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2014年8月14日09:03
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新旧住民で魅力再発見
篠山への移住者には、 輝いている人たちがいる。 たとえば―。
今年のデカンショ節歌詞コンテストで、 「丹波篠山霧芋召され味も良ければ力湧く」 がデカンショ節大賞に選ばれた。 作者は、 7年前に篠山に移り住んだという76歳の松葉久喜さん。 受賞式で、 「(山の芋の別名の) 霧芋は素敵な名前。 この名前を広げたい」 と話したあと、 山の芋をお好み焼きに混ぜていることや、 ぼたん鍋に角切りの山の芋を浮かべていることなど、 篠山の魅力をたくさん語った。
2年前に篠山に移り住み、 篠山の法人で地域資源を生かした観光事業を手掛けている藤井照雄さん。 亀岡市から福住までの 「篠山街道」 は 「古い町並みと田園地帯、 里山が連続して続き、 とても魅力的な街道」 として今月下旬に実施する宿場町巡りを企画した。 移動時間も楽しんでもらおうと、 路線バスと徒歩で旅程を計画した。
3年前、 篠山に移り住み、 食や手作りを通した交流拠点を構え、 地域の高齢者サロンとしても活用している加古佳与子さん。 40年以上も空き家だった古民家を改修し、 最後に住んでいた人の名前を交流拠点の愛称にした。 地元でとれた黒豆の良さを広めたいと、 地元の女性たちと黒豆きなこをまぶした揚げパンを考案。 デカンショ祭で販売する。
篠山に移住した人たちは、 その魅力にひかれて移り住んだ。 篠山を外から客観視して魅力を見つけた。 長年住み続けると、 地元の魅力は見つけにくい。 でも、 山の芋、 街道の町並み、 黒豆など、 その魅力は地元の人たちによって培われたもの。 地元の人と移住者が手を組むことで、 新たな魅力が生まれる。 (坂井謙介)
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2014年8月14日09:02
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篠山出身ペアで全国3位 高校ビーチバレ...
「全日本ビーチバレージュニア男子選手権」 (日本バレーボール協会主催) が8月9、 11の両日、 箱作海水浴場ぴちぴちビーチ (大阪府阪南市) で行われ、 篠山市出身で近畿大学泉州高校 (岸和田市) バレーボール部の上田信志君 (3年、 篠山中出身) と古家後秀人君 (同、 今田中出身) のペアが3位入賞を果たした。
都道府県の予選を勝ち上がった男子高校生の52組が出場。 4組による予選グループ戦を行い、 各グループ上位3組が決勝トーナメントを戦った。
上田君と古家後君は昨年、 それぞれ別のペアでいずれも3位に入った。 今年は 「篠山ペア」 として出場。 40ペアが出場した大阪府予選で準優勝し、 全国に進んだ。
初戦の2回戦は長野のペアに25―10、 3回戦は広島のペアに25―14と圧勝。 メダルのかかった準々決勝の神奈川県のペアとの戦いでは、 前半強打で攻め、 後半フェイントやコースをつく攻めで相手を揺さぶり、 25―17で勝利。 メダル獲得を決めた。 準決勝の大阪・大塚高校のペアに18―25で惜敗した。
近畿大学泉州高校は7月末に行われた近畿高校バレーボール優勝大会でベスト16に入った。 その後、 二人はほぼ毎日、 ビーチで実践練習を積んだ。
上田君は 「インドアではない、 光や風、 熱などで影響され、 体力が必要なスポーツ。 スパイク以外にさまざまな技術が必要で、 特にネット際の攻め方が勉強になり、 インドアに生かしたい」、 古家後君は 「6人ではない、 2人でするスポーツなので言葉がけが大切になるところが難しい。 レシーブやジャンプ力強化に役立ち、 インドアでも生かしたい」 と話す。
二人は、 「大阪の私学大会優勝や春高バレー出場を目指してがんばりたい」 と声をそろえる。
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2014年8月14日08:59
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分散豪雨
台風11号の接近、 通過に伴って8月8日夜から10日のお昼ごろまで強い雨に見舞われた丹波地域。 9、 10の両日ともお昼過ぎに雨が上がった。 途中で止まなかったり、 上がるのが遅かったら、 24時間で200ミリ超の事態もあった。 豪雨には違いないが、 「集中」 でなく 「分散」 だったことで被害が最小限で済んだ。
丹波市柏原町母坪の9日の日降水量は106・5ミリで、 8月の観測史上3位、 10日は79ミリで10位。 篠山市後川では10日の方が雨量が多く、 134ミリで4位、 9日が119・5ミリで5位だった。
菩提寺の裏山ののり面が崩れた。 ずった個所は、 7月末に檀家が日役できれいに草刈りをした所だ。 土砂は、 本堂の裏手に押し寄せたが、 幸運にも破損を免れた。 のり面にはまだクラックがある。 応急処置が終わるまで、 まとまった雨は勘弁してもらいたい。
台風襲来を身構えていたが、 肩透かしに終わったということが続いている。 今回もそう。 台風に予定を狂わされ、 困っている人もあるだろうが、 「肩透かしに終わった幸運」 を喜ぼう。 平穏無事なお盆をお過ごし下さい。(足立智和)
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2014年8月14日08:59
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航海時代
結婚して22年になるが、 何の拍子だったか母から、 「夫婦は、 20代は愛情、 30代は我慢、 40代は忍耐、 50代は諦め、 60代は感謝」 と教わったことがある。 22年の間には (正直言うと今でもほんのほんの時たま)、 夫に 「こんの○○オヤジ!!」 と心の中で毒づく時もあった (内緒ですが…)。
先日、 愛情表現が下手で無愛想で頑固な夫が出てくる 「アンコール」 というイギリス映画を観た。 そんな夫だけど、 癌を患って余命幾ばくかの妻だけはいつもどんな時でも夫を信じ、 愛している。 人前では、 愛想も何もない男が2人きりになると、 妻に本音をポロリと吐いたりする。 そんな劇中で妻が夫に向けて 「トゥルー・カラーズ」 という歌を捧げる場面がある。
「私だけはあなたの本当の姿を知っているの。 笑って。 暗い顔をしていないで笑って。 あなたの心は輝いているのだから。 そんなあなたが私は大好きなのよ」
いつも苦虫を噛み潰したような顔をしているニコリともしない夫に心からの愛をこめて、 大勢見ている中で、 彼だけを見て彼だけに歌い上げるのである。 私はその場面で感動してしまって、 自分ではなかなか認めたがらないが、 れっきとした日本男児のわが夫と重なって重なってしょうがなかった。 結婚て、 本当、 面倒くさいけど素晴らしい。
でもね、 油断してはいけません。 先人たちはこうも言っています。 「結婚…いかなる羅針盤も、 かつて航路も発見したことがない荒海」 (ハイネ/ドイツ) はい、 その通りです。
(土性里花・グループPEN代表)
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2014年8月14日08:59
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創作活動の根源探る 陶芸家36人90作品紹...
陶芸作家の創作活動のエネルギーと作風の根源を探る特別展 「アイデンティティとオリジナリティ―現代陶芸新収蔵品展」 が兵庫陶芸美術館 (篠山市今田町上立杭) で開かれている。 窯元に生まれ、 その土地に伝わる素材や技法を使って創作している陶芸家、 やきもの作りには無縁の家に生まれ、 大学などで陶芸を学び、 それまでのやきものにはなかった素材や技法を取り入れている陶芸家ら36人を分類して紹介。 作家のアイデンティティから垣間見えるオリジナリティを探り、 陶芸の多彩な表現と魅力に迫っている。 8月24日まで。
同美術館の未公開収蔵作品を加えた約90点を展示。
創作活動のエネルギーの源を探ると、 作家自身の地理的環境や人との出会い、 思い出などさまざまな経験を通じて形成される自己の本質的な部分 「アイデンティティ」 にたどり着き、 それらが糧となり、 作品の独創性 「オリジナリティ」 に影響をおよぼしているという。
丹波焼の窯元に生まれた市野雅彦氏の 「響き2012」 は、 赤と黒を基調とした作品。 自然釉が降り積もる焼き締め陶器の黒と、 江戸時代に使われていた化粧土 「赤土部」 を施した赤の2つのパーツを組み合わせ、 中世と近世の2つの丹波焼が、 互いに響き合う様子を表現している。
大阪市に生まれ、 富本憲吉に師事した坪井明日香氏の 「上方地図皿 神戸」 は、 菱形をした皿の内面に 「元町」 「摩耶山」 など、 神戸市内の馴染み深い地名を印で押した作品。 水色や緑、 金彩の色彩が神戸の海や地形を連想させる。
大阪芸大で陶芸を学んだ田嶋悦子氏の 「Cornucopia 09―Y1」 は、 色彩豊かな黄色い化粧土が施された陶器と、 半透明の白いガラスを組み合わせ、 植物の形をモチーフにして制作。 2つの素材から新しい表現方法を生み出している。
開場は午前10時―午後7時 (金、 土曜は午後9時まで)。 月曜休館。 16日午後2―3時、 学芸員によるギャラリートークを実施。 観覧料は一般600円。 中学生以下無料。 同美術館 (079・597・3961)。
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2014年8月14日08:58
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春日で食育フェア 料理研究家の講演も ...
丹波市 (健康部健康課0795・82・4567) は、 8月23日正午から春日文化ホール (丹波市春日町黒井) などで 「市食育フェア2014」 を開く。 学校給食の試食や丹波産野菜の販売、 料理研究家による食育講演などが行われる。
同ホールロビーで正午から、 栄養教諭による紙芝居などがあり、 ホール前の芝生では、 地元農家が夏野菜を販売する。 ホール隣の春日住民センターでは、 午後零時半から大豆やナスを使った学校給食の試食や、 丹波市いずみ会による地元野菜を使った料理の試食会が行われる。 試食は無料で、 それぞれ先着200人。
1時半から、 同ホール内で 「丹波大空の会」 「丹波市いずみ会」 が活動報告。 2時10分から、 食育・料理研究家の坂本廣子さんが 「未来につながる食育のすすめ―今子どもに大切なこと」 と題して講演する。 入場無料。
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2014年8月14日08:56
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ポール体操無料体験プログラム
8月29日午前10―11時、 丹波悠遊の森 (丹波市柏原町大新屋) で、ポール体操無料体験プログラムが行われる。 9月から同施設で教室 (毎週金曜午前10―11時。 月3500円) を開くのを前に無料体験を実施。 弾力性のあるポールを使い、 腰痛や肩こり、 体の歪みの矯正などに効果があるとされるストレッチ。
予約、 問い合わせは竹内吉崇さん (080・6155・9985、 shogun4462@gmail.com)。
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2014年8月14日08:54
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丹波竜は新属新種 学名決定、論文を発表...
丹波市山南町上滝の地層、 篠山層群から発見されたティタノサウルス形類竜脚類 「丹波竜」 (通称) の化石は、 新属新種の恐竜で、 学名を 「Tambatitanis amicitiae gen. et sp. nov」 (タンバティタニス・アミキティアエ) とする論文を、 県立人と自然の博物館 (三田市) の三枝春夫主任研究員と池田忠広研究員が、 ニュージーランドの 「Zootaxa」 (動物分類学者のための査読付き国際学術雑誌) に投稿、 同学術誌の電子版で公表された。 竜脚類で学名が付いた化石は国内2例目。
写真上・丹波竜 (通称) は 「新属新種」 とする論文の内容を説明する三枝主任研究員
写真下・タンバティタニス・アミキティアエの全身復元図(©小田隆/丹波市)
論文の標題 (和訳) は、 「日本、 兵庫の下部白亜系産出の新種のティタノサウルス形類竜脚類 (恐竜類:竜盤類)」。 これまでに発掘された同恐竜化石の中から産出状態のよい約60点を基に、 他の恐竜化石とを慎重に比較検討した成果で、 「 (同化石は) 竜脚類、 特にティタノサウルス形類がどんな進化をたどったかを知る上で重要な新たな情報や、 示唆をもたらしている」 としている。
学名の 「タンバ (Tamba)」 は丹波地域を表し、 「ティタニス (titanis)」 はギリシャ神話に由来する「女の巨人」 という意味。 また、 「アミキティアエ (amicitiae)」 はラテン語で 「友情」 の意味で、 発見者の足立洌さん (71) =柏原町南多田=と村上茂さん (69) =山南町下滝=の友情を記念している。
体骨格と、 頭骨の一部である脳函 (のうかん) の両方が発見されている白亜紀前期 (約1億1000万年前) の竜脚類は世界的に少ないが、 日本産では最も情報量が多いという。
論文では新属新種とする根拠として、 ▽尾椎の棘突起が前方に向けて鋭くカーブしている (他では後方に向けてまっすぐ伸びている) ▽血道弓 (尾の左右の筋肉を隔てる骨) が長いもので約40センチもあり、 体長 (推定15―16メートル) の割に1・5倍ほど長い▽血道弓が棒状をしている (他では板状) ―など、 他のティタノサウルス形類竜脚類にはない8つの特徴があるとし、 尾椎と血道弓を詳細に記載している。
三枝主任研究員は、 「例えば血道弓は、 いろんな形状をしており、 同一固体の骨か、 何番目の骨かを確実にするのに時間がかかったが、 論文を書いていても矛盾が出てこなかった。 地殻変動の激しい日本で、 ここまでよい状態で化石が残っていたことは、 世界的にも重要だ」 と話している。
今後、 脳函にCTスキャンをあて、 血管の通り道を調べたり、 内耳の構造を調べることで、 平衡感覚や聴覚がどうだったかが分かるという。 レーザースキャナーを使って復元骨格の3D化にも取り組む予定。 また、 進行中のクリーニングが完了すれば、 それらに関する追加論文を出版する。
同博物館は、 新種新属であることの論文発表にあわせて、 20日から10月19日まで発掘された実物の化石約20点を展示する。
【化石発見者の声】
足立洌さんの話 学名に 「Tamba (丹波)」 が付いたのがよかった。 これだけ多様で、 保存状態のよい化石が見つかった篠山層群が世界的に知られるきっかけになる。 恐竜の進化と人間とのつながりを知ってほしいと思っていて、 特に地元の人たちに理解してもらう活動をしていきたい。
村上茂さんの話 これまではニックネームだけだったので残念に思っていたが、 新属新種だったことも含め、 学名が決まったことは、 戸籍に登録されたようなもの。 丹波市の地域資源としてはくが付いた。 地域としてもこれを歓迎し、 ますます地域づくりを盛り上げていきたい。
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2014年8月14日08:50
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丹波竜は新属新種 学名決定、論文を発表...
丹波市山南町上滝の地層、 篠山層群から発見されたティタノサウルス形類竜脚類 「丹波竜」 (通称) の化石は、 新属新種の恐竜で、 学名を 「Tambatitanis amicitiae gen. et sp. nov」 (タンバティタニス・アミキティアエ) とする論文を、 県立人と自然の博物館 (三田市) の三枝春夫主任研究員と池田忠広研究員が、 ニュージーランドの 「Zootaxa」 (動物分類学者のための査読付き国際学術雑誌) に投稿、 同学術誌の電子版で公表された。 竜脚類で学名が付いた化石は国内2例目。
写真上・丹波竜 (通称) は 「新属新種」 とする論文の内容を説明する三枝主任研究員
写真下・タンバティタニス・アミキティアエの全身復元図(©小田隆/丹波市)
論文の標題 (和訳) は、 「日本、 兵庫の下部白亜系産出の新種のティタノサウルス形類竜脚類 (恐竜類:竜盤類)」。 これまでに発掘された同恐竜化石の中から産出状態のよい約60点を基に、 他の恐竜化石とを慎重に比較検討した成果で、 「 (同化石は) 竜脚類、 特にティタノサウルス形類がどんな進化をたどったかを知る上で重要な新たな情報や、 示唆をもたらしている」 としている。
学名の 「タンバ (Tamba)」 は丹波地域を表し、 「ティタニス (titanis)」 はギリシャ神話に由来する「女の巨人」 という意味。 また、 「アミキティアエ (amicitiae)」 はラテン語で 「友情」 の意味で、 発見者の足立洌さん (71) =柏原町南多田=と村上茂さん (69) =山南町下滝=の友情を記念している。
体骨格と、 頭骨の一部である脳函 (のうかん) の両方が発見されている白亜紀前期 (約1億1000万年前) の竜脚類は世界的に少ないが、 日本産では最も情報量が多いという。
論文では新属新種とする根拠として、 ▽尾椎の棘突起が前方に向けて鋭くカーブしている (他では後方に向けてまっすぐ伸びている) ▽血道弓 (尾の左右の筋肉を隔てる骨) が長いもので約40センチもあり、 体長 (推定15―16メートル) の割に1・5倍ほど長い▽血道弓が棒状をしている (他では板状) ―など、 他のティタノサウルス形類竜脚類にはない8つの特徴があるとし、 尾椎と血道弓を詳細に記載している。
三枝主任研究員は、 「例えば血道弓は、 いろんな形状をしており、 同一固体の骨か、 何番目の骨かを確実にするのに時間がかかったが、 論文を書いていても矛盾が出てこなかった。 地殻変動の激しい日本で、 ここまでよい状態で化石が残っていたことは、 世界的にも重要だ」 と話している。
今後、 脳函にCTスキャンをあて、 血管の通り道を調べたり、 内耳の構造を調べることで、 平衡感覚や聴覚がどうだったかが分かるという。 レーザースキャナーを使って復元骨格の3D化にも取り組む予定。 また、 進行中のクリーニングが完了すれば、 それらに関する追加論文を出版する。
同博物館は、 新種新属であることの論文発表にあわせて、 20日から10月19日まで発掘された実物の化石約20点を展示する。
【化石発見者の声】
足立洌さんの話 学名に 「Tamba (丹波)」 が付いたのがよかった。 これだけ多様で、 保存状態のよい化石が見つかった篠山層群が世界的に知られるきっかけになる。 恐竜の進化と人間とのつながりを知ってほしいと思っていて、 特に地元の人たちに理解してもらう活動をしていきたい。
村上茂さんの話 これまではニックネームだけだったので残念に思っていたが、 新属新種だったことも含め、 学名が決まったことは、 戸籍に登録されたようなもの。 丹波市の地域資源としてはくが付いた。 地域としてもこれを歓迎し、 ますます地域づくりを盛り上げていきたい。
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2014年8月14日08:47
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降雨分散 被害少なく 台風11号 丹波市通過
台風11号と、 台風接近に伴う雨雲により、 丹波市も9月8―10日にかけてまとまった雨が降った。 柏原町母坪の気象庁アメダスによると、 同地点では8月の日降水量の史上3位の106・5ミリ (9日) と10位の79ミリ (10日) と記録的な大雨に見舞われた。 台風は10日正午過ぎに丹波市を通過したものの、 途中雨がやみ、 降る時間帯が分散したことで大きな被害の発生は免れた。
気象庁アメダスと国交省テレメーターによる市内の累加雨量合計は、 3日間で195ミリ―257ミリ=表1参照。
3日間の総雨量の60―70%を8、 9日の降雨が占め、 10日の台風による雨は9日より少なかった。 9日には、 柏原町柏原で1時間あたり20ミリの強い雨を、 10日には山南町青田で1時間あたり45ミリの非常に強い雨を観測した。
9日と10日の午後に雨が上がったことで、 洪水被害をまぬがれた。 9日午後1時にはん濫注意水位 (1・9メートル) を超える2メートルに達していた高谷川 (氷上町稲継) は、 いったん80センチ以下に下降。 10日の台風で再び水位が上昇し、 避難判断水位 (2・1メートル) を超える2・27メートル (午後1時) に達したが、 雨が上がり、 次第に収束した=表2。 氷上町の加古川、 柏原町の柏原川、 市島町の竹田川などでも9日と10日に水防団待機水位を超える時間帯があったが、 ピークが2度に分散したことが幸いした。
丹波市防災対策室のまとめ (11日午後5時) によると、 床上床下浸水はゼロ。 土砂崩れが2カ所 (青垣町大名草、 春日町国領)、 道路の冠水が柏原で3カ所、 春日2カ所の計5カ所。 土砂堆積が青垣で1カ所。
河川では、 篠山川の堤防が山南町村森で崩落。 市島町市ノ貝川の護岸一部崩落、 柏原町竹安川の護岸一部崩落。 ほかに青垣で家の敷地一部陥没―など。
丹波市が市内6カ所に設けた避難所には、 氷上と春日で5世帯7人が避難した。
JR福知山線がストップしたほか、 県道篠山山南線 (山南町阿草―篠山市大山下)、 青垣から福知山へ抜ける県道福知山山南線穴の裏峠、 国道429号榎峠、 青垣から生野へ抜ける国道429号青垣峠が一時通行止めになった。
青垣町大名草の常瀧寺では、 本堂裏山ののり面が、 幅6メートル、 高さ8メートルにわたって崩れた。 本堂は土砂が外壁に達したものの無事だった。
山南町村森の篠山川堤防は、 右岸 (円応教側) が約300メートルにわたり、 大きくえぐられた。 現場近くの同町谷川で、 10日午後1時から5時間に渡ってはん濫注意水位 (3・7メートル) を上回る水位を記録。 昨年の増水時に護岸が削られ、 土のうを積んで応急処置をしていた個所が大水に耐えられなかったものと見られる。
篠山市後川では8、 9日の累加雨量が153ミリ、 10日が135ミリと、 丹波市以上に台風11号の影響を強く受けた。
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2014年8月14日08:47
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城東グラウンド整備に市民ら賛否 公開ミ...
篠山市立城東グラウンドを市の公式軟式野球場にも使えるグラウンドに改修整備する計画について、 市と市民が意見交換を行う 「公開ミーティング」 が8月9日、 城東公民館で開かれた。 市民26人が参加し、 意見交換を行ったが、 うち24人が野球関係者や地元住民などで大勢が賛成意見。 否定的な意見を述べた一般市民は1人にとどまった。 市長は20日に方針を公表する予定。
軟式野球協会の神山一郎理事長が、 「将来ある少年野球の選手たちにとって、 少しでも整った球場が必要。 市長の勇気ある決断をお願いしたい」 と話したほか、 野球関係者からは、 「ボールが生きている間にどのようにプレーするかが野球の醍醐味だが、 現状はボールが場外に出てプレーが止まる。 城東や今田のグラウンドに他地域のチームを招いた時に 『こんなところでするのか』 と言われることもある」 「年間40日間300試合ほどやっている。 行政が提案、 議会も賛成している中で事業が白紙になり、 今まで辛抱してきた人の身にもなってほしいと思っていた。 助成金も次はないのではないか。 この機を逃したら改修できない。 身の丈にあった改修を」 などの声が上がった。
また少年野球の保護者らは、 「三田のスタジアムで試合があると、 子どもたちは喜んでいる。 保護者としては、 地元で試合があるからがんばろうと思ってほしい。 財政がどれだけ厳しいかはわからないが、 子どもたち、 大人の愛好家の方、 保護者のためにも改修をお願いする」 と述べた。
一方、 反対意見を述べた市民は、 「野球関係者の人がたくさんおられて言いにくいが」 と前置きし、 「整備自体は賛成するが、 公債費が県内ワーストになっている今の状況で、 なぜ焦って作る必要があるのか。 また議会が承認する前に篠山再生計画推進委員会に計画を諮るべきだったのではないか」 と反論。 「今回の改修では硬式野球は使用できない。 身の丈にあった形でやるならば、 軟式野球関係者だけでなく、 硬式も市民もみんなが賛同できる方向で検討したほうがいいのでは」 と疑問を呈した。
酒井隆明市長は、 「再生委に早くかけるべきというのはおっしゃられるとおりで反省している」 とし、 「財政が好転したわけではないが、 再生計画に基づいて健全化は進んでいる。 財政が厳しいから何もできないという状況を長く続けることはできないし、 市民からも議会からも作ったらどうかという意見があり、 助成金も使ってなんとか改良してできる方法はないかと考えた」 と述べ、 「頂いた意見をまとめて、 この後どうするかを早いうちに決めていきたい」 と話した。
【城東グラウンド改修問題】同グラウンドを軟式の公式野球場として整備する計画。 市が当初計画していた内容では、 同グラウンドの水はけの悪さや野外トイレの老朽化、 フェンスの老朽化などを解消し、 階段状の観覧席を設けるもの。 多目的機能は維持する。 総事業費は1億1887万円で、 うちスポーツ振興くじ (toto) の助成金3933万円の内定を得ている。 今年3月議会で設計管理費が承認されたが、 5月に市民でつくる篠山再生計画推進委員会が、 投資的事業に適合しないと答申し、 市長が一旦計画を白紙に。 その後、 市は広報などで市民の意見を聴き、 今後の方針を打ち出すとしている。
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2014年8月14日08:46
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「木造やぐら出現」丹波篠山デカンショ祭...
「第62回丹波篠山デカンショ祭」 が8月15、 16の両日、 篠山城跡三の丸広場 (篠山市北新町) で開かれるのを前に、 会場のメーンとなる木造の大やぐらがお目見えした。
地域の工務店などでつくる建築グループ 「ささやま百年家」 が2009年から毎年制作。 組み立て式の木造やぐらとしては日本一を誇るという。
また車いす利用者などのための特別休憩所も設置。 祭り両日午後6時ごろから受け付けを始める。
代表を務める大西工務店の大西義美さん (味間奥) は、 「今年もゆっくりと休憩所で祭りを楽しんでもらえたら」 と話している。
写真・ 会場にお目見えした日本一の木造大やぐら=篠山市北新町で
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2014年8月13日15:09
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お盆の開院状況を丹波市のウェブで公開 ...
丹波市は、 市のウェブサイトで、 「お盆期間中の市内医療機関の開院状況のお知らせ」 を掲載している。 多くの開業医が盆休みを取る8月13―15日が今年は平日。 休日診療所は、 カレンダー通りの運用で、 お盆の特別対応は行わない。 病院は通常通り診療している。
受診にあたっては各医療機関に電話で確認を。
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2014年8月10日09:09
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横から見るか?下から見るか?
普通なら下から見上げる打ち上げ花火。 真横から見たら、 丸いのか、 平べったいのか。 そんな打ち上げ花火をめぐって繰り広げられる、 少年たちの一夏を描いた甘酸っぱい映画がある。 1994年に公開された 「打ち上げ花火、 下から見るか?横から見るか?」 は、 場所によって花火の見え方が変わるのか、 小学生が街外れの灯台まで確認に行くというストーリー。 淡い恋模様を中心に話は進んでいくのだが、 1カ月ほど前にDVDを買って鑑賞した。
丹波市版の8月3日号で、 市島町の川裾祭りでUFOらしき飛行物体を見たという目撃談が多く寄せられた、 と報じた。 結果的には、 近くの会社に勤務する男性が、 打ち上げ花火を空撮するべく、 カメラを搭載したラジコンヘリを飛ばし、 そのランプの点滅だったことがわかった。
無料動画投稿サイト 「You Tube」 で、 UFOから見た、 今年の市島川裾祭りの打ち上げ花火が公開されている。 「うーん、 空から見ると丸い?平べったい?」。 そんなことはどちらでもいいと感じるほど、 真夏の夜を美しく彩っていたことに違いなかった。(田畑知也)
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2014年8月10日09:09
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バスケットボール氷上男子が近畿3位 惜...
近畿中学総体バスケットボール競技が8月7、 8の両日、 グリーンアリーナ神戸 (神戸市) であり、 氷上男子 (兵庫2位) は、 準決勝で長瀬 (大阪1位) に敗れ3位。 全国大会出場決定戦でもライバルの魚崎 (兵庫1位) に敗れ、 丹波地域勢として史上2度目、 4年ぶりの全国出場をあと一歩のところで逃した。 同競技の3位は、 男女を通じ、 同中男子が優勝した2010年の成績に次ぐ史上2番目の好成績。
12校が出場。 4ブロックに分かれ、 各1位のみ4校が決勝トーナメントに進む。 氷上は、 大枝 (京都1位)、 八木 (奈良2位) とのAブロック。
氷上は、 八木を大差で退け、 昨年の近畿総体覇者の大枝と対戦。 第3ピリオドを終わって46―49と3点を追う展開。 終了間際、 残り3秒で藤井楓主将 (3年) が値千金の勝ち越しシュートを決め、 逆転で丹波地域勢として2度目の決勝トーナメントに進んだ。
準決勝は第4ピリオドで一時逆転するも、 7点差で敗れ3位が確定した。
3つ目の全国枠をかけ、 先月の県総体、 昨年の新人戦で苦杯をなめた魚崎と対戦。 氷上のパスコースを読んで攻め、 組織的に守る魚崎に劣勢に立たされるも、 第2ピリオドに追い上げた。 14―22から、 中村大輝君 (同) の3点シュートを口火に、 樋口幸輝君 (同)、 中村君、 近藤諒君 (同) のシュートで25―24と逆転。 その後、 巻き返され、 2ゴールを追って前半を終了した。 第3ピリオドも互角に戦い、 第4ピリオドで勝負に出たところを魚崎に攻め立てられ、 立て続けに失点。 一時は46―65と大きく水を開けられた。 あきらめない氷上は中村君と近藤君が3本連続3点シュートを決め55―67と追い上げたが及ばず、 選手は悔し涙にくれた。
準決勝で藤井主将と山田康介君 (同) が、 決定戦でも藤井主将が5ファウルで退場する激戦。 氷上は、 坂上浩輔君 (同)、 板谷慶人君 (同)、 足立龍司君 (2年) が途中出場し、 起用に応えようと懸命にプレーした。
近畿大会優勝、 全国大会出場をチームの目標に掲げていた。 藤井主将は、 「最後までコートに立っていたかった。 みんな調子が良く、 勝って全国へ行きたかった」 と言葉を絞り出した。
坂上君は、 「自分ができることを一生懸命やろうと思ってがんばったが、 思った通りはできなかった」 と言い、 3年生で唯一、 中学校からバスケットボールを始めた板谷君は、 「氷上中は強いと聞いて入部した。 まわりがうまく、 自分も引き上げてもらった。 みんなでがんばって決勝トーナメントに残れたのは良かったが、 全国に行きたかった」 と悔しがった。
顧問の足立宗之教諭は、 「選手はよく走った。 すがすがしいプレーで最後までがんばった。 近畿3位に胸をはってほしい」 と健闘を讃えた。
結果は次のとおり。
▽準決勝=氷上50 (7―15、 12―13、 16―12、 15―17) 57長瀬
▽全国大会出場決定戦=氷上55 (9―20、 19―12、 12―14、 15―23) 69魚崎
▽予選リーグ=氷上87 (28―6、 26―10、 18―14、 15―18) 48八木、 氷上69 (18―17、 10―14、 18―18、 23―18) 67大枝
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2014年8月10日09:05
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第391問
丹波市、 篠山市を舞台にした内田康夫作のミステリー小説が発売されました。 主人公は?
1.浅見光彦
2.金田一耕助
3.十津川警部
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2014年8月10日09:02
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山登り実技講習会
山登り実技講習会が8月31日、開かれる。午前8時、四季の森生涯学習センター (篠山市網掛) 駐車場に集合する。
ルートは火打岩登山口―御嶽 (約793メートル) ―おおたわ―火打岩登山口。 山登りの装備、 歩行技術、 水分補給、 食事のとるタイミングなど、 登山の基礎を登りながら学ぶ。 昼食、 水筒、 雨具を持参すること。 雨天中止。
申し込みは20日までに、 主催の 「山の会ささやま」 西嶋喜好さん (電話・ファクス079・556・2074)。
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2014年8月10日09:01
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「かみさま との やくそく」 自主上映会
胎内記憶をテーマにした映画「かみさま との やくそく」 が8月23日、 篠山市民センターで上映される。
午前10時と午後7時の2回。 前売り800円、 中学生500円、 小学生以下無料。 当日は1000円。 親子鑑賞優先席あり。 SHARE (向井代表080・5463・7207)、 篠山映画愛好会の主催。
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2014年8月10日09:00
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大山の歴史見直そう 来年フォーラム開催...
かつて京都・東寺 (とうじ) の荘園だった篠山市大山地区の当時の様子などが記された古文書 「東寺百合文書」 がこのほど、 「ユネスコ記憶遺産」 に推薦された。 来年夏ごろまでの登録が確実視されている。 これを機会に大山地区では、 荘園を起源とした地域の歴史文化を再認識し、 まちづくりにつなげていこうと来年11月15日、 大山小学校周辺を会場に 「荘園文化フォーラム」 を開催することを決めた。 5日には、 同小で初めての実行委員会を開き、 フォーラム開催の趣旨や目的、 内容などを話し合い、 意思の統一を図った。
写真・来年11月開催の 「荘園文化フォーラム」 について協議する実行委員会のメンバー=篠山市大山新で
大山地区は845年 (承和12年) 9月に真言宗の総本山、 東寺の荘園 「大山荘 (おおやまのしょう)」 となった。 平成の初めまで行われたほ場整備事業によって、 大山荘の面影は薄れたものの、 同事業と関連して行われた文化財調査によって文書と現地の正確性を裏付ける多くの発見があった。 地区内に残るため池や田畑、 遺構などから、 古代から中世にかけての歴史が明らかにできる全国でも貴重な地域という。
「東寺百合文書」 は、 8世紀から18世紀までの約1000年間にわたる、 約2万5000通に及ぶ古文書群。 日本の仏教史、 寺院史などに関する貴重な文献がまとまっている史料として1997年に国宝に指定された。 東寺文書には、 9世紀から16世紀初頭までの大山荘に関する文書が約600点残されているという。
実行委には、 地域の民話や伝承を掘り起こして発表している 「大山昔ばなしの会」 や大山郷づくり協議会、 自治会長会などの代表17人が出席。 実行委員長に酒井隆明篠山市長を選任したほか、 フォーラムの素案や準備スケジュールについて話し合った。
フォーラムは、 200―300人の参加規模とし、 東寺文書と大山荘をテーマとした基調講演や、 大山の伝統芸能の発表のほか、 東寺が荘園を開いた他地域の自治体と連携して歴史文化を生かしたまちづくりの事例発表や郷土の伝統食体験などを計画。 来年春には大山荘跡をめぐるウオーキングイベントを行うことなどを決めた。
委員からは 「フォーラム自体は1日で終わるが、 準備を進めていくなかで、 地域の歴史文化を広く紹介できるように取り組み、 ふるさとを見直してもらういい機会にしたい」 「地域の人にどうやって関心を持ってもらえるようにするかが最大の課題」 などと意見が出た。 次回の実行委員会は来月予定している。
篠山市内では、 大山荘のほかに、 荘園として近衛家領 「宮田荘」、 東大寺領 「後川荘」、 京都祇園社領 「波々伯部保」 が確認されている。
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2014年8月10日09:00
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T字形の石室発見 県内5例目、最古級 ...
兵庫県教育委員会は8月7日、 発掘調査を進めていた丹波市春日町山田の 「山田大山古墳群」 で、 朝鮮半島の影響を残す横穴式石室を持った古墳が見つかったと発表した。 県内最古級の横穴式石室と考えられ、 発掘調査に当たった県まちづくり技術センターによると、 横穴式石室の導入期の様相を明らかにする上で貴重な資料になるという。
写真・県内では5例目となる「T字形」の横穴式石室を持つ「山田大山5号墳」=春日町山田で
同古墳群は、 これまで1―4号墳の4基が確認されていたが、 本格的な調査は行われていなかった。 砂防堰堤工事に伴い、 堰堤が築かれる位置にあった 「2号墳」 を、 6月下旬ごろから同センターが調査。 発掘を進める中で、 2号墳の北側に新たに円墳があることがわかり、 「5号墳」 と名付けて調査を進めていた。
同センターによると、 5号墳の墳丘は直径約8メートル、 周濠を含めると直径11メートルほど。 石室は幅2・8メートル、 長さ約1・3メートル、 高さ1・2メートルで、 石室内と外部をつなぐ通路 「羨道 (せんどう)」 の幅は60センチ、 長さ1・3メートル。
築造時期は6世紀初めごろで、 横穴式石室古墳の中では、 市内で最も古いと考えられていた 「多利向山C―2号墳」 (同町多利) よりも古いという。 渡来系の人によって築造されたと考えられる 「T字形」の横穴式石室をしており、 同形状の石室が確認されたのは県内5例目。 石室内からは副葬品とみられる 「坏 (つき)」 と呼ばれる、 直径12・5センチの須恵器を含む7点のほか、 滑石 (かっせき) 製の臼玉も出土した。
同センターは 「現在の春日町を領有・管理していた春部 (かすかべ) 氏は、 渡来系氏族とつながりが深いと考えられる和邇 (わに) 氏の一氏族。 山田古墳群や多利向山古墳群に見られる特異な石室の存在から、 この地域と渡来系氏族の関係は古墳時代までさかのぼる可能性がある。 また、 5号墳は石室の石の積み方が技術的に未熟で、 横穴式石室の導入期を知る上で貴重」 と話している。
10日午前10時から、 発掘調査現場で説明会が行われる。 同古墳群調査事務所 (0795・74・3846)。