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2014年7月6日08:24
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子孫を思う
過日の雹 (ひょう) にはたまげた。 弊社がある柏原は比較的、 雹の被害がめだった地域だ。 激しい雨と風、 そして地面をたたきつける無数の雹。 会社の駐車場にとめていた車にできた多くのくぼみが雹のすさまじさを物語っていた。 ▼異常気象だと言われる。 科学的な知識がない者が付和雷同に騒ぎ立てることは慎みたい。 とはいえ、 尋常ではなかった雹を間近にすると、 異常気象を認めざるを得ないとも思う。 ▼不安に心が領される。 自然環境が人間にきばをむき、 私たちの暮らしを脅かしているという不安である。 次の世代、 さらには次の世代に寄せる不安も頭をもたげる。 自然環境は人間に対してさらに狂暴にならないか。 未来に生きる者たちははたして平穏に暮らせるのかと案じる。 ▼作家の開高健氏は色紙によく、 「明日世界が滅びるとも、 今日、 君はリンゴの木を植える」 という言葉を書いたという。 どんなに絶望的な状況にあったとしても、 今を生きる者は、 まだ見ぬ子孫を思い、 懸命の努力をしなければならない。 そう教えた言葉だと、 私は読み解く。 ▼私たちの責務は異常気象の抑止だけではない。 子孫の暮らしを脅かすと考えられるものから、 子孫を守る手立てを講じなければならない。 さて今回の集団的自衛権の閣議決定。 この歴史的転換を子孫はどう評価するのか。(Y)
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2014年7月6日08:23
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紫陽花(あじさい)
紫陽花が、 今年はとてもきれいだ。 特に 「墨田の花火」 と 「城ケ崎」 の二種。 「墨田の花火」 は、 額紫陽花の園芸種として開発されたもの。 花茎が長く垂れて涼しげ、 初めて見たときは感動した。 「城ヶ崎」 は花が八重なのが特徴で、 こちらは今でもまだ珍しがる人も。 どちらも三十年前、 花好きだった義母と一緒に買ってきたもの。 生前、 元気だった頃は、 庭の手入れはすべてやってくれた。 最初は鉢植えだった二種類を、 家の前の道沿いに植えたところ、 株がどんどん大きくなった。 普通の紫陽花も挿し木から増やしては植え、 ちょっとした紫陽花ロードとなり毎年咲いてくれる。 咲き始めから最後の花まで、 切ってきては玄関や食卓を飾る。 氷水で水切りをすればよく水をあげる。
ここ十四、 五年前からだろうか 「柏葉紫陽花」 という白色で房状の大きな花を咲かせる種類が流行りだした。 近所の庭から一枝もらい挿し木したら、 三年目の今年初めて花をつけた。 ただし花が垂れるので支えが要る。 「墨田の花火」 も大きくなるが、 それより大きくなりそうだ。 葉が柏の葉みたいだからこの名が付いた。 色が白なのと、 葉の色がやや褐色で秋には紅葉するのが面白い。 その点、 「城ケ崎」 はそこまでは大きくならないのでありがたい。 伊豆の城ヶ崎に自生しているものなので、 この名がついた。 他にも城ヶ崎には紫陽花の原種がたくさんあり、 「伊豆四季の花公園」 では、 二百三十種以上の紫陽花が植えられているという。 現在 「あじさい祭り」 を開催中とネットに出た。 またしても行ってみたくなった。
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2014年7月6日08:18
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若手大工2人が全国へ 「青年技能競技会...
このほど西脇市で開かれ、 兵庫県内の若手大工が伝統技術を駆使して腕を競った大会 「青年技能競技会」 (県土建一般労働組合主催) に出場した小林俊文さん (35) =黒田、 小林工務店=が見事、 優勝、 園田雄一さん (31) =油井、 園田工務店=が3位に輝き、 そろって9月に東京都で行われる全国大会への出場を決めた。 上位3人のみに与えられる全国出場権を篠山の2人が占めるのは昨年に続いて2度目。 互いに切磋琢磨する常勝タッグは、 「全国でも上位入賞を」 と意気込んでいる。
大会は満35歳以下の若手大工が対象。 「四方転び踏み台」 という木製の脚立をつくり上げるのが課題で、 原寸図作製から木材の削り、 墨付け、 組み立てまでを6時間以内で行う。 さしがねを使った規矩(きく)術を駆使し、 機械を使わない伝統的な大工技術と時間内に仕上げる集中力が試される。
全国大会には47都道府県から約80人が参加する。
小林さんは、 2009年にベスト16入りを果たした後、 12年、 13年にも出場し、 今回で4回目。 園田さんは昨年に続いて2回目の全国になる。
小林さんは中学卒業後、 小倉工務店 (後川上) に弟子入りし、 住み込みで修業。 園田さんは専門学校卒業後に実家の工務店に入り、 腕を磨いてきた。
長年、 大会に出場し続け、 互いに大工としての成長を間近で見てきた2人。 ともに結婚をして家庭も持ち、 人間的にも変化した。 小林さんが園田さんのことを、 「こつこつ練習ができる人」 と言えば、 園田さんは、 「作品を仕上げた後の雰囲気がすごい」 と称えあう。
年齢制限に達し、 今回の出場が最後のチャンスになる小林さんは、 「悔いの残らないようにやりたい。 力まずに挑んで、 6位以上を狙う」 と気合。 園田さんは、 「ここ1、 2年でレベルが上がっていると実感している。 年齢制限までに上位に食い込みたい」 と意気込む。
兵庫県土建一般労働組合篠山支部の源信司支部長 (65) は、 「篠山から2人も全国に行き、 支部としてとても鼻が高い」 と喜び、 「伝統的な技術を用いる現場は減ってきているが、 きっと身についたものが役に立つ」 と若手の背中を押す。
全国大会経験者で、 技能国家検定合格者を多数輩出するなど、 2人も含めた後進の育成に取り組んでいる西家幸男さん (42) は、 「ここまで来たら、 『行って良かった』 ではなくて、 欲を持って上を目指してほしい」 とエールを送っている。
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2014年7月6日08:16
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今年で創刊90年
地域の皆様に支えられ、 丹波新聞は今年で創刊90周年を迎えた。 これからもよろしくお願いします。
丹波新聞が創刊された1924年の出来事を少し書き出してみると、 アメリカ陸軍の航空機 「ダグラスDWC」 が、 編成部隊による初の世界一周飛行を達成。 シアトルを出発し、 175日かかったそうだ。 同じくアメリカで 「排日移民法」 が施行された。 正確には 「1924年移民法」 といい、 日本人移民だけが排除されたわけではないが、 アジア出身者の移民を禁止する条項が設けられた。 反米感情を生んだのは言うまでもない。
阪神甲子園球場が完成したのもこの年。 十干十二支の最初の組み合わせに当たる 「甲子年 (きのえねのとし)」 という、 60年に1度の縁起の良い年であることから、 甲子園大運動場と命名されたようだ。
さて、 丹波新聞である。 90年という長い年月を経ているが、 地域を回っていると、 「思っているほど認知度は高くないのかも」 と不安にかられることもある。 同時に愛されていることも身に染みて感じている。 「地域紙として何が必要か」 を考えたいと思う。(田畑知也)
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2014年7月6日08:14
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丹波市カラオケ同好会発足 11月16日「集...
丹波市内の各地域で活動するカラオケ同好会が一つにまとまり、 「丹波市カラオケ同好会」 が発足した。 市内6地域から役員を選出、 会長に伊田忠さん (氷上町石生)が就任した。
同会は、 丹波市制10周年記念協賛事業として、 11月16日午前10時から春日文化ホール (春日町黒井) で 「丹波市民カラオケふれあいの集い」 を計画している。
集いは、 ツーコーラス3000円 (食事、 飲み物付き)。 120人の出演を目標に参加を呼びかけている。 事務局長の井本三郎さん (0795・72・2090) まで。
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2014年7月6日08:13
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第386問
5日開幕した全国高校野球兵庫大会。 丹波地域勢のトップを切って11日に初戦をたたかう学校は?
1.篠山鳳鳴高
2.氷上西高
3.柏原高
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2014年7月6日08:12
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虫たち美しく撮影 丹波の森公苑で写真展...
丹波の森公苑展示ギャラリーで、 大阪市の酒井博文さん (62) の写真展 「マクロで撮らえた可愛く・美しい虫たち」 が開かれている。 7月11日まで。
デジタル1眼レフカメラの100ミリマクロレンズで虫を撮影した約40点を出展。 虫の生態写真ではなく、 虫たちを 「美しく、 かわいく、 凛々しく」 撮影しようと意識しているという。
生まれて1週間ほどの赤ちゃんカマキリが、 紫色のアジサイから頭をもたげている 「めざめ」 は、 タムロンフォトコンテストで金賞を受賞した1枚。 ほとんどが、 家の庭や公園の花壇などで撮影しており、 色鮮やかな花を背景に撮影したものが多い。
酒井さんは 「見た人に喜んでもらえるような写真を撮っていきたい。 虫と聞くだけで嫌がる人が案外おられるが、 写真を見て虫を再発見してもらえれば」 と話している。
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2014年7月6日08:12
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幸せな教育って? 親子で考える講座 21...
丹波市山南町南中のシェアハウス 「みんなの家」 が運営する中学生向け学習塾 「みんなで学ぶ学習道場」 が7月21日午前11時から、 「夏休み特別企画!いろんな幸せのカタチを考えよう講座」 を同塾で開く。 塾生以外も対象とし、 中学生親子12組の参加を募っている。
午後3時までの予定。 第1部は、 公務員として東京で教育関係の職務に従事している水畑順作さんの話と、 昼食をはさんで親子で考えるワークショップがある。 第2部として午後2時から、 希望者を対象に同塾長の前川進介さんによる 「『考える力』 を身につけるトレーニング」 を行う。
前川さんは 「小さい頃から夢やゴールを設定して、 実現する力を養成する 『キャリア教育』 が増えてきているが、 もっと幅広く、 多角的に、 子どもたちが自分自身の人生を見つめる重要性について、 親子で考える機会にしてほしい」 としている。
参加費は第1部は無料、 第2部は親子1組1000円。 ランチ代1人1000円が必要。 問い合わせと申し込みは、 前川さん (080・3087・4720)。
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2014年7月6日08:04
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広報紙に議事録掲載 “村の掟”など紹介...
丹波市春日町山田自治会が毎月発行している自治会広報紙 「ふれあい」 に、 1932年からの同地区常会の議事録の内容が掲載され、 地域の関心を集めている。 広報紙の製作を担当している金川文雄さん (64) が、 自治会内の人に自分が住む地域であった出来事を知ってほしいと、 11年前から掲載を始めた。 金川さんは 「いずれ作るかもしれない 『山田自治会史』 に活用できれば」 と話している。
写真・春日町山田自治会の常会議事録と 「ふれあい」 を持つ金川さん=春日町山田で
30年以上前から 「ふれあい」 を発行、 今年7月で276号になる。 基本的に4ページで、 自治会内で行われた行事を写真入りで掲載したり、 イベントの告知、 同自治会に生息する植物などを紹介している。 毎月の常会で、 同自治会の全世帯に配られている。
金川さんは、 公民館主事を務めた2003年から 「ふれあい」 作りを担当。 「議事録を眺める」 というコーナーを設け、 議事録に書かれている内容をスペースが許す限り原文で掲載している。
「当時の生活の様子や、 決まり事が書かれていて興味深い」 と金川さん。 燃料になる雑木を刈るのに入札が行われていたことや、 村の決まり事を破った者には一定期間、 競売権を与えないことなど、 現在にはない“村の掟”も紹介した。 自治会の人からは 「昔はこんなことがあったんだ」 と感心する声も上がっているという。
同地区公民館には、 1932年からの議事録が残されている。 「山田自治会の人が戦時中をどのように過ごしていたかを、 『ふれあい』 で紹介したかった」 と話す金川さん。 あいにく第二次世界大戦が始まった39年から、 終戦を迎えた45年までの議事録はほとんど残っていないが、 若い人に過去を知ってもらいたいと、 戦前や戦時中の議事録も掲載した。
個人名や読めない部分は掲載しないが、 書き間違いと思われる個所は、 書いた人を尊重する意味で、 あえて原文のまま載せている。 金川さんは 「常会の議事録なので、 毎年同じことが書かれている部分が多いが、 書いた人の表現の仕方に個性が出ていて面白い」 と話している。
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2014年7月6日08:03
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ブルーベリーの季節 生食用が直販所に ...
丹波市の新しい特産、 ブルーベリーの収穫が始まっており、 市内の農産物直売所に生食用の果実が並び始めた。
長野ブルーベリー研究会 (6人) 会員の采女正雄さん (67) =氷上町長野=のほ場でも、 ハイブッシュ系の早生種、 「オニール」 や 「ミスティ」 の収穫が始まっている。 今年は例年より早い6月5日に防鳥ネットをはったという。
同研究会の八尾勝則会長 (69) は、 「ここまで去年より10日ほど早い」 と言う。 采女さんは、 「今年は実のつき具合が良い。 ハチが良く働いてくれたのかな」 と笑っていた。
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2014年7月5日17:24
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丹波市連携会議が初会合 医療・介護両方...
丹波市は、 医療ニーズと介護ニーズの両方をあわせ持つ高齢者を地域で支えるための連携面での課題を共有し、 改善につなげようと、 「丹波市医療介護連携会議」 を設置し、 市春日庁舎で3日、 初会合を開いた。 医療、 介護、 福祉関係者が意見を述べ合った。
入院先から、 施設を含む在宅に戻りたいと思っても、 戻れなかった人が戻れるようにする策、 よりスムーズに戻れるような策などを考える。
委員は、 医師、 歯科医師、 薬剤師会の代表、 丹波圏域リハビリテーション支援センター、 丹波健康福祉事務所、 県立柏原病院と柏原赤十字病院の地域連携室とソーシャルワーカー、 市介護サービス事業者協議会の介護支援専門部会のケアマ ネジャー、 同訪問部会の訪問看護ステーションの13人。 市の高齢者あんしんセンター (市春日庁舎内) が事務局。
初会合では事務局が趣旨を説明。 会議の取り組みの一つとして、 入退院時の 「介護と医療の連携マニュアル」 作りを提案した。
同マニュアルは、 介護が必要な人が入院した際のケアマネジャーとかかりつけ医の連絡や、 入院中に退院後の生活を話し合う際の情報共有をスムーズにする方法などをまとめるもの。
この日はマニュアル策定について具体的な議論は行わず、 出席者が現状や課題を述べ合った。
「在宅の訪問診療の要望が少ない。 歯科衛生士を連れて機械を持ち込むことに抵抗感があるのかもしれないが、 遠慮せずに使ってほしい」 (歯科医師会代表)、 「病院の地域医療連携室へのお願い。 在宅で過ごすがん患者で医療用麻薬が必要な人とは、 早くから接点を持ちたい」 (薬剤師会代表)、 「入院中に、 自宅に戻った時の生活のイメージが持てるような工夫を。 連携のためには、 その人の家での生活など相手のことをよく知る必要がある」 (訪問看護ステーション代表) などの意見が出された。
また、 「本人が自宅で過ごしたいと考えても、 家族の意向で入院、 入所になる。『家族は面倒を見ない』 という点を掘り下げて考えなければいけないのでは」 (医師会代表) などという指摘もあった。
10月から11月をめどに2度目の会議を開く。
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2014年7月5日17:23
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エステハウス「mimi eden」
隠れ家エステで一息
丹波市柏原町のエステサロン店で7年間、 経験を積んだ藤井美穂さん (29) =春日町出身=が、 自宅の一室を使い、 5月に開業。 「お客さんに喜んでもらえ、 体や心の変化を一緒に味わえる。 そんなエステの仕事が大好き」 という藤井さん。 育児との両立も考え、 自宅開業した。
おすすめメニューの、 「トラブルケア」 (70分、 5000円) はデコルテから上部をクレンジングし、 クレイパックで毛穴の汚れを吸着。 洗顔の後、 専用の器具で、 にきび肌の解消、 アンチエイジング、 美白などのニーズに沿ったトリートメント、 マッサージ、 パック、 仕上げ―のセット。「フルボディ」(90分、 7000円) はオールハンドでの全身マッサージ。 リンパの流れを良くし、 代謝を高め、 免疫力をアップさせる。
【メモ】完全予約制。 小さな子どもがいるので、 急なキャンセルや時間の変更の場合あり。 全メニュー3回まで30%OFF。 営業は午前9時―午後5時半と、 午後7時からの1予約。 日曜休み。 電080・5344・8733。 篠山市藤岡奥584
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2014年7月3日17:04
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小児の肥満改善教室参加者募る 県立柏原...
県立柏原病院は7月30日―8月1日、 同病院で開く、 小児肥満改善教育入院 「チャレンジキッズ」 の参加者を募っている。 対象は小中学生若干名。
夏休みに2泊3日で入院し、 小児肥満の改善をめざす。 フィットネスやレクリエーションで楽しく体を動かし、 調理実習でバランスのとれた食事を学ぶ。 参加費は病院に問い合わせを。 7月10日締め切り。
申し込みは同病院小児科病棟 (0795・72・0524)。
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2014年7月3日17:02
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ラベンダースティック講習
「ハーブガーデンカフェ アニス」(篠山市今田町下小野原70―6)で「ラベンダースティック講習」が開かれる。 7月5、 6、 12、 13日、いずれも開催時間は午前10時からと、 午後3時からの2回 (所要時間は1時間程度)。
生のラベンダーを使い、 スティック1本を作る。 防虫効果があり、 クローゼットやチェストに入れて、 衣類に香りを移して楽しむ。 受講料は1500円 (ハーブティー付き)。 はさみ、 おてふきなどは持参。 要予約。
希望参加日の2日前までに主宰の中須賀さん (079・597・3691) へ。
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2014年7月3日17:01
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中井権次一統のルーツ
中井権次顕彰会のメンバーに加わって京都の長香(ちょうこう)寺へ。 権次の祖と目される中井正清家の菩提寺である。 正清は徳川家康から初代京大工頭に取りたてられ、 二条城、 江戸城、 名古屋城や日光東照宮など様々な重要建築を担当した。 ▼ 「従四位下・大和守」 の官位を与えられ、 1千石を知行。 大坂の陣に当たっては密命で絵図を作成したというから、 ただの大工でなく、 家康の側近的な存在だったらしい。 墓地の優に3メートルある五輪塔がそれを偲ばせた。 ▼寺にはいかにも正清好みと思われる、 様々な石を配した庭があり、 簡素ながら風格を漂わせる。 中井家からは紀州徳川家の殿様の側室も出て、 8代将軍となった吉宗を産んだという。 本堂には葵の紋の入った位牌が並んでいた。 ▼近畿各地の寺社に竜や霊獣など数々の作品を残した柏原の中井権次一統は、 4代目から彫刻師となるが、 元は柏原八幡社三重塔の造営の際に2代藩主織田信則が招請した宮大工。 京都の中井役所にいたことから、 正清につながると言われているが、 ただ、「後裔」 たる確かな証拠は残っていない。 八幡社ほか様々な彫刻の作品群が示す傑出した技術がそれをうなずかせはするのだが。 ▼権次顕彰会は、 代々の人物、 業績などの情報を発信していく計画だが、 一統のルーツについてもさらに解明が進むことを期待する。(E)
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2014年7月3日17:00
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“例年どおり”が難しい
先日、 何十年かぶりにUターンした同級生と飲んだ。 久しぶりの故郷で暮らすこの浦島太郎は、 「最近、 近所で子どもを見ぃひんねんけど、 どないなっとんねん」 と苦笑していた。
丹波市の行政運営における最上位計画である 「第2次総合計画」 (計画期間=2015年度から10年) の素案がまとまった。 第1次計画では、 15年度の推計値を 「6万5109人」 としたうえで人口目標を 「7万人」 としていたが、 第2次計画では10年後の人口を、 推計から 「概ね5万8000人程度」 と記すにとどめた。 今年5月末現在の同市の人口は、 6万7774人。
第1次計画によると、 05年7月の人口は7万1115人だった。 この約10年間で3300人ほど減り、 これからの10年でさらに1万人近く減ることになる。 丹波市は、 6つの町が合併したが、 旧町一つがなくなるのと同じ状況だ。
第2次計画の策定にあたる審議会が、 将来人口をどう表現するのかに関心を持っていた。 篠山市では、 目標人口の 「6万人」 になった市を想定した公共事業を次々と実施し、 財政悪化を招いた。 丹波市においても合併後、 「7万人」 はあっさりと下回り、 実情とかけ離れた 「目標」 になってしまった。 普段の取材活動の中でも、 市の財政状況、 学校の統合議論、 過疎化する集落など、 あらゆる場面で人口減少という課題に出会う。
これからの10年を予想することは難しいけれど、 市政をはじめ、 地域、 集落、 各種団体、 そして個人の暮らしにおいて、 これまで以上に1年1年が大切で、 例年どおりが難しい状況になっていくことは容易に想像できる。(芦田安生)
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2014年7月3日16:59
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陸上県大会で6位入賞 小学生男子100メー...
丹波市内の小学生対象の陸上クラブ 「丹波JRC (ジュニアランニングクラブ)」 に所属する田原励斗君 (船城小6年) が、 このほど神戸市のユニバー記念競技場で行われた 「全国小学生陸上競技交流大会・兵庫県大会」 6年生男子100メートルで6位入賞を果たした。 田原君は 「決勝に行けると思っていなかったから、 自分でも驚いた。 これから出場する大会では、 メダルをねらいたい」 と話している。
100メートルには132人がエントリー。 予選は13秒49を記録し、 全体の6位で決勝に駒を進めた。 9人で競った決勝では、 ややタイムを落としたものの13秒80で駆け抜け、 6位に入った。
もともと走るのが得意だった田原君は、 幼稚園から小学3年生まで、 校内のマラソン大会で常に1位だった。 小学4年時のマラソン大会で3位になり、 悔しい思いをしたという。 その後、 母・麻美さんの勧めで、 春日町の子どもたちを対象に体力づくりをサポートする 「春日ぽっかぽかクラブ」 (中林広行代表) に入会し、 走り方などを学んだ。 体調不良もあって練習に参加できないときもあったが、 家でジョギングをするなど軽い運動は行っていたという。
よりレベルの高いクラブで練習しようと、 今年5月、 中林さんが代表を務める「丹波JRC」に入会。 週に数回、 坂道ダッシュや3キロほどのクロスカントリーのほか、 ドッジボールなど楽しい練習を取り入れたクラブの活動で汗を流している。 中林さんは 「スタートが得意で、 トップスピードに達するまでが速い。 レースマネジメントが上手になれば、 もっと速くなれる。 いきいきと走りを楽しんでほしい」 と話す。 短距離チームの主将も任され、 長距離チーム主将の村上秀君(崇広小6年) とともに、低学年の練習に付き合うなどクラブをまとめている。
田原君は 「中学校でも陸上を続ける。 東京オリンピックに出て、 メダルを取りたい」 と力強く語った。
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2014年7月3日16:59
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放送部の全国大会へ出場 鳳鳴から3年連...
篠山鳳鳴高校3年で放送部の上野杏さん (17) =篠山市郡家=が、 このほど神戸市で開かれた 「第61回NHK杯全国高校放送コンテスト兵庫県大会」 の朗読部門に出場。 エッセーの朗読で優秀賞に輝き、 上位12人のみに与えられる全国大会への切符をつかんだ。 同校からの全国出場は3年連続となる快挙。 ただ一人の3年生として2年続いた偉業をつないだ上野さんは、 「とにかく楽しむことが一番。 全国の舞台で 『鳳鳴』 の名前を伝えたい」 と意気込んでいる。 全国大会は7月21―24日、 東京都で開かれる。
5冊ある課題本の中から1冊を選び、 自分で読む個所を抽出して1分30秒未満で読み上げる朗読部門には県内各地の高校から662人が参加。 4地区に分かれて予選を行い、 県大会出場者を決めた。
上野さんはエッセイスト・阿川佐和子さんのエッセー 「残るは食欲」 を選択。 阿川さんが四国・松山で地場産の小松菜やカブを擬人化し、 野菜たちの声に引かれて買い求めるシーンを抽出した。
選択した理由は、 「昔から絵本でも小説でも、 食べ物をおいしそうに描写する場面が好きだったので」 とほほ笑む。
予選、 県大会準決勝を突破した上野さんは、 35人に絞られた決勝へ。 タレントとしても活躍する阿川さんをテレビで見ていたことから、 その文体からにじみ出てくる人間性を声で表現することに心を砕き、 最後は、 西本智子顧問の 「阿川さんになっちゃいなよ」 というアドバイスで迷いを一掃。 堂々とした朗読で、 見事優秀賞に選ばれた。
約300人が出場する全国大会の決勝の舞台は放送部の聖地 「NHKホール」。 一昨年はアナウンス部門で福井万季子さんが、 昨年はラジオドラマ部門で上野さんも先輩たちとともに立った場所だ。
「青春とは何かと聞かれたら、 迷わず放送部と答える」 と語る上野さん。 「兵庫はレベルが高く、 県大会の決勝まで行けただけで満足だったから、 全国はもうけもの。 ただただ楽しみ、 欲を言えば、 決勝の舞台にまた立ちたい」 と気合を入れている。
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2014年7月3日16:58
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謎は謎のままで
篠山市当野の大歳神社でユニークな神事と出会った。 地元の皆さんが 「ちまきのお当」 と呼んでいる年中行事で、 集落の青年団による獅子舞が神社の軒下に吊るされた巨大ちまき (長さ約60センチ、 重さ約5キロ) にかぶりつき、 五穀豊穣や無病息災、 子孫繁栄などを願うというもの。
「なぜ、 ちまきはこんなにも大きいのですか。 どうして獅子舞がちまきにかぶりつくのですか」 と私。 地元の古老いわく 「知らん、 昔からそうしとったんや」 ―。
なんでもかんでも白日の下にさらそうとするマスコミ業界の端っこに身を置く記者でありながら、 謎を謎のままにしておくのはいかがなものか、 とも思うが、 小さな集落でひっそりと、 はるか昔から継承されてきた神事は、 少し謎めいていた方が良い。 すべての伝説や神がかり的な現象が、 科学で解明されてしまう少々つまらない現代社会においては、 いわれや意味が不明というのは、 逆に大きな魅力となる。
取材を通して、 神事や祭礼には 「?」 が実に多いことに気づく。 数多くの 「?」 が残るこの篠山に改めて愛着を感じている今日この頃。 謎は謎のままでいい。(太治庄三)
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2014年7月3日16:58
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ある活動
緑深き山の中に朗々と響く読経の声。 生き物たちの気配に満ちた山寺で、 野山に向かって用意された祭壇。 太いローソクから、 天へと伸びる炎と煙。 参列者が手にすり込んだ塗香がほのかに香り、 むっとする草いきれと混じりあう。
水無月の梅雨晴れの中、 行われた慰霊祭に参列した。 この慰霊祭は 「特定非営利活動法人 大山捕獲隊」 が行ったものだ。 但し、 慰められるのは逝き人の御霊ではなく 「アライグマ」 のそれである。
彼ら、 大山捕獲隊の活動は、 狂い始めている野外の生態系を護るため、 「特定外来生物 (アライグマ) の排除」 をすすめることだ。 その活動の中で、 図らずも対象となった 「アライグマ」 のための慰霊祭なのである。 ペットとして飼われ、 飼いきれずに山野に放獣されたアライグマ。 自然界に大きなダメージを与えたのは、 他でもない私たち人間である。
大山捕獲隊は、 私たち人間が行ってきた行為を省みて、 自然界の実情を鑑み 「安全・安心な地域づくりは人任せにしない!!」 を合言葉に、 弊害となる諸物 (特定外来生物等) を、 地域住民の人たちと協働・連携して排除するという活動を根幹としてきた。
参列者には、 活動に関わっている猟師、 学術的な専門家、 自治会、 行政、 新聞記者など、 多方面からこの活動を支援している方たちが参列していた。 人任せにせず、 かつての自然界を取り戻すため、 またやりなおせると信じて、 日々真剣に向き合っている人たちがいる。 彼らの活動を知ってほしい。
(土性里花・グループPEN代表)