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2017年9月3日09:00
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華麗と加齢
「家でちょっとつまずいただけで、ねんざした」という60歳代の女性の話を聞き、同じ年代として同感を覚えた。
その女性との会話のなかで、「ほんまに油断できへん。体も気力も衰える。気になることがあったら、なかなか切り替えができず、胃も心ももたれる」と返し、大笑いになった。
「加齢」という言葉は、「華麗」に生きてきた人ほど重みを増す言葉なのかも知れない。一方では、若いころから飾り気なしに、素朴に生きてきた人は、加齢もどこ吹く風。「あの人の話を聞きたいな。食事でも一緒に…」と思われ、友だちも多く、豊かな人生を味わっている。そんな人に何人も出会ったが、さわやかな雰囲気を感じた。
過去にとらわれ過ぎず、現実のありのままを見つめながら、日常生活のなかで、自己鍛錬を怠らないようにすれば、有意義な老後をおくれるだろう。逆になれば、いわずもがな。
猛暑の8月が過ぎ、秋風が頬を優しくなでる季節。人と人を結ぶ風が届くように、思いやりとゆとりを持って歩みたい。「秋風が心をいやす窓の外」。(臼井 学)
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2017年9月3日09:00
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音訳ボランティア養成講座生を募集 篠山...
篠山市社会福祉協議会は9月13日から延べ8日間の日程で、丹南健康福祉センター(同市網掛)で開講する「音訳(朗読)ボランティア養成講座」の受講者を募集している。受講無料。定員30人。6日までに同協議会の窓口もしくはファクス(079・590・1123)で申し込む。
目の不自由な人が地域で安心して暮らせるように、視覚障がい者への理解を深め、音訳ボランティアとして、必要な発声と発音を基礎から学んでもらおうと企画した。講師は、伊賀美智子さん。
講座日程や内容は次の通り。開講時間はいずれも午後1時半―3時半。
①9月13日=発声、発音、拍、エ列の長音②20日=鼻濁音、無声化③27日=アクセント④10月4日=イソップ童話、放送用語⑤11日=少年の指定席⑥25日=海のおくりもの⑦11月1日=稲むらの火⑧8日=稲むらの火 発表会
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2017年9月3日09:00
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夏の終わりのハーモニー
八月最後の日曜日、息子が代表を務める茅ヶ崎市の「チガラボ」へ夫と出かけた。息子は三年前に脱サラ、「ヒトコトデザイン」という会社を起業した。何を目指しているのか最初は理解できなかったのだが、人と人をつないでコトを起こすというのが会社のコンセプトで、地方へ出かけてはその土地ならではの特産品の売り出しにアドバイスをしたり、道の駅のデザインをしたりと国内を駆け回っている。今年の始め、地元の茅ヶ崎市駅前ビルの一室を借りて代表に。定期的なイベント、ワークショップでの学びなどを目指し会員を募集して立ち上げたのが「チガラボ」、いわばコミュニティスタジオ。
夏の終わりのコンサートとして、長女のインディアンフルートとEXILEのキーボード小倉泰治さん、世界をチェロ片手に吟遊している小宮哲郎さんが合奏することに。長女以外の二人はネットでもたくさん出て来る有名人、素人に毛がはえたくらいの長女が一緒というのも何かの縁。インディアンフルート独自の曲から小倉さん作曲の曲、小宮さんのセンシブルで自在なチェロが不思議な雰囲気を醸し出していた。
思っていたよりも広いスペースで、なかなか心地よい空間。息子の脱サラにはかなり心配していたのだが、お嫁さんの理解と尽力で次第に茅ヶ崎という土地に合った生き方を始めていることに一安心。この夜は世界をバーテンダー修行で回っているショウちゃんのドリンクバー、お嫁さん特製のおいしいお料理など、夏の終わりの楽しい一夜を満喫した。
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2017年9月3日09:00
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山中哲彦氏訃報
山中哲彦氏(やまなか・てつひこ=元篠山町町会議員、元篠山ライオンズクラブ会長、元篠山軟式野球協会会長、山中信彦・おかえりみずほの家代表の父)8月31日午前4時30分、老衰のため、篠山市内の病院で死去、88歳。自宅は篠山市北新町48ノ20。葬儀は9月2日、おこなわれた。喪主は長男、信彦(のぶひこ)氏。
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2017年9月3日09:00
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キツネ
春日町黒井で珍騒動が起きている。屋外に置いていた靴やスリッパがいつの間にか消え失せ、近隣の山の斜面に大量に散乱していたという。地元ではキツネの仕業とみているらしい。
アライグマやヌートリアの外来生物に押されて存在感が薄れ気味のキツネだが、日本人にとって古来、なじみの深い動物だ。たとえば宮沢賢治の作品。賢治ほどに動物が活躍する童話を書いた作家は知らないという篠山市の河合雅雄氏が、賢治の書いた童話や劇127編に出てくる動物を調べられた。
なんと158種類もの動物が登場。そのうちトップは登場回数5回のキツネだった。賢治の作品に出てくる動物は、賢治がよく知っていた親しい動物が中心だと河合氏は言われるが、キツネを身近に感じたのは賢治だけではなかろう。キツネにだまされたという話がかつて日本の各地にあったのは、その証左だ。
国が違えば、身近な動物は異なる。ロシアではクマが身近な動物の筆頭らしい。ロシア語通訳者の米原万里氏によると、ロシアの民話や民謡、ことわざに登場するクマの頻度は、日本のタヌキの比ではないという。
お国柄の違いだが、近年、丹波でもクマの出没が増えている。身近になるのはご免なので、クマには人里に出てこず、奥山で暮らしてほしいと願うのだが。(Y)
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2017年9月3日09:00
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柏原赤十字 2020年3月末に閉院
写真・2020年3月末で閉院となる柏原赤十字病院=兵庫県丹波市柏原町柏原で
日本赤十字社兵庫県支部と県病院局は、仮称・県立丹波医療センター(丹波市氷上町石生)に機能統合される柏原赤十字病院の閉院時期を2019年度末(2020年3月31日)とすると同病院職員に8月25、29の両日、伝えた。あわせて、県立病院での勤務を希望する職員は選考試験を経て20年4月1日付で採用すると説明した。1935年(昭和10)4月に旧柏原町立病院から日本赤十字社に移管され85年、旧柏原町立病院の前身の氷上郡立病院(1897年開設)から数えると、123年の病院の歴史に幕を下ろす。
これまで閉院時期は、「新病院開院時」とされており、具体的時期は決まっていなかった。当初予定では新病院は2018年度中の開院をめざしていたが、設計の遅れや入札不調で開院時期が2020年度上期にずれ込んでいる。
日赤県支部によると、新病院の開院時期が当初予定より大幅に遅れるなか、赤十字社として計画的に閉院を進める必要があるとして、同支部が日赤本社や県病院局と協議し、閉院時期を決めたという。
柏原赤十字の職員で新病院での勤務を希望する職員は、県職員として採用(採用試験あり)されることから、採用する側の県病院局も年度途中より、年度替わりの採用の方がスムーズに移行ができると判断した。
県職員に身分が変わる柏原日赤の職員は、閉院から新病院開院までの間、県職員の身分で、研修や新病院開院の準備に県立病院の職員と共に当たる見通し。
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2017年9月3日09:00
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竹内豊子さん訃報
竹内豊子さん(たけうち・とよこ=竹内新二・竹内薬品会長、県小学生バレーボール連盟理事長の母)8月30日死去、97歳。自宅は丹波市山南町北太田12ノ5。葬儀は9月2日おこなわれた。
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2017年9月3日09:00
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ささやまの森公園ボランティア 杉田弘治...
人と森から元気もらう
開園から15年を迎えた兵庫県立ささやまの森公園(篠山市川原)で、開園当初からボランティアとしてかかわり、来園者に里山の暮らしの一端を体感できる多彩なプログラムを提供している。
公園所在地の住民でもあることから、開園の半年ほど前から「公園の目玉的設備になれば」と、多くの村の仲間と共に炭焼き窯づくりに着手。その際、「杭を打つ手がひどくしびれる」と体に違和感を覚えた。骨にも転移がみられる末期の前立腺がんだった。まだ65歳。医者にも見放された。落ち込み、しばらく家に閉じこもった。
2002年7月、公園が開園。気分転換になればと、半ば開き直りの心境で公園の活動に参加。農家であり元大工でもあったことから、農林業系のプログラム実施の際には、公園事務局やほかのボランティアからアドバイスを求められ、講師としてプログラムを進める立場となった。「もともと人との交流が好き。なにより人に頼られるというのはうれしいこと」と、がんを抱えながらも懸命に活動に励んだ。「あまりに公園へ足繁く通うものだから、近所からは『公園の職員をしているのか』と尋ねられるほどだった」と笑う。
1年半後の再検査で、がんがほとんど消えていた。「医者も奇跡だと」。4年後には投薬治療もやめた。「終活も済ませていたのに。人と森から元気をもらい助けられた」とほほ笑む。
「1、2時間掛けて公園にやって来る都市部のボランティアの情熱には頭が下がる。公園や地域を盛り上げていただいていることに感謝。そんな仲間と一緒に、これからも体が動く限り森に通いたい」。80歳。
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2017年9月2日16:38
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「お野菜カフェ&菓子工房 sannan*」
自家野菜をふんだんに
丹波市で無農薬野菜を栽培している小村敦美さん(61)=豊中市在住=が昨年9月にオープン。友人の実家の民家を借り、18席のカフェにした。小村さん手作りの焼き菓子コーナーも併設している。
「おまかせランチ」(1000円)には、小村さんが育てた旬の野菜、肉か魚のメーンなど5、6種類のおかずがワンプレートに。さらに、ライスかパン、デザート、コーヒーか紅茶が付く。トースト、サラダ、ゆで卵、などが付く「モーニングセット」は500円とお得。焼き菓子のケーキはバター不使用、クッキーはバター、卵、牛乳不使用にこだわっている。
丹波市山南町奥175-21(てらミート近くに看板あり)
tel.090・1717・1293
営業/水、土曜の11:00~14:00
(休みの場合あり)
Facebookあり
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2017年9月2日09:00
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黒井駅前に電飾黒井城 児童の提案、自治...
写真・美しく輝く、黒井城をモチーフにしたイルミネーション=JR黒井駅前で
兵庫県丹波市春日町黒井地区住民らが進めていた、空のペットボトル2000個ほどを活用したイルミネーションが完成し、8月25日、JR黒井駅前で点灯式が行われた。地域住民ら60人ほどが集い、美しく輝く光を眺めた。
黒井城をモチーフにした作品のほか、高さが4メートルあるツリーや、くぐることができるトンネルを作った。いずれも骨組みにペットボトルとソーラーLED電球を張り付けた。
昨年度の黒井小学校6年生が国語の単元「町の幸福論」で、イルミネーションを設置した地域活性化策を考え、授業で発表。児童の夢をかなえようと、同地区自治協議会(藤本修作会長)の主催でイルミネーションづくりに取り組んだ。
11月11日まで同駅に設置し、以降は市春日庁舎に移設して年末まで点灯させる。
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2017年9月1日09:00
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“靴泥棒”はキツネ? 春日町黒井区 約...
写真・市有地に集められた靴やスリッパ=兵庫県丹波市春日町黒井で
兵庫県丹波市春日町黒井区で、屋外に置いてあった靴やスリッパがなくなるケースが相次ぎ、話題になっている。なくなった靴は軽いもので、近隣の山の斜面などに大量に散乱しているのが見つかった。住民や市が調べたところによると、その数200足弱。動物が噛んだような跡が付いていたものもあり、動物の仕業を疑っていたところ、スリッパをくわえて逃げ去るキツネを住民が目撃。“犯行現場”の目撃情報、巣穴もあり、地元はキツネの犯行と見ている。
黒井区の杉ノ下自治会(臼井靖則会長)を中心に、上ゲ町や芝町などでも被害があったという。臼井会長によると、今年に入ってから、ちょくちょく靴がなくなったという声を聞いていたという。
6月末、杉ノ下の町営住宅跡地(市有地)に、靴やスリッパが散乱していると、地元の市職員が市に報告し調査。杉ノ下自治会でも、自治会役員らが町営住宅跡地付近の山の斜面のいたるところに靴やスリッパが散乱しているのを見つけた。
斜面には、野生動物のねぐらと思われる穴が無数に掘ってあり、当初から地元では「キツネか何かの仕業だろう」との話が出ていたという。
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2017年8月31日09:54
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動植物の写真作品募る ささやまの森公園
兵庫県立ささやまの森公園(篠山市川原、林一路公園長)が写真コンテストの作品を募集している。
対象作品は、過去5年以内に撮影した動植物で、募集期間は9月末まで。A4サイズのカラープリントで応募し、1人2点まで。画像加工した作品は不可。プロ、アマ不問。作品の裏面に、住所、氏名、電話番号、作品タイトルを明記し、郵送(〒669―2512 篠山市川原511―1)または同公園まで持参する。応募作品の返却はできない。
上位3位を決め、すべての応募作品を11月12日に同公園で開かれるイベント「秋の里山まつり」で展示、入賞者を表彰する。入賞者には賞品や賞状、応募者全員に参加賞を贈る。作品は、同公園の広報のための素材として使用する。
同公園(TEL079・557・0045)。
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2017年8月31日09:53
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55歳以上の再就職支援講習会 9月、春日で
9月19―27のうちの6日間、春日住民センターで55歳以上の再就職支援講習会が開かれる。「店舗スタッフ」としての雇用を前提とした座学と実技を行う。
12日午後1時から、同センターで開催の説明会と選考面接会に参加すること。最終日に就職面接会を開く。定員15人。応募は14日までに、主催の県シルバー人材センター協会(TEL078・371・8012)に郵送で。
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2017年8月31日09:52
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龍泉洞
昨夏の台風で高齢者施設で多くの人が亡くなった岩手県岩泉町。透明な地底湖で知られる同地の龍泉洞も多量の出水のため閉鎖され、ようやく今春再オープンした。
洞近くの土産店で、58年前に地底湖を初めて探検した丹波市出身の故・越智研一郎氏の写真展が開かれている。店主、早野貫一さんの亡父、隆二さんは私財を担保に観光開発を手がけ、洞の名を全国に知らしめた人。
未知の地底湖の様子を次々に解明していった越智氏は四国沖の海底での事故で早逝。今では地元でも知る人が少なくなったことを憂えてこの写真展が企画された。
昭和34年、越智氏を含む初めての学術探検隊が来た時、中学生だった貫一さんはある日父から「明日はついて来ていい」と言われたが、翌朝、使いで出かけている間に隊は出発。あわてて追いかけて行ったが既に隊の姿は見えない。「1人で小舟で奥の絶壁にたどり着き、10メートル程上ったものの上るも降りるも出来なくなり、上方にぽつりとある電灯が消えてしまったらどうなるかと急に恐怖に襲われた」。
腕がしびれ、もうだめかと思った時にようやく下の方から人の声が聞こえ、別の支洞から戻って来た探検隊に発見された。
洞内は設備の整った今でも、1人で歩いていると怖い。ましてその頃は…。越智氏の偉業を改めて思う。(E)
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2017年8月31日09:51
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12.手間暇かけて作る干瓢
「なんで今いきなり干瓢なん」と突っ込まれそうですが、この時期、ぜひ干瓢を書いておきたいと思います。いろいろな食材の溢れている現在、干瓢なんて地味な素材は見向きもされないかもしれません。しかし、干瓢を毎年作って届けてくれていた祖母への思いもあって、私にとっては大切な味です。
季語としては、新干瓢・干瓢剥く・干瓢干すなど、夏に分類されます。夏が終わり秋が始まる、ちょうど今頃、干瓢は出来あがります。夕顔の実(白い冬瓜のイメージ)を輪切りにして、中の柔らかい部分を取って、干瓢剥きという小さなピーラーのような道具を使って、内側から細く剥いて(かつら剥きの感じ)長いひも状にしたものを、竿や綱に掛けて干して作ります。慣れないと短い切れ切れのものができます。干しあがるまでも、水分が多いので黴がつかないように、お天気や場所に気を配ります。こうして干瓢は出来上がります。
数年前の4月末、苗屋さんで、干瓢の苗を見つけ2本買って植えました。それから、ほっておくこと3カ月、けなげにも直径30センチほどの実が2個成りました(手入れをするともっと成るらしいのですが)。7月末に収穫しました。干瓢作りの先輩である叔母に教えてもらって、干瓢の実を切って剥いてみました。そして、雨にあわないよう干すこと数日。お巻き寿司20本ほど巻けるぐらいの干瓢が出来あがりました。実の大きさの割に出来あがりは少ないし、時間は結構かかりますし、手間もかかります。しかし、何とも言えずあたたかい気持ちになりました。
祖母が干瓢を作っているのを見ていて『めんどうなことしてはる』と思ったりしていたのですが、手をかけ心をかけて丁寧に暮らしている、ひとつの表れだったのだと気がつきました。めんどう・じゃまくさいと安易に流れてしまう生活には無いものを感じた干瓢作りでした。ますます干瓢さんが愛おしく好きになりました。が、その年だけで挫折してしまった私でした。今年も、叔母から届くのを密かに心待ちにしています。
* * *
〈地味だけど、やさしいお日さまの味〉
料理の本には、塩で揉んで、一度ゆがいてから使うとあります。二酸化硫黄で燻製にして、漂白してあるからです。しかし、自家製のもの(無漂白・天日干しのもの)は、そのままいきなり煮始めても大丈夫です。
お巻き寿司だけでなく、お味噌汁の中にそのままキッチン鋏で切って入れたり、ロールキャベツを縛ったり、自己主張をあまりしませんので、いろいろと使ってみてください。近頃は、栄養価も再認識されているようですよ。
地味だけど、しっかりとやさしいお日さまと大地の味がします。
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2017年8月31日09:50
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舞台の違い
今年の夏の甲子園。丹波市出身の塩見侑君と谷口嘉紀君が所属する神戸国際大附属高校が健闘し、地元・丹波市を沸かせた。現地で取材したが、全国大会の大舞台は華やかで、手に汗握る接戦に、見ていたこちら側も力が入った。
一方で、高校野球の魅力は地方大会にも詰まっているとも思う。ここ数年、1回戦を突破するのがやっとだった氷上高校が快進撃をみせた今年、創部初のベスト32入りを果たした。16強をめざした「丹波っ子」が、強豪・西脇工業と戦い、あと一歩まで追い詰めた姿に胸が熱くなった。
学生野球の本分は、野球を通じた生徒の健全育成だ。ただ「公認野球規則」には、こう書かれている。「各チームは、相手チームより多くの得点を記録して、勝つことを目的とする」―。懸命に勝ちをめざす姿だからこそ、心を動かされるシーンがある。その舞台が、地方球場であっても遜色はないはずだ。
篠山鳳鳴高校軟式野球部が、全国ベスト4に輝いた。中学校時代は軟式野球部だったので、軟式野球に光が当たったことがうれしい。ただ、硬式野球の魅力も知った夏だった。
(田畑知也)
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2017年8月31日09:49
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そう、切ないのよ、夏の終わりは…
チリチリチリ♪スイーッチョン♪チョン♪リーン、リーン♪夜も明けきれぬほんのひと時、夜露にしっとり濡れた草むらから秋の音が広がり、静かな時間が流れる。
あれだけたくさんの賑やかな笑い声や蝉の声に包まれ、いつまで続くのかと思った、暑く忙しない日々がほんの一瞬だったかのような錯覚にとらわれながら、ポツーンとだだっ広い畑に取り残されて、母ちゃんはいまだ黙々とブルーベリーの収穫に追われている。
「あと少し、あともう10日くらいで終われるから」と自分を励ます母ちゃんと、夏休み中、親子で夏らしいお出掛けが一切できなかったから、どうしても地元の夏祭りに行きたいと懇願する子どもたちを父ちゃんが見て、パック詰めは引き受けるから行っておいでと、鴨庄夏祭りに送り出してくれた。
娘が年長の時に一度参加したっきりの地元の夏祭りは、出会う人がほぼ知り合い。「まだ忙しいんやろ?」「落ち着いたか?」「久しぶり~!来れたん?」と声をかけてくれる地元の人たちにママ友たち。チビタもご機嫌でスイカ音頭をご披露し、お気に入りのおばちゃんを捕まえ、射的に夢中。娘はお友だちと浴衣を着てそぞろ歩き。闇夜に吸い込まれる賑やかなお囃子の音に、グルグルとやぐら周りで浮かんでは消える幾重もの舞の列。その周りを走り回る子どもたち。
あぁ、夏はここにもあったんだと何故か切なくなる母ちゃん。そう、夏の終わりは賑やかで切ないものなのね。
(古谷暁子・ブルーベリー農家)
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2017年8月31日09:41
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篠山鳳鳴軟式野球部 史上初の全国4強
写真・23年ぶり5回目の全国大会で鳳鳴軟式野球部史上初のベスト4に進出した選手たちと支えたマネジャーら=明石市で
23年ぶり5回目の全国高校軟式野球選手権大会に出場していた篠山鳳鳴は、1回戦の木更津総合(千葉)、準々決勝の専大北上(岩手)を破る快進撃を見せてベスト4に進出。8月28日に明石市の明石トーカロ球場で行われた準決勝で茗溪学園(茨城)に挑んだが0―4で敗れた。全国での初戦突破、4強入りは鳳鳴軟式史上初の快挙、兵庫県勢としても6年ぶりの4強進出と、篠山鳳鳴の名を全国にとどろかせた。
3戦目となった茗溪学園戦。マウンドは1回戦で好投した2年生エースの市野咲君が任された。1回を3人で打ち取るなど順調な立ち上がりと思われたが、2回に茗溪打線に捕まった。
先頭の4番バッターにレフト前に運ばれると、6番にはライト線への3ベースを浴び、1点を献上。さらに7番、1番とセンター前にはじき返され、この回合計3点を失った。
反撃に出た鳳鳴打線も2回裏には好調の5番・小畠諒真君のレフト前ヒット、6番・洲脇杏耶君の内野安打で1死1、2塁のチャンスを作ったが、後続が抑えられ、得点には結びつかなかった。
流れを変えたい篠山鳳鳴は、3回表途中から、準々決勝で完封した主将の山崎一晟君がマウンドへ。いきなり2死満塁のピンチを迎えたが、相手選手の走塁ミスで乗り越えた。
何とか1点が欲しい篠山鳳鳴だったが、相手投手の球威とキレのあるスライダーを打ち崩せない。7回表には茗溪に四球と盗塁で無死2塁とされると、三盗が悪送球を誘い、さらに1点を追加された。
9回表には投手の藤本直希君が全国初のマウンドへ。この夏から市野、山崎両選手にマウンドを譲っていた背番号「1」が、気迫のこもったピッチングを披露し、チームを鼓舞した。
しかし、その後も反撃の機会を与えてもらえず、一矢報いることはできなかった。それでも最後まであきらめない姿勢と笑顔を絶やさないプレーにスタンドからは大きな拍手が送られた。
稲谷英俊監督は、「投手がよくがんばった。ここまで来ることができたのは、応援と運、何より野球を楽しむ選手たちの力があった」と選手たちを称えていた。
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2017年8月30日09:00
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発明愛好家の安田邦明さん作 頑丈で軽い...
写真・自作の出来ばえを見る安田さん(中央)の前で、ブルーベリーを選果器に通す山本さん夫妻=兵庫県丹波市氷上町新郷で
ブルーベリーを粒の大きさごとに分ける選果器(ふるい)を、発明愛好家の安田邦明さん(兵庫県丹波市氷上町賀茂)が作り、丹波ブルーベリー研究会に納品した。同会の要請で重く弱い既製品に代わる物をプラスチックのもち箱で作った。3段重ねてふるうと4サイズに分別できる。「作業の効率化に役立てば」と話している。
協会の元事務局長で、自宅の一角を協会の果実集荷所に提供している山本一さん(同町新郷)が、安田さんの手先の器用さを見込んで2年前に相談。毎年試作品を作り、今夏納品分が完成形。
既製品はフレームが木で、メッシュ部分がプラスチック。重い上にプラスチック部分が割れやすい難点があった。
もち箱の底に穴を開けた安田さんの選果器は、深さ7センチ×縦26・5センチ、横41センチ。従来品の半分の重さ。メッシュ部分とフレームが一体化していて割れにくい上に、ふたが付いており、使わない時に衛生的に収納できる。
12ミリ、13ミリ、16ミリと穴の径が異なるもち箱を重ねてゆする。13ミリの径を通過するのは13ミリ未満の果実のみで、13ミリの果実は通過しないなどきっちり選果ができる。
12ミリ以下はジャム、ペーストなど加工用、12、13ミリは洋菓子のトッピング用など、用途によって求められるサイズが異なることから、業者の要求通りの品物を供給でき、有利に販売ができるという。
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2017年8月29日09:00
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成松愛宕祭りの伝統「造り物」 大賞に西...
写真・ダイヤモンド賞に輝いた西町区3組の「国宝彦根城(天守)と天秤櫓」=兵庫県丹波市氷上町成松で
兵庫県丹波市氷上町成松の「愛宕祭り」が8月23、24の両日行われ、300年以上の伝統がある「造り物」が奉納されたほか、4000発の花火が打ち上がり、夏の夜空を彩った。
一つの材料で作る「造り物」は、世相を反映した作品が各所に飾られた。最高のダイヤモンド賞には、西町区の「国宝彦根城(天守)と天秤櫓」(焼物一式)が輝いた。
今年は、西町区の中の3組(6戸)が担当。できるだけ忠実に表現しようと、造り物世話役の大嶋規男さんらが事前に彦根城まで足を運び、細部を確認したという。住民らは8月初旬から平日夜に集まり、こつこつ作り上げた。
木材でこしらえた土台の上に、2900枚ほどの焼き物を金具などでとめた。屋根には黒い皿、壁には白い皿で統一感を出し、門には色鮮やかな彩色の皿を飾り付けた。
天守の屋根の「反り」も見事に表現したほか、彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」も、火鉢や花瓶、れんげなどでかわいらしく仕上げた。
大嶋さんは「仲良く輪をもって取り組めたことが何より。みんなの負担なく、手も抜かずにできて良かった」と喜んでいた。同組は特別賞も獲得した。