-
2017年6月17日15:56
-
知事選...
写真・特別啓発員に委嘱されたマスコットやデカンショ人形たち=篠山市北新町で
県知事選が告示された6月15日、篠山市役所前で選挙啓発隊の出発セレモニーが行われた。7月2日の投票に向けて、市選挙管理委員会や明るい選挙推進協議会委員らが、広報車や店頭などで投票を呼び掛ける。
セレモニーでは、特別啓発員として、マスコットの「まるいの」と「まめりん」、市役所前に立つデカンショ人形が委嘱され、啓発たすきがかけられた。まるいのとまめりんは25日にバザールタウン篠山店やザ・ビッグ篠山店などで行われる街頭啓発にも駆け付ける。
市選管の若狭幹雄委員長は、「各候補の主張を聞き、『この人ぞ』という人に投票してもらいたいし、一人でも多くの人に投票所に足を運んでいただけるよう活動を展開していきたい」と話していた。
-
2017年6月15日09:14
-
天満威徳神社(香美町村岡区日影)
国道9号線、日影地区の猿尾の滝に入る道の次の小道を入って右折して少しの所で左方、山の方へ向かう。天保11年8月11日と彫り込まれた大きな自然石の御神灯が目印だ。160から70段ほどの自然石の石段を上った中腹の平地に鎮座する神社。樅(もみ)などの大木も茂り、静謐な雰囲気の境内である。祭神は菅原道真、創建は嘉永2年(1849)。
覆い屋の本殿は、あまり大きくはないが、一間社入母屋造り千鳥破風唐破風。向拝に60㌢程の玉眼の竜と上に松の木の彫り物。唐破風懸魚には大きく羽を広げた鳳凰、木鼻には唐獅子と獏、持ち送りには牡丹と菊花、2枚の手挟みには、竹生島文様の波と兎、さらに本殿梁にある。脇障子は鯉に乗る琴高仙人と鐘離権仙人である。向拝中央、竜の裏面の片隅に「彫り物師 丹州栢原町住人 中井権次橘正貞」の銘がある。彼69歳時の円熟の秀作である。
中井権次研究家 岸名 経夫
-
2017年6月15日09:14
-
二宮神社(京都府京丹波町橋爪)
京都に向かう国道9号線旧瑞穂町の橋爪を右折し、高屋川の宮前橋(木造)を渡った所の山すそに鎮座する社。創建時は不明。祭神は応神天皇ほか3神。火事により焼失、天保2年(1831)に再建。唐破風三間社流れ造の重厚な社殿で、桧皮葺で覆い屋がある。
彫り物は、兎の毛通しに右前方を向けて今にも飛び出しそうな、躍動感溢れる鳳凰が目に入る。向拝中央は定番の竜である。真ん中に宝珠を握り、骨太の“いらか”をピンと立て、目の後方に朱色を残し左下方を睨んでいる。その左右には、牡丹と唐獅子が舞っている。木鼻には少し首を内側に振った阿吽の呼吸の絶妙な作りの唐獅子、外側は阿吽の獏である。また持ち送りには大きく羽を広げ波の上を飛翔する海鳥がいる。脇障子は、左が崖の上にいる親の唐獅子を下から子の唐獅子が大きく口を開けて呼んでいる図。右が中国の神仙説話の老人だ。6代目中井権次正貞の秀作だ。
中井権次研究家 岸名 経夫
-
2017年6月15日09:13
-
9.「梅仕事」シーズン到来
爽やかな初夏の風が吹き抜けて、そろそろ暑さの坂を登り始めたなぁと感じる頃、梅仕事の季節です。梅干し・梅酒・梅ジュース・梅酢漬け…今年は梅味噌も作ってみようと思っています。私はまだ作ったことがありませんが、素晴らしい薬効がある梅肉エキスも忘れずにいてください。
今月は、おなじみの《梅干し》についてです。体に良いということは有名です。『三毒(食べ物の毒・血の毒・水の毒)を断つ』といわれ、血液浄化・活力増進・殺菌効果・老化防止・疲労回復などに効果があるそうです。そのほか、不思議な効用もありそうです。
昔から『梅干しを日ごと食べれば福が来る』とか『朝の梅干しは難逃れ』とか言われていたようです。おばあちゃんが『今日も一日無事に過ごさせていただけますように』と朝食の時、押し頂いて食べていたのを思いだし、学校へ行く子どもに『ラッキーボーイになれるから食べて行こう』と、ごはんの上に乗せたりしました。親の想いを込めた梅干しでした。
また、『梅干しの種の中には天神さんがいてはる』といわれていて、梅干しの種を粗末にしないように、南天(難を転じる)の木の根元に置いたりしていました。最近知ったのですが、種の中の仁にはアミグダリン(ビタミンB17)という成分が多く含まれていて薬効があるらしいです。
ところで、近頃は 嗜好がどうしても“やわらかい・甘い・減塩”に流れてしまい、減塩や味付けなどの梅干しが多く市販されていますが“すっぱい・しょっぱい”が梅干しのねうちだと思います。この時代、非常食の一つとして梅干しを入れておかれるのもお勧めです。昔ながらの梅干しは常温で大丈夫です。
梅干しを漬けるのは難しいことではありません。梅を35度の焼酎で拭いて、梅に対して18%~20%ぐらいの自然塩で漬ければ、そう失敗することもありません。ビンで漬けると楽です。保存用の密封できるビニール袋でも手軽に漬けられるようですよ。一度漬けてみられませんか。
* * *
〈ついでに紫蘇ジュースはいかがですか〉
満月の日に紫蘇の葉を採って来て(と、おばあちゃんは言うてはったけど)、店頭に並んだら、塩で揉んで梅干しの中に入れると見事な紅色になります。ついでに紫蘇ジュースを作るのはいかがでしょうか。赤紫蘇だけでなく青紫蘇も入れても大丈夫です。茎も入って大丈夫です。手に入っただけを、ひたひた位の水を煮立てた中へ入れて灰汁を取りながら煮出します。葉の色が抜けて来たら濾してお好みの量の砂糖を入れて煮溶かします。最後にクエン酸かりんご酢レモン汁などを入れるとルビー色に変わり出来上がりです。
(野口歩 17.5.21掲載)
-
2017年6月15日09:11
-
熊本の被災地で
熊本地震被災地ツアーの途次、南阿蘇村の写真家、野中元さん(49)宅で昼食を頂いた。24年前に移住した古民家で畑を作り、自給自足に近い生活をしている。取れたての野菜を妻のかるべけいこさん(47)が料理する。▼メニューは蕪の菜飯に具のたっぷり入った味噌汁、新じゃが・ニンジン・ベーコンの煮物、自家製ハム、車麩の揚げ物、小松菜のクルミ和え等々。土間の台所にくどがあり、薪でご飯を炊く。▼深夜に本震勃発の際、柱も戸板も吹っ飛びガラスが散乱する中を家族3人で脱出、車で近くの避難所に逃げ込んだ。一夜明け、近隣の人達が持ち寄った米や野菜を携帯コンロで調理した。イチゴやアスパラも集まって、食事だけは普段通りに続けられた。不便な環境に気がめいり愚痴が出そうになっても、おいしいものを食べている時は気持ちが和み、昔話に花が咲く。▼1カ月後に元の暮らしに戻って間もなく、スーパーで中年女性から「その節は大変お世話になりました」と声をかけられた。妻が「夫婦で避難所に来ていた方よ」と教えてくれた。夫は退所後に癌で亡くなったそうだが、息を引き取る間際まで「あの時のご飯がこれまでで一番おいしかった」と涙を流していたという。▼やはり、「食べ物は金さえ出せばいくらでも口に入る」ものでは決してない。(E)
-
2017年6月15日09:09
-
付加価値の野菜
住んでいるアパートには、各部屋に小さな庭がついている。ちょっとした暇つぶしにと、庭のスペースを活用して野菜のプランター栽培を始めた。トマトとピーマン、ナスなどの苗を植えた。
とは言うものの、まったくの素人なのでコツなどわからない。毎日の水やりだけは欠かさなかったところ、1日で思った以上に成長することに気づいた。次第に愛情もわいてきて、朝、庭に出るのを楽しみにしている。
最近、それぞれの野菜が美しい花を咲かせた。モンシロチョウが舞うようになり、部屋の中から眺めては「うちの庭にもチョウが来るようになった」と喜んでいた。ところが後日、ブロッコリーの葉が穴だらけになり、その数日後にはボロボロになった。観察してみるとアオムシが大量に付いていて、葉を食べていた。チョウが卵を産み付けたのだろう。油断も隙もない。農家さんって本当に大変なんだなぁとしみじみ思った。
本格的な夏を迎えるころに収穫できることを、今から楽しみにしている。「自分で育てた」という付加価値が付く。きっと格別の味だと思う。(田畑知也)
-
2017年6月15日09:09
-
頑張れ、父ちゃん。もうちょっとの辛抱!
何を書いてもOK、農業や育児、日々の思いをコラムに書いてほしいと言われて10年目。小学生の頃、読書感想文を書けばあら筋のみで先生に却下、日記も続かず、手帳は数カ月で白紙の母ちゃんがここまで続けてこられたのは、読者の温かい励ましと、こんな適当な母ちゃんを受け入れてくれている新聞社のお陰かと。お陰ついでに父ちゃんに止められても母ちゃん暴走します。この時期、書くネタってこれよね?!
そう、消防団ネタ。娘が小さい頃、父ちゃんが夜ごと消防団の夏季訓練大会に向けての練習に行くお陰で、敬礼ポーズから「シャキーン」が消防団を意味することになったなんてことを8年前に書いた。その後、チビタも生まれ、小さい子を2人抱える夕飯時のややこしい時間帯に父ちゃんは練習に行くし、その時期はビールの量が増えるのに目を瞑り、夜中、子どもたちが寝静まった中、ゴソゴソ台所で空腹を満たす物音を我慢し、シンクに朝まで洗い物を放置されているのも受け入れなければならない。何よりも父ちゃん本人が早朝から暗くなるまで肉体労働をして疲れ切っている体で練習している事が一番可哀想。
ハイ、分かっています。有事の際の操法が大切なのも、連帯感を持つことも。でも、ちょっと色んな事に対してそこまで必要なのかな~と思いつつ、最近は練習に出掛ける父ちゃんを尻目に夕飯時のテレビの解禁を喜ぶ子どもたち。ビール片手に「ご苦労さ~ん」と軽く言う母ちゃんだったりもするのです。
(古谷暁子・ブルーベリー農家)
-
2017年6月15日09:08
-
谷水尚道氏訃報
谷水尚道氏(たにみず・なおみち=元丹波ひかみ森林組合代表理事組合長、元丹波市土地改良区協議会会長)6月10日午前9時18分、病気のため同市内の病院で死去、81歳。自宅は丹波市氷上町賀茂1427ノ5。葬儀は13日、おこなわれた。喪主は二男、章浩(あきひろ)氏(タニミズ住建社長)。
土地改良事業推進、林業振興などの功績により、2013年に旭日単光章を受けている。
-
2017年6月15日09:08
-
保尾道紀氏訃報
保尾道紀氏(やすお・みちのり=保尾医院院長、保尾洽三保尾歯科医院院長の兄)6月12日午後2時35分、肝臓がんのため神戸市内の病院で死去、75歳。自宅は丹波市山南町井原234ノ1。葬儀は15日午前10時から、大阪市城東区成育4ノ8ノ25のカトリック関目教会で。喪主は妻、初美(はつみ)さん。
1978年に保尾医院を開院、13日の閉院まで40年間、地域医療に尽くした。
-
2017年6月15日09:07
-
「あなたのデカンショ節を」 オリジナル...
デカンショ祭振興会(会長=酒井隆明市長)は、オリジナルの歌詞を募る「日本デカンショ節大賞」への参加を呼び掛けている。6月29日まで(当日消印有効)。
1人3点まで応募でき、自作の未発表作品に限る。
大賞(1点)には副賞として、応募歌詞の入った丹波焼の一尺皿を、優秀賞(3点)には、七寸皿を贈るほか、こども賞や学生賞もある。
7月上旬に審査会を行い、8月10日前後に授賞式を行う。入賞作品は、デカンショ祭本番にやぐらから生演奏で披露される。
事務局の市商工観光課へ持参するか、郵送、メール、ファクスで応募。歌詞のほかに、住所、氏名、年齢、電話番号、作品へのコメントか、デカンショ祭への一言(50字程度)を添える。
問い合わせは同課(079・552・6907、FAX079・552・2090、メールkanko_div@city.sasayama.hyogo.jp)。
-
2017年6月15日09:05
-
氷上混声合唱団パストラール 6月18日、...
氷上混声合唱団「パストラール」(三方正明団長)のリサイタルが、6月18日午後2時から丹波の森公苑ホールで開かれる。なじみのある坂本九さんの歌を、趣向を凝らした企画で客席に届けるステージなど、聞きごたえ、見ごたえのあるリサイタルにしたいと張り切っている。
1971年の発足。団員は、20歳代から70歳代まで31人で、発足時からの団員もいる。リサイタルは一昨年の秋に開いて以来で、今回で35回目。毎週水曜日の夜、柏原自治会館で練習しており、4月からはリサイタルに向けて土曜日も練習、いっそう熱を帯びている。
リサイタルは、愛唱歌のステージで開幕。「汽車ポッポ」「七つの子」などを歌う。続くステージは、イギリスの作曲家、ボブ・チルコットとジョン・ラターの曲を英語で歌う。
坂本九さんの歌を取り上げるステージは、芝居仕立てにした。団員の田辺利典さんの脚本、演出。村おこしのために吹奏楽団の演奏会が開かれることになるが、演奏会当日、楽器が届かず、急きょ、合唱による演奏会に切り換えるというストーリーで、「明日があるさ」「上を向いて歩こう」など5曲を歌う。サクソフォンの木寺里穂さん(市島町出身)、カホンの待場昌幸さん(山南町)がゲスト出演する。
最後のステージは、混声合唱曲「季節へのまなざし」を、京都府合唱連盟理事長の鈴木捺香子さんの指揮で歌う。
三方団長は、「地域に歌の輪を広げたいという思いで活動している。若い人にもお越しいただき、一緒に歌う楽しさを感じ、入会してもらえれば」と話している。
入場料800円(高校生以下無料)。チケットの問い合わせは、町家ギャラリーるり(0795・72・1608)。
-
2017年6月15日09:03
-
「より良い医療提供」 香良病院80周年祝う
写真・事業認可80周年記念式典を開いた香良病院の石井院長(前列中央)と職員、関係者たち=丹波市氷上町香良で
医療法人社団「香良病院」(丹波市氷上町香良、石井敏樹院長、266床)で6月12日、事業認可80周年を祝う記念式典があり、石井院長、稲田貴士副院長らが枝垂れ桜の記念植樹を行った。
原和之清風会理事は「80周年は通過点。地域に信頼される病院として100年、200年続くように」とあいさつした。石井院長は、「精神科医療は時代と共に変わる。『あの山に登りたい』との私の提案を皆さんの力で登って来た。まだまだやることはたくさんある。力を合わせ、よりいい精神科医療が提供できるようがんばりたい」と職員に語りかけた。
入院患者とデイケア「ほぉぷ」利用者にはローストビーフや「お頭付きの鯛」ならぬ「鯛焼き」の祝い膳が提供されたほか、勤続42年の吉住絹子准看護士が記念品を受けた。
同病院は、1937年6月12日に事業認可を受けた。38年に「香良脳病院」として開院以来、丹波地域唯一の精神科病院として役割を担ってきた。石井院長は三代目。職員数約200人。
2008年に病棟を新築し、認知症治療病棟(60床)を設けた。以前は多かった統合失調症の患者は減り、認知症、心の不安を訴える患者らが増えているという。入院のほか、デイケア、精神科訪問看護などを行い、入院から在宅、地域の一員として暮らせるよう支援する体制を整えている。
同病院は80周年を機に沿革史を作っている。同病院に関する古い写真や資料を探している。情報提供は同病院(0795・82・7121)。
-
2017年6月15日09:02
-
米7品種で「ちーたん」植え付け 氷上町...
写真・一列ずつ丁寧に、にぎやかに苗を植える参加者たち=丹波市氷上町稲畑で
氷上町稲畑の農事組合法人「稲畑どろんこ会」(梅垣嘉位会長)が6月11日、錦橋東詰そばの田んぼで、色の異なる稲で絵を表現する「田んぼアート」の植え付けを行った。同会会員や南小学校区の親子の計約20人が参加。丹波竜の「ちーたん」を描こうと、7品種をにぎやかに植えた。
初めての取り組みで、地域活性化や、楽しい農業をめざすのがねらい。約30㍍四方の田んぼを泉山数年さんが測量し、植える位置をひもで示した。子どもたちに親しんでもらおうと、ちーたんの頭上に「おはよう」、足下には「おかえり」の文字もデザインした。
参加者たちはひもを使って一列ずつ植えた。植える列によっては2品種を植えるところもあり、設計図を確かめながら作業した。
稲刈り、稲木干し、収穫祭、もちつきなども行う計画。山本陽友君(南小5年)は「出来上がりがしっかりちーたんに見えるよう、丁寧に植えた」と話した。
-
2017年6月15日09:00
-
奈良の大仏“建立” 西紀南小6年生
写真・グラウンドに立ち上がった、マルチシートで手作りした大仏=篠山市黒田で
奈良の大仏(東大寺盧舎那仏像)の大きさを実感しようと、西紀南小学校(杉本克治校長)の6年生(19人)が9日、グラウンドに原寸大(座高15・8㍍)の大仏を“建立”した。
農業用マルチシートをはり合わせて袋状にし、白いペンキで大仏の絵を描き、5時間がかりで完成した。病や飢饉、地震などが相次いだ時代に、聖武天皇が世の中の平穏を願って建てたとされる奈良の大仏。最上学年として学校のみんなが仲良く学校生活を過ごせるようにとの願いも込めた。
グラウンドでシートを広げた児童たちが風上に袋状の口の部分を広げると、風を受けた大仏がみるみる大きく膨らみ、みごとに立ち上がった。
6年の井貝比翼君は、「すごく大きくて、大仏を作った昔の人がすごいなあと思った」と笑顔。西山心君は、「大仏(シート)の中にいると、破けた小さな穴がプラネタリウムみたいだった」と声を弾ませていた。
-
2017年6月11日09:00
-
キウイ
今でこそ、果物売り場に普通に並んでいるキウイだが、初めてみたときはかなりおどろいた。茶色で毛の生えた外観、切ればうす緑に黒い種がぷつぷつ。食べると甘酸っぱく、これまでにない食感だった。食卓に初めて登場したのは四十年ほど前ではなかろか。家族の中で唯一拒否反応をしたのは夫。「およそ果物の色ではない、黒い種も気持ち悪い」と喰わず嫌いに。
キーウイの本来の名前は「チャイニーズグーズベリー」で中国原産。二十世紀のはじめ、ニュージーランドに旅行者によって種が持ち込まれ、わずか五十年間で品種改良がなされ、イギリスやアメリカに輸出されるようになった。一九五六年輸出される際、チャイニーズの名ではどうも、ということから「キウイ」と付けられたとか。つまり、鳥の名前の「キウイ」が先なのだ。日本へは一九六〇年代に種が導入され、ミカン産地の転換作物として広がり、農家でも棚を作って栽培されるようになった。四月にニュージーランドへ行ったとき、お土産売場にはキーウィのジャム、ワイン、お菓子などが並んでいた。観光の一番最初がキウイバードのいる動物園。夜行性で飛べない鳥、見た目もぱっとしない。暗い小屋の隅にひっそりといて、後ろ姿しか見えなかった。
果物のキウイにはビタミンC、E、葉酸、ポリフェノールなどや、食物繊維も豊富。ゴールデンキウイなら、色も少しは気にならないのではと夫に勧めてみた。栄養たっぷりだという言葉につられたのか、食わず嫌いは四十年ぶりに解決した。
-
2017年6月11日09:00
-
日本遺産「鯖街道」
「日本遺産」の看板を2枚も手にした篠山。「よその登録地はどんな所?」と友人と「鯖街道」をバイクで流した。
鯖街道は複数あり、今回走ったのは最古にして最短といわれる「針畑越え」ルート。起点の福井県・小浜から遠敷、上根来、針畑峠、京都府・久多、鞍馬、出町という道程だ。道筋にはひなびた神社や村が点在し、日本遺産にふさわしい悠久の歴史を感じることができた。なかでも印象的だったのが、山村集落の上根来。
村の入り口では小さな石仏群がにぎやかに迎えてくれたが、村内に人影はない。昭和40年代で時が止まったかのような趣のある集落をぶらぶら歩いていると、「鯖街道御休処『助太郎』」の看板がかかった古民家が現れた。「ご自由に」の張り紙に、中で休憩していると、助太郎邸の主という女性が来られた。「往時は40数世帯あったが高齢化が進み、積雪1㍍を超える冬を乗り切れないと離村。数年前に廃村になった」と聞かされた。少ししんみりとしたが、おばさんの柔和な笑顔に癒され、その独特のなまりが、遠くまで来たのだと実感させてくれた。(太治庄三)
-
2017年6月11日09:00
-
火垂る
丹波地方に「ほめく」という方言がある。「ほめく」の「ほ」は「火」のこと。だから暑くて湿気が高いことを「ほめく」と言うそうな。いよいよ本番を迎える蛍の「ほ」も火のこと。国語学者の金田一秀穂氏によると、暗闇に蛍が飛ぶと、火がスーッと垂れているように見える。それを表す「火垂る」という昔の言葉が、そのまま蛍の名前になったのだという。▼和泉式部に、「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞ見る」という歌がある。目の前を飛ぶ蛍に、肉体を抜け出てさまよう自分の魂を見たというのだ。▼魂の化身になぞらえられるのは、蛍の火に魅惑的な美しさがあるからだろう。対して、蛍の火をはるかに超える現代の火には何があるか。▼古来、人は火を危険なものと考えてきた。経済学者の中谷巌氏によると、ギリシャ神話にも古事記にも、火はとてつもない不幸をもたらすものという話があるそうだ。しかし、現代人は、火に対する恐れを見失った。▼「近代文明の利便性と『科学がすべてを解決する』という科学信仰にどっぷり浸かっているうちに、人間が持つべき謙虚な姿勢をすっかり忘れてしまった」と中谷氏は書く。その象徴が、原子力という現代の火だ。先ごろ高浜原発3号機が再稼働した。奇しくも「火垂る」の季節に。(Y)
-
2017年6月11日09:00
-
無料登記法律相談会
無料登記法律相談会が6月15日、柏原住民センターで(県司法書士会たんば支部、県土地家屋調査士会但馬支部共催)、同月17日、篠山市民センターで(同たんば支部主催)開かれる。。いずれも午後1時半―4時。予約不要。問い合わせは、柏原が常石事務所(0795・86・0772)、篠山が正呂地事務所(079・552・2035)。
-
2017年6月11日09:00
-
医学生ホームステイ 受け入れ家庭を募る
県立柏原病院の地域医療教育センター(見坂恒明センター長)は同病院に研修に訪れる医学生を8月17日の夜に泊めてくれるホームステイ先を探している。昨年初めて実施したところ、受け入れ家庭、学生ともに好評だったことから継続する。「特別なもてなしは必要ない。丹波に住む人の普通の生活を見せ、話相手になってもらえれば」と協力者を募っている。
8月17日の夕食、宿泊、18日の朝食を提供してらもらえる家庭を募る。合流と解散は同病院で、送迎の都合がつかない家庭は主催者が対応する。
将来、へき地などで勤務する県養成医学生が県内6会場に分かれて2泊3日で地域医療に触れる「地域医療夏季セミナーinひょうご」(神戸大学院地域医療教育学部門など主催)の1つ。
昨年度は12家庭で15人を受け入れた。受け入れ家庭の半数程度を新しくしたい意向。
昨年度、見坂センター長が滞在後に学生に実施した調査によると、実習前と比べ、統計的に有意に「丹波地域で働きたい」の回答が増えたという。また、受け入れ家庭の調査でも「楽しかった」「負担はあまり感じなかった」などが顕著に高い数値を示した。
見坂センター長は「声をかけてもらって地域の期待を感じることで、学生のモチベーションが高まる。ぜひ丹波地域の未来を担う若者の教育に力を貸してほしい」と協力を呼びかけている。詳細は同病院(0795・72・0524)。
-
2017年6月11日09:00
-
朗読ボランティア 樗木真美(ちしゃき・...
想像膨らむ楽しさを
もう“お馴染みの声”になっているかもしれない。篠山市で、大人のための朗読会「くろまめいと」や、ゴスペルグループ「ゴスペルソウルサウンド」の代表を務めるほか、子ども向けのお話会「かがやき」、味間小学校のブックサポーター、丹波市のFM「805たんば」のパーソナリティー、そして各種イベントの司会…。丹波地域に、その明るい声を届けている。
幼い頃から「かわいい声ね」「きれいな声ね」と言われることが多く、「自信になっていたのかも。調子にのっちゃう方なので」と笑う。自然と人前で話すのが楽しくなっていた。
代表を務める「くろまめいと」(5人)は2005年に結成した。目の不自由な人に音声情報を届けるボランティアの代表をしていた小島典子さん(篠山市般若寺)が発起人。「目の見える人にも、頭の中でイメージが膨らんでいく楽しさを知ってほしい」という思いに共感した。月1回、篠山市立中央図書館で開催。最近は、仕事の都合で定期開催にブランクができていたが、今年1月から隔月開催で再開した。
大人を相手にする時は、それぞれの多様な経験に基づくイメージの妨げにならないよう淡々と読む。これまでの朗読会では聞き手の感想を聞く機会がなかったが、4月に友人2人と桜並木をバックに朗読ライブを開催。食事をしながら来場者と話す機会があり、「初めて手応えを感じた」という。
朗読ボランティアが高齢化などで減っている現状もある。「聞くのが好きな人は、読むのも好きになるはず。スペースをとらず、どこでも誰でもできる。聞く人、読む人、両方が増えていけば」と願っている。54歳。