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2017年6月4日09:00
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働く
朝ドラ「ひよっこ」を楽しみに見ている。集団就職で地方から東京へ出た少女が主人公。工場で働く彼女は、低賃金なのに貧しく生活の苦しい実家に給料の多くを仕送りする。家族のために少しでも役立ちたい。家族に喜んでもらいたいと思うからだ。▼国語学者の金田一春彦氏によると、英語で、働くことをいう「work」には勉強することも含まれるが、日本では勉強を「働く」とは言わない。「自分のために何かをすることではなく、何かほかの人の利益になること。金を稼いでくるとか家事をするのが『働く』である」という。▼家族のため、大きくは社会全体のために行動すること。それが働くである。思想家の内田樹氏は、「自己を供物として捧げるということは、人間に深い感動をもたらす経験である」とする。働くとは、人のために自分を捧げること。そこに生きがいを感じるのが人間の本来の姿なのだろう。▼それが今は崩れかかっているのか、地元の知り合いの会社経営者がこぼしていた。よく働いてくれる男性の非正規社員に正社員にならないかと声をかけると、断られたという。理由は身軽でいられなくなるから。彼にとって、働くとはどこまでも自分のためなのだろう。▼明日5日から、働く世界を中学2年生が垣間見るトライやるが始まる。 (Y)
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2017年6月4日09:00
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篠山市長安寺の森本幸治さん 丸ポスト巡...
篠山市長安寺の森本幸治さん(85)が、自身のブログ(インターネット上の日記)をまとめて自費出版している本「白髪のモコのブログ」(丹波新聞社印刷、A5判)が10巻の節目を数えた。2010年からブログを始め、当初は日々の暮らしの中の雑感を掲載していたが、次第に昔ながらの円筒状の赤いポスト(丸ポスト)を訪ね歩いている記録が話題の中心になっている。「ブログ友だちが感想を寄せてくれたりするので励みになる」と話している。
ブログ友だちに「こんな趣味もあるよ」と教えてもらい、11年ごろから各地の丸ポスト巡りを始めた。国内に丸ポストは5600カ所ほど残っているといい、このうち3000カ所ほどを訪ね、写真に収めている。篠山市、丹波市はもちろん、近畿、九州北部、四国、中国地方、東京西部などは「ほぼ制覇したはず」という。
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2017年6月3日15:53
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古美術 一休堂「GALLERY193」
古美術品 まず連絡を
古美術を鑑定して30年になる小林茂さん(58)が経営。様々な古美術品、屏風、掛け軸、絵画などの骨とう品の買い取りに力を入れている。店頭では、古い丹波焼や王地山焼などの陶器類を中心に販売もしている。
小林さんは、「どんな物でも50年経つと、懐かしさと郷愁が漂い、お宝としての“芽”が出始める。昔の牛乳瓶のふたでも、レトログッズのコレクターには人気がある。『こんな物、恥ずかしい』と思わず、まずは気軽に連絡を」と呼びかける。
近畿一円をはじめ、全国各地へも電話一本で出張鑑定に出向く。店への持ち込みもできる。
篠山市魚屋町9
tel.079・552・7678
Eメール/tanba19@leto.eonet.ne.jp
営業時間/9:00~18:00
定休日/不定休
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2017年6月3日15:40
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丹波市内に残る丹波布調査 保存会が情報...
写真・丹波布伝承館で展示されている古布(手前)と縞帳(奥)
丹波布が国指定選択無形文化財に指定された60周年の節目に合わせ、丹波布技術保存会(畑田久祐会長)が、丹波市内に残る丹波布の調査を始める。これまで本格的な調査が行われたことはなく、初めての試み。文化財のように所有者を記録し、後世に伝える台帳を作る。「古い布があれば見せてほしい。鑑定に伺う」と同会は協力を呼び掛けている。
民藝運動主唱者の柳宗悦が昭和3年(1928)に京都の朝市で見つけた佐治木綿。研究者によって昭和6年(1931年)に、青垣町佐治で織られていた布と特定された。昭和29年(1954)に地元の名士らが、途絶えた同布を復興しようと「丹波布復興協会」を結成、同年に「復興1号」が織られた。丹波布第一人者になる足立康子さんもこの後加わり、昭和32年(1957)に丹波布を製造する一連の工程が、国の文化財の指定を受けた。
復興以前の布と、復興後の両方を調査する。
秋に60周年記念事業を予定しており、所有者の承諾が得られるものは展示を考える。
丹波布の特徴は格子柄の縞模様。情報提供、問い合わせは丹波布伝承館(0795・80・5100)へ。
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2017年6月3日15:37
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春日町黒井・称名寺の「日新地蔵」 児童...
写真・通学路のそばで、登校する児童を見守る日新地蔵=丹波市春日町黒井で
お地蔵さんに児童のすこやかな成長を見守ってもらおうと、丹波市春日町黒井の称名寺(赤尾正顕住職)がこのほど、境内に安置していた地蔵菩薩像「日新地蔵」を、同寺の山道入り口に移した。同寺は黒井小学校のすぐそばにあり、登下校をする同小児童の目に触れる場所にお地蔵さんを“お引っ越し”。赤尾住職は「子どもに縁のあるお地蔵さんなので、子どもたちのことをそっと見守っていてほしい」と話している。
日新地蔵は2体あり、片方は高さ1㍍20㌢ほど、もう一方は1㍍ほど。同寺檀家が編んだ帽子をかぶり、よだれかけを付けている。作られた時期は不明だが、江戸時代の作だと考えられる。
赤尾住職によると、同寺は江戸時代、「日新舎」という寺子屋が開かれ、多くの子どもたちが本堂で学んでいた。当時、日新地蔵は境内にあり、寺子屋の名前から「日新地蔵」と呼ばれ親しまれていたと考えられるという。
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2017年6月1日09:13
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柏原藩陣屋
津波で多くの漁業者が離れていった石巻市の漁師のグループが、若者に漁業への関心を持ってもらおうと「フィッシャーマン・ジャパン」というサイトを立ち上げ、様々な活動をしている。▼その一環として、漁師は早起きであることに目を付け、朝の苦手な人向けにモーニングコールを受け付け始めたところ、全国から申し込みが殺到して抽選しなければならないほどになったという。石巻の水産物ファンが増えていくことだろう。▼ネットの時代、ちょっと目新しさをアピールすれば、すぐに人を集めることが出来る。しかしその目新しさに、当事者自身は意外に気が付いておらず、たまたまわかった時、「えっ、こんなことが?」と驚くことになる。▼ところで5月21日号本紙「自由の声」欄に、高知県の人の「柏原藩陣屋訪ね歴史の町に感動」という投稿が載った。「城郭のある所は全国ほとんど見尽し、残るは陣屋のみ」だったところ、小野市に来た機会にわざわざ足を伸ばし、静かな街並みの中に残る陣屋跡に魅了されたという。▼殿様の住まいが残る大名陣屋が現存するのは、全国でもほかに川越、掛川などごく少ないと聞く。ただ雨戸を閉めて保存しているだけではいかにも勿体ない。茶会なり結婚披露宴なり、ネットで呼びかけどんどん使ってもらえばいいのに。(E)
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2017年6月1日09:12
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注目度増すラグビー
先日、京都迎賓館で2019年のワールドカップ予選の組み合わせ抽選会が行われたラグビー。15年イギリス開催で3位だった南アフリカに歴史的勝利したことや、2年後のワールドカップが日本で開催されることなどから人気が上がっている。取材した県最北端の三田市のジュニアチームでも部員が増加しているという。
今月10、17、24の3日間、日本代表戦が熊本、静岡、東京で行われ、いずれも地上波で生中継される。さらに注目度がアップするだろう。
丹波地域ではクラブチームがなく、なじみの薄いスポーツ。本日号の「こども新聞」でラグビーを紹介したが、企画段階で丹波地域の子どもたちが何人くらいプレーしているだろうかと思い、三田のチームに問い合わせたところ、6人もいたことが分かって意外だった。
丹波地域在住の2選手を取り上げた。「どんな選手になりたいか」という質問に「人がミスしてもフォローできる選手に」「みんなの役に立てる選手に」など、どんな「選手」を超えて、どんな「人」になりたいかを答えていて、印象的だった。(坂井謙介)
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2017年6月1日09:11
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あたたかなホタルの光に包まれて
「あっ、ホタルがお星さまになっていく」―。群青色の空に散りばめられた数え切れない星々の中に吸い込まれていくホタルを、小さな影法師が見上げる。その横を少し大きな影法師たちが「あっちにも光ってる!」と走り出す。寂しそうな影法師の横で更に小さな影法師が「大丈夫、ほらまだ手の中に星があるみたい♪」と。そっと両手で包んだホタルをのぞき込むと、ほんわりと光って柔らかく飛び立った。闇夜に響くは子どもたちの歓声と賑やかな蛙の合唱。そんな微笑ましい様子をほろ酔い気分の大人たちは「良いよね~こんな環境で子供たちが大きくなるのって」とさらりとこぼれた誰かの言葉に無言でうなずく。
週末、突然に仲良し一家からご飯でも一緒に食べようと誘われた。実はここ最近、畑の方が忙しい上に、母ちゃんは役員会、父ちゃんも消防団の夜の部隊訓練が始まり、疲れがたまり、何だか気持ちに余裕も無く、少々病み気味で引きこもりたい気分だった。
実はうちはインドア派農家。それをアウトドア派の友人一家がドラム缶でピザ窯を作ったからと招待してくれた。熱々サクサクのピザとキーンと冷えた飲み物。旬の野菜のサラダ。シンプルな食卓と賑やかな会話。子供たちの笑い声。そしてホタルが飛んでくるハプニング。
なんだか心がふっと軽くなった。ガチガチ頭でいるのか、柔らかく、たおやかな心でいるのか自分の気持ち次第だなと、小さな影法師たちが教えてくれたような気がした。
(古谷暁子・ブルーベリー農家)
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2017年6月1日09:09
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骨髄ドナー登録会 6月2日・12日
骨髄ドナー登録会が6月2日午後2時半―同4時、兵庫医科大学ささやま医療センターで、同12日午前10時―午後4時、篠山市役所で開かれる。登録できるのは、18―54歳の健康な人で、体重45㌔以上の男性、40㌔以上の女性。献血会と同時に行う。県など主催。県民局(食品薬務衛生課0795・73・3770)。
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2017年6月1日09:08
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「のんびり茶にふれあって」 6月3、4...
県内一の茶どころ、篠山市味間地域の大国寺、茶の里会館(同市味間奥)周辺で6月3、4の両日午前10時―午後4時、「第37回大国寺と丹波茶まつり」が開かれる。3日正午からは集落内の田んぼで行う運動会「第11回丹波ささやま大田動会」が催されるなど、地域一帯が活気に満ちる。
丹波茶や地域の特産物普及、観光振興を目的に開催。例年、約7000人の観光客らが訪れる。
3日は丹波茶壺道中、虚無僧行列(午前10時―)に始まり、たんなん樽太鼓の演奏(午前11時―)やダンス、オカリナなどのステージ(午後零時25分―)が祭典を盛り上げる。また、お茶の入れ方教室(午後3時5分―)もある。
4日は子供茶壺道中(午前10時―)、丹南中学校吹奏楽部などのステージ(午前11時―)が開かれる。
両日とも茶娘の写真撮影(午後1時半―)、もちまき(午後4時40分―)が行われる。
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2017年6月1日09:07
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篠山市市名変更に賛否噴出 市議会報告会...
篠山市議会は5月15日から26日にかけて市内9地区で開いた議会報告会の中で、参加住民と「丹波ブランドと市名について」をテーマに意見交換を行った。市名変更することに賛成の意見が多い地区もあれば、反対する意見が大勢を占めた地区もあり、意見のばらつきが見られた。報告会への参加者は9地区で計295人。昨年度、市内全19地区で開催した報告会の参加人数(323人)に迫る数字で、賛成、反対、いずれにしても、市名問題への関心の高さを如実に表している。
今年2月から5月30日までに計7団体が市名変更を求める要望書を市長や議長に提出。反対の声を上げる団体はなく、双方の意見が公の場で出されるのは、今回の議会報告会が初めて。
反対する人の主な意見では、「丹波篠山市と丹波市になれば、さらに混乱するのでは」「市名を変えればうまくいくというのは間違いでは」「市名変更にかけるお金を篠山市のPRに使うべき」などがあがった。
一方、賛成する人は、丹波市の誕生に伴い、同市と篠山市が混同されているケースなどを引き合いに出しながら、「誤解を解くためには市名変更が一番早い」「丹波篠山の方が全国的に知られているので、丹波篠山市にしたほうがよい」などの意見が出された。
報告会には地区を超えて参加している人もおり、要望団体の関係者や、市名問題について意見を持つ人の姿が見られた。
賛成、反対どちらでもない意見としては、「市名変更は大きな問題。議会は全地区で意見を聞くべきではないか」「プラスの経済効果はどれほどになるのか」「丹波市や若い人はどう思っているのか」「市名が変わって困る人はいないのか」などもあがった。
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2017年6月1日09:07
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丹波市に光化学スモッグ注意報発令 原因...
県水大気課は5月30日午後3時45分、丹波市に光化学スモッグ注意報を発令した。連絡を受けた丹波市は、市民環境課が市内各部に連絡。市教育委員会は、学校やこども園などに窓を閉めることや屋外での運動を控えるよう通知した。
大気課によると、確認できる2006年以降発令はなく、それ以前は分からないという。
県柏原総合庁舎(柏原町柏原)で観測している。光化学スモッグの原因となる、大気中のオキシダント濃度が注意報発令基準の1時間120ppb(ppbは10億分の1)を午後3時に超えた。120ppbに到達しそうな気配があるとして、午後2時15分に予報を発令していた。
同課によると、2015年度の丹波市の平均は33ppb。日最高1時間値の平均をとっても49ppbだった。
丹波市に注意報、三田市に予報が出された以外に、県内自治体に発令はなかった。
高気温で風がなく、日射が強い三条件がそろった時に濃度が高まる。県水大気課は「丹波市には原因物質の発生源はないが、物質が大気にのって加古川をさかのぼってきやすいと言われている。今回は気象条件がそろったところにたまたま流れてきたのでは」と推察する。
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2017年6月1日09:03
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市島町北奥「奥丹波の森」 手作り舞台で...
写真・木立の間に設けられた手作りのステージで演奏する出演者たち=丹波市市島町北奥で
農業を通じた都市との交流活動などを行っている農事組合法人・丹波いちじまふぁーむ(荻野拓司代表)が運営する「奥丹波の森」(丹波市市島町北奥)で5月27日、「奥丹波の森コンサート」と題した音楽イベントが開かれた。木立の間に手作りのステージが設けられ、元タカラジェンヌの夏峰千さんらが出演。森の中に美しい歌声がこだました。 森の良さを体感でき、親しみを持ってもらう場にしようと、数年前から荻野代表と有志が森の整備を続けている。スギの立木を利用したツリーハウスのほか、バーベキュー棟や宿泊もできる「森の小屋」などがある。
昨年12月、共通の知人を通じ、夏峰さんが森を訪問。豊かな自然や手入れの行き届いた森の様子、音の響きなどに感動したという。夏峰さんは「木立が天然の反射板になっているのか、気持ち良く歌えそうだった。トトロが出てきそうな空気感が心地良かった」と話し、春にコンサートをする約束を荻野代表と交わした。
荻野代表はコンサートに備え、スギの板材で5×4㍍ほどのステージを一人で手作り。2月には夏峰さんを招き、リハーサルにも取り組んだ。
この日、70人ほどが来場。県内で活動するバンドなども出演し、イベントに花を添えた。最後に登場した夏峰さんは、「カサブランカダンディ」「糸」「大阪で生まれた女」など6曲を熱唱。パワフルな歌声に、来場者も盛り上がっていた。アンコールにもこたえ、「スタンド・バイ・ミー」を披露した。
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2017年6月1日09:02
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明滅する光の舞 丹波市内各地でホタル発生
丹波市内各地で、ゲンジボタルの発生が見られるようになった。ゆっくり明滅をしながら、川面や田んぼに自身の光を映し恋の相手を探して飛び交っている。
氷上町石生の高谷川では5月20日ごろから姿を見せ始めたという。5月29日は90匹ほどがJR橋の下流に集まり、一斉明滅を繰り返していた。草にとまって羽根を休めながら、高く舞い上がったり、ゆっくり飛んだり速度を増したり、求愛にいそしんだ。
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2017年5月28日09:00
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「丹波人物伝講座」 6月3日、たんば黎...
たんば黎明館で6月3日午後2時から「丹波人物伝講座」が開かれる。同館を運営するまちづくり柏原が定期的に開いている人物伝講座の一環で、今回は実業界で活躍した3人を取り上げる。
神戸にあった商社、鈴木商店を支え、同商店の破たん後、「日商」を立ち上げ、社長を務めた山南町出身の永井幸太郎。日商から発展した「日商岩井」の初代社長を務める一方、日本バレーボール協会の会長としてバレーボールを振興した市島町出身の西川政一。百科事典で知られる「平凡社」を立ち上げ、戦後、世界平和アピール7人委員会を創設した篠山市今田町出身の下中弥三郎。講師は荻野祐一・丹波新聞社社長。無料。
問い合わせは、まちづくり柏原(0795・73・3800)。
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2017年5月28日09:00
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第522問
丹波市春日町黒井の中川節雄さん宅で、浴室の照明に巣を作っている鳥の種類はなんでしょう?
1.スズメ
2.ツバメ
3.シジュウカラ
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2017年5月28日09:00
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子どもは笑っているか
大阪の繁華街“ミナミ”で、外国にルーツのある子どもたちを支援する活動を続けている篠山市在住で、大阪市立南小学校長の山﨑一人さんの講演を聞いた。2012年4月、山﨑さんが同校長として赴任した矢先、外国人の母親が新1年生の我が子と無理心中する事件が起きたのが支援活動のきっかけだった。
両親が仕事で夜に家を空けるため、へとへとになりながら幼いきょうだいの面倒を見る小学生、授業についていけなくなって学校を休みがちになりながらも高校合格を勝ち取った中学生―。講座では、そんな同校の子どもたちのドキュメンタリー映像が流され、辛そうな顔よりその笑顔が印象に残った。
言葉や異文化の壁、親の都合に振り回される子ども、そして、悲しい現実の中にありながらも、つながり合う地域、団体、個人。社会の嫌なところ、素晴らしいところを凝縮して見ているような、そんな講座だった。
外国にルーツのある子どもに限らず、「悲しい目をした子どものいない地域」以上に望むことはない。丹波地域の子どもの目は笑っているだろうか。(芦田安生)
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2017年5月28日09:00
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学校教育の今昔
「先生多年の辛苦空しからず(略)世間傳へて近江聖人と呼べり」。5月18日付の新聞に掲載した旧制柏原中学校の入試問題の一文だ。平易な文章に書き直すよう求めているのだが、冒頭の先生とは誰かを暗に問うているのが、この問題のみそ。最後に「近江聖人」とあるから中江藤樹を指し、その名が書いてなければ減点になったと思われる。▼藤樹は江戸時代初期の儒学者で、日本陽明学の祖と言われる。私塾を開き、その教えは庶民の間にも広がった。学者とは徳のすぐれた人をいうのであり、いくら学識があっても徳が欠ければ学者ではないとし、徳を磨くことを重んじた。▼先の入試問題は明治36年のもので114年前。13、14歳ごろの少年が受けていた。小学校で藤樹について学んでいたのだろう。そのことに驚き、今昔の隔たりを思う。▼入試に先立つ明治27年、内村鑑三が『代表的日本人』を出した。西欧に向けて日本人の精神を紹介したもので、5人の人物を同書で取り上げた。その一人が藤樹で、「理想的な学校教師として日本人が尊敬している人物」だとした。▼鑑三は、藤樹を取り上げた章で、かつての日本の教育についてふれ、学校に行くのは、卒業後に生計を立てるためでなく、君子になるためだったと書いている。学校の存在意義にも今昔がある。(Y)
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2017年5月28日09:00
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紙の聖堂
四月十九日から七日間、ニュージーランドツアーへ出かけた。旅の前は予定満載で、十四日が丹波での句会、十五日が丹波市俳句協会での講演、十六日は教会の復活祭、そしてその夜、夫がバリ島より四週間ぶりの帰国、十七日は今月最後の主宰指導句会の前日の十八日にようやく旅支度。本屋でニュージーランドの旅案内を購入。読んでいる暇なく旅行当日に。飛行機の中でようやく案内本を開く。
夫からいつも「君の一週間のツアー旅行代金で、僕はひと月アジアで遊べる」と言われている。夫はいつも一人旅なので、出かける前に色々事細かに調べ上げる。その時間も旅の楽しさで、それこそ本来の旅なのだろう。
さて、今回のニュージーランドの旅で、最も印象的だったのはクライストチャーチの「紙の大聖堂」だった。二〇一一年二月二十二日正午過ぎ(現地時間)に起きた「クライストチャーチ地震」で崩壊した大聖堂、それに代わる臨時の聖堂として建てられた「カードボードカセドラル(紙の大聖堂)」を見学した。これは修復が困難な本来の大聖堂の代わりとして、日本人の建築家「坂茂」氏の設計によるもの。ラップを巻いた芯の強度から発想を得て、柱に巨大な紙の芯を使い、屋根から十字架、すべてを紙で作った大聖堂。坂氏はこれまでも神戸や東北をはじめとして世界の被災地で仮設住宅の建設に関わってきた人。この聖堂の耐用年数は三十年から五十年とか。いち早く、人々の心の拠り所である聖堂を無償で設計した日本人がいることに、とても感動した。
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2017年5月28日09:00
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「婚活パーティー」参加者募集 7月に開...
丹波市氷上町幸世地区の20―40歳代の若手でつくる「幸世若者交流会」(芦田康秀会長、8人)が7月15日午前11時から幸世交流施設(同町賀茂)で初めて開く「カップリングパーティー『幸恋』」の参加者を募っている。
参加資格は男性が25歳以上で丹波市在住、在勤。女性は20歳以上で地域は不問。参加費は男性4000円、女性2000円。男女とも各15人を募集する。応募者多数の場合は抽選。6月16日申し込み締め切り。
当日は、バーベキューのほか、ゲームなどお楽しみ企画を計画中。
申し込みは事務局(0795・82・5038午前9時―午後3時、sachiyo.club@gmail.com)。