▼ナチスドイツや日中戦争時の南京なども登場するが、なんとなく調味料のような扱いで、よく似た仕掛けを持つ「ねじまき鳥クロニクル」や「海辺のカフカ」の迫力には欠けるし、「1Q84」のような宗教性も帯びていない。▼ノーベル賞の常連候補作家の久々の長編としては期待外れだった。「春樹の才能もここまでか」と断じるのは厳しすぎるかもしれぬ。それより、春秋子は第3部までで“中断”と思っている「1Q84」の続編は本当にないのか。(E)
-
2017年4月6日17:54
-
閉校ネットワークを
先日、篠山市の多紀中学校跡を活用した篠山チルドレンズミュージアムに行った。サクラがちらほら咲き始めた季節がそう感じさせたのか、多紀中の卒業生でもないのに、建物の一角、何でもない壁の傷にふと母校を思い出す。
丹波市青垣町の4つの小学校が統合し、「青垣小学校」が誕生した。今後、3つの小学校跡地を抱える地元では、校舎の活用検討が本格化していくことだろう。昨年度末に閉校になった篠山市の大芋、福住小学校のある地元でも協議が続いている。
ふるさとを思い出すとき、まず頭をよぎるのは、学生時代の友人であり、思い出である。その思い出を輝かせる“大道具”として欠かせないのが、母校の教室であり、廊下であり、壁の傷だ。
Uターンを促そうと模索が続く丹波地域。母校を廃墟にしないための地域の人たちの工夫、アイデアがUターン促進という大きな行政テーマに直結している。母校でなくても懐かしさが感じられる学校だからこそ、閉校校舎間のネットワークを構築し、機能や特徴を補い合い、来客を誘導し合うような取り組みも必要ではないか。(芦田安生)
-
2017年4月6日17:53
-
春色、恋心より、欲しいものは…
「ん?」と、チビタの保育園リュックをゴソゴソすると出てきた手作り冊子のお便り。「○よりひろきくんへ」思わずにんまり、中身を拝見!まずはタイトル「大好きな人」うっひょ、これってラブレター!?5歳児男子、やるやん♪と次のページをめくるとチビタの名前!そして、その後のページには彼女の大好きなたくさんのお友だちに先生の名前も。「ありゃ?」なぜか切なくなる母ちゃん。チビタに聞くと、貰ったこと自体に喜んでおり、可愛い交流が微笑ましく思えた。
一方、春から4年生になるお姉ちゃんなんて、さすがに女子力が高く「お母さん、キュンキュンしたことある?」と思わず目が点になることを突然聞く。折しも先日、14回目の結婚記念日。そんな頃もあったなぁ、久しくキュンキュンしてないなぁと思いつつ「あるで~お父さんにいつもキュンキュンしてるわ♪」って言ったら「キモッ!」って。何だか母ちゃんが可哀想なのか、父ちゃんが可哀想なのか。そりゃ彼女にしたらこれから春爛漫な青春時代が始まるんだもんなぁと感慨深くなる。
春休みを利用して一家総出で翌冬の為の薪割りをする。「働かざる者食うべからず!」が合言葉なので、子どもたちも必死で自分の役割を否応なしにこなしてもらう。そんな中、母ちゃんから出た言葉は「お父さんが死んだら薪に困るな」。その言葉にチビタは「死ぬん?」、そして「(俺より薪って)怖ッ」と父ちゃんの一言に苦笑するしかない母ちゃんでした。
(古谷暁子・ブルーベリー農家)