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2016年3月20日08:40
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介護士養成校を構想 今月末閉校の篠山産...
学校法人兵庫医科大学(西宮市)が、今月末に閉校する篠山産業高校丹南校(篠山市南矢代)に介護福祉士を養成する全寮制の専門学校(2年)を設立する構想があることが18日までに分かった。ベトナム・ホーチミン市の介護士養成校3校と姉妹校提携し、学生を受け入れる方針。同法人によると、外国人を対象に長期間養成する専門学校は県内初だという。
計画によると、定員は1クラス40人、計80人。校内に寮を構え、ベトナムから学生を募集する。昨今、訪問介護で調理をする機会が多くなるなど、女性のニーズが高いため、女性のみの募集にする。また、地元の高校の卒業者も対象にする。
低賃金や高齢者増加で、全国的に介護福祉士の人材不足が課題。篠山市内でも同様の状況が続いているなか、同法人は外国人を積極的に受け入れ、介護福祉士の人材確保を目指す。また、介護福祉士が必要な事業を展開する同法人内での活用も進める。
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2016年3月20日08:40
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求人倍率1・48倍(1月)...
柏原公共職業安定所がまとめた1月の有効求人倍率は1・48倍だった。同安定所の2004年度からの月別の同倍率の記録によると、最高の高率。全国平均の1・28倍(1月)と比べても0・2ポイント上回り、同安定所によると、「これだけ全国平均を上回るのは近年にない」という。同倍率は求職者1人に対する求人件数。
1月に寄せられた新規求人は1057人。09年度からの記録では1000人を超えたことはなかった。
新規求人のうち丹波市役所の非常勤職員の求人が1割強あったことも新規求人数を押し上げた要因だが、製造業が前月比で85人の増、卸小売業も同30人の増となったことが新規求人数の増加につながった。
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2016年3月19日13:52
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ミツマタ群落見頃に 斜面埋める黄色の花...
写真・見ごろを迎えたミツマタの群落=青垣町で
丹波市内の山中で、春の訪れを告げるミツマタ(ジンチョウゲ科)の花が見頃を迎えている。鮮やかな黄色をした小さな花が密集し蜂の巣のような形で咲いている。
青垣町大名草から朝来市生野町へ抜ける国道429号青垣峠に、スギ林の斜面を覆い尽くす大きな群落があり、写真愛好家が撮影に訪れている。
皮は紙幣など、和紙材料になるが、採取されることもなく、静かに咲き、徐々に白く色あせていく。
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2016年3月19日13:49
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喫茶「木もれ陽」
プチ生菓子いかが
今年で22年目を迎える、地元の常連客が多いアットホームな喫茶店。今月から篠山産の素材を使った、かわいらしいデザインの「プチ生菓子」(200―250円)の販売を始めた。さつまいもやかぼちゃ、黒豆のプチタルトのほか、マスカルポーネやイチゴ、チョコレートなどのプチケ
ーキ類、キャラメルムースやマーブルムース、自家栽培のブルーベリーを使ったムースなど常時15種類を用意。テイクアウトも可能。これらが食べ放題の「デザートバイキング」は980円とお得。
軽食やモーニングも提供しており、2年ほど休んでいた人気のランチも復活させた。
篠山市東吹391-1
TEL/079・594・3909
営 業/10:00―18:00
定休日/3月までは月曜、4月からは火曜
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2016年3月17日10:48
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表情豊かなかかし40体 ひな祭りイベント...
写真・約40体のかかしの展示準備を行う住民ら=篠山市市野々の澤山家長屋門で
3月19―27日、篠山市内8会場で行われる「丹波篠山ひなまつり」の会場の一つ、大芋地区の市野々自治会(村山紳一会長)は、まつりを盛り上げるため、昨年から展示を始めたかかしの出展数を今年は昨年の倍の40体にし、まつりの期間中、集落じゅうに配置する。
子どものかかし約20体を追加した。針金で骨組みを作り、新聞紙で肉付けし、服やエプロンなどの衣装を着せた。顔は布で作り、表情豊かに仕上げている。
ひな飾りの展示は、2月に景観重要建造物に指定された澤山家長屋門、用水路を使ったミニ水力発電の水車、原田家、市野々自治会館の4カ所で行う。
このほか、19―21日の間、オープニングイベントを行い、来場客をもてなす。19日午前11時半から住民や住民の仲間が三線、ちんどん太鼓、アコーディオンを演奏。19―21日、住民手作りの市のほか、ぜんざい、かやくごはん、カフェ、惣菜などを販売する。
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2016年3月17日10:45
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「3・11 いのり」キャンドル並べ黙とう...
丹波地域を会場に福島県から子どもたちを招いて保養キャンプを開催している「どろんこ☆キャラバン」(高橋典子代表)が、東日本大震災から丸5年を迎えた11日、丹波の森公苑で追悼キャンドルナイトを開いた。
同団体のメンバーら6人が、キャンドル100個以上で「3・11 いのり」と文字をつづり、火を灯した=写真。全員で黙とうを捧げたあと、高橋代表が、東日本大震災以降、福島の現状に対する思いを綴っている詩人・関久雄さんの詩を朗読。原発事故による放射能汚染に悩まされる被災地に思いをはせた。
高橋代表は、「保養キャンプなど支援活動を続けていくことが、被災者へのメッセージになる」と話していた。
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2016年3月17日10:45
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「意春祭」に参拝の列 遺徳を偲んで 氷...
写真・意春坊の墓に手を合わせる参拝者=氷上町市辺で
村の恩人の遺徳を偲ぶ「意春祭」が3月13日、氷上町市辺地区で催され、多くの参拝者で賑わった。意春坊の墓の前では、読経が流れるなか、お参りの列が続き、意春坊の功績を歌に託した「意春坊燦燦」の歌声が響いた。
今から約400年前、豊臣秀吉に攻められて三木城が落城。戦火を逃れた意春坊が、市辺の里で一夜の宿を求めて以来住みつき、加古川の度重なる氾濫に困り果てていた村人を助け、堤防の修復や護岸工事、道路工事などを、領主の別所吉治の援助を得て取り組んだ。村の平穏を願って亡くなった江戸時代の寛永19年(1642)2月5日(旧暦)を命日としており、今は3月の第2日曜に祭りを行っている。
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2016年3月17日10:44
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NHKスペシャル「原発メルトダウン」
NHKスペシャル「原発メルトダウン」(3月13日放送)は、福島第1原発の事故発生後88時間の様子を、吉田昌郎所長(当時)の政府事故調査委員会での調書をもとにドラマ仕立てで再現した。〝日本破滅〟のぎりぎりのところまで危機が迫っていたことに改めて戦慄させられた。▼最も印象に残ったのは、部下達の対応。全交流電源がストップして冷却装置を操作出来なくなり、ベント(格納容器内の放射能を含む気体を排出し圧力を下げる)作業のため汚染された建屋内に突入しなければならない。他にもこんな事態に何度も直面するたびに、何人もが次々に挙手をした。▼官邸や本社からの「海水注入中止」の指令にも抗して現場の判断で注入し続けた吉田氏の気骨、また日ごろからの部下思いの人柄が、危急の時にこそ彼らの心を捉えていた。▼一方では蒸気爆発、放射能の急上昇など、底知れぬ恐怖と混乱が続く中、先が一向に見えて来ないことへのいら立ちや疲れからか、「ヨシダー!」と呼び捨てる怒声の実録音が迫真に迫る。吉田氏自身、格納容器破壊を覚悟し、「あとは神に祈るしかない」と思った。▼人類未体験の修羅場をともかくも乗り切った彼はその後も8カ月間、指揮をとり続け、癌に倒れた。彼が所長のポストにいたのは、まさに〝不幸中の僥倖〟だった。(E)
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2016年3月17日10:43
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足立宏之氏訃報
足立宏之氏(あだち・ひろゆき=元青垣町公民館長、元一般財団法人神楽自治振興会長)3月8日午後9時14分、病気のため丹波市内の施設で死去、78歳。自宅は丹波市青垣町大名草611。葬儀は10日、おこなわれた。喪主は長男、理(おさむ)氏。
青垣町公民館で長く勤務。「生涯学習のまち青垣」を掲げ、今も続く「もみじマラソン」、若手日本画家の登竜門となった全国公募の「青垣2001年日本画展」、丹波布の技術を伝える「丹波布伝承館」を発案するなど、まちづくりに足跡を残した。また、神楽小学校区、青垣町大名草自治会のNPO化をはかり、都市住民との交流、移住を促す仕掛けをつくるなど、先進的な取り組みをした。
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2016年3月17日10:43
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愛犬の手術
愛犬のおなかに小豆大のしこりがあり、動物病院へ連れていくと、「腫瘍です。すぐに切除したほうがいいです」。頭が真っ白になった。
悪性か良性かは切除した後に病理検査を行うことになった。ただ乳腺に沿って数カ所にできており、転移した可能性もあるとのこと。放射線治療や抗がん剤治療もあると説明を受け、ぼんやりと「人間と変わらんな」と思った。
手術後、お見舞いに行くと、おなかに大きな縫い傷ができ、手には点滴の管をつけた愛犬がいた。幾分、ぐったりしていたのに、私の姿を見ると「連れて帰ってくれ」とばかりに鳴いたので、こちらまで泣きそうになった。
病理検査の結果は、まさかの良性。腫瘍ができやすい体質らしい。抜糸もしてもらい、全速力で駆けまわる姿を見て、ようやく力が抜けた。
いつもそうだが健康でなくなってようやく健康の大切さを知る。普段から健康であるよう心掛けたいと、愛犬ともども思った。
ちなみに手術の請求書を見て、また頭が真っ白になった。適正な価格だが、犬の保険に入っておくべきだったと後悔した。(森田靖久)
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2016年3月17日10:43
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面白がったら凹んで、挙句イライラされた
「ご無沙汰です。Mですがお元気ですか?」とメールが着た。誰?「元気ですが、どちらのM様ですか?」と聞くと、なんと大学時代のバイト先の後輩。皆仲良く、バイト後で飲みに行ったり、休みの日にはバーベキューをしたりと賑やかにつるんでいた。その中で高校生だった彼からのメールだった。
思い出すのは大人しく皆について回る優しい感じの子で、時々先輩風吹かして相談に乗ったりもしていたが、なぜ今頃?「ふとIさん(旧姓)を思い出して」だって?!旧姓の響きと若かりし頃がオーバーラップし、そういえばこんなドキドキ感、久しく無かったぞぉ~と思いつつ「私は結婚し2人の子持ちオバちゃんになり、丹波で田舎暮らしています」と返信。すると「僕もおっちゃんになりました」と。そりゃそうやとメールに突っ込む。すると「悲しい事があり、Iさんを思い出しました。彼女と別れて」オイオイ母ちゃんはアカンでと面白半分でメールに突っ込む。で、よくよく聞くと、婚約した彼女と、結果お互い好きだけど別れた。たまたまバイト先でよく行っていた店に行き、思い出してメールしたと。
その理由がかなり重すぎて、さすがに真面目に返信し、不謹慎に面白がった事に凹んだ。その話を父ちゃんに言うと「子持ちのオバサンはどうもならんよ」って。ふんっ、その癖あんた機嫌が悪かったよ。それってヤキモチなんちゃうんか~いと、否定する父ちゃんに笑って突っ込みを入れた。
(古谷暁子・ブルーベリー農家)
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2016年3月17日10:42
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搾りたて販売日本酒バーも 3月19・20日...
西山酒造場(丹波市市島町中竹田、0795・86・0331)が3月19、20の両日、同酒造場でしぼりたての大吟醸無濾過生原酒「壺中楽(こちゅうらく)」などの直売イベントを開く。ともに午前10時から。
「壺中楽」(720㍉㍑3000円)は、まろやかな味わいが楽しめる一品。同酒造場が昨年、大阪市にオープンさせた日本酒バー「小鼓御里(こつづみおんり)」もブースを出す。
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2016年3月17日10:41
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改装3周年祝い限定商品販売も 3月18―2...
「夢の里やながわ」(丹波市春日町野上野、0795・74・0123)で3月18―21日、本店のリニューアル3周年を祝うイベント「感謝とふれあいのライブステージ」が開かれる。4日間限定の商品販売や、音楽コンサートもある。4日間いずれも午前10時から。
季節限定商品で、今季は販売が終了している人気商品「和のモンブラン」を4日間限定で販売する。丹波栗の特定品種のペーストを使った商品で、通常より安い1080円(税込、数量限定)で販売する。丹波大納言小豆を使った「ぜんざい」の振る舞いもある。
野上野自治会を株主とする会社「ゆめの樹 野上野」も出店。20日午後1時から、ソプラノ歌手・大槻朱里さんと音楽療法士・義積美由紀さんによる音楽コンサートも開かれる。
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2016年3月17日10:41
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今年も大阪プロレス たんば田園交響ホー...
元祖ナニワのバトルエンターテイメント「大阪プロレス」(主催・大阪プロレス株式会社)の篠山興行が20日午後4時から、たんば田園交響ホール(北新町)で開かれる。「デカンショ街道をゆく!2016篠山大会」と銘打ち、大技あり、笑いあり、感動ありのリング。昨年初めて行われた篠山興行は大盛況で、今年は同ホール初めての格闘技イベントとして会場を沸かせる。
大阪プロレスは、本格的なプロレス技のほか、所属レスラーが「えべっさん」や「くいしんぼう仮面」などナニワカラーを前面に押し出しており、コメディー色満載で、老若男女が楽しめる内容。
昨年3月、篠山総合スポーツセンターで行われた興行は、700人以上が観戦し、好評を博しており、「今年も篠山に元気を」と2回目の興行を行うことになった。
初戦はタッグマッチで、くいしんぼう仮面&タイガースマスク2世対アルティメット・スパイダーJr.&岩本煌史。2戦目は女子シングルマッチで、下野佐和子対長浜浩江を行う。3戦目は3WAYマッチで、えべっさん対白くま対ハイビスカスみぃ。4戦目は、ゴールデンドラゴン対タコヤキーダー。6人タッグマッチでフィナーレを飾り、タダスケ&マグニチュード岸和田&Gamma対ツバサ&串カツおやじ&キャラメルボーイの顔ぶれとなる。
篠山でのPR活動に取り組んでいる篠山営業担当の石田肇さん(63)=栗柄=は、「昨年見てもらった人からは、『おもしろかった』と好評をいただいた。プロレスは怖いイメージがあるが、大阪プロレスは笑える内容。ぜひ一度見に来てほしい」と話している。
午後3時15分開場。ステージ席6000円。A席5000円、B席4000円、C席3000円。中高生C席1000円、小学生C席500円。(すべて当日500円アップ)。障がい者、シニア世代の人は各種1000円割引く。
チケットは、チケットぴあやローソンチケットで販売中。チケット購入や問い合わせなどは、大阪プロレス(070・6925・8692)。
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2016年3月17日10:40
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20周年記念し屋外イベント 3月20、21日、...
コモーレ丹波の森が20周年を記念して3月20、21の両日、「家族で体験!エンジョイパーク♪」と題したイベントを開く。
両日午前11時から野外ステージで、新作テントなどアウトドア商品の展示や、火おこし体験などが楽しめる。各日先着100人にテント生地で作った特製ミサンガがプレゼントされる。コミュニティFM「805たんば」のサテライト放送もある。
20日は午後1時半から野外ステージで福もちまきやダンスフェスタを実施。午後6時からはTSUTAYA裏の駐車場で天体観測を行う。温かいコーヒー、スープを用意している。21日は午後2時から野外ステージで、柏原高校ギター部のコンサートがある。
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2016年3月17日10:40
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〝生きがい〟を展示 絵手紙や織物など ...
元中学校教諭の小林和子さん(70)=篠山市沢田=、酒造早苗さん(69)=牛ケ瀬=、多波見和子さん(68)=宮田=の3人が、絵手紙やパッチワーク、押し花など趣味の作品を披露する「仲良し三人展」を3月26―28の3日間、四季の森生涯学習センター東館(網掛)で開く。3人は、「退職後の第二の人生を歩み始めるなかで、自分に合った生きがいを見つけて作ってきた作品を多くの方に見てもらいたいと企画した。これから退職される方々や生きがいを探している方に、こんな楽しみ方もあるんだと感じてもらえたら」と話し、来場を呼び掛けている。
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2016年3月13日08:23
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仏文学サロン継続 サガンにスポット 黎...
たんば黎明館内(柏原町柏原)のフレンチレストラン「ル・クロ丹波邸」で月1回開かれている女性対象の「フランス文学サロン」が、4月以降も継続して開催されることになり、参加者を募っている。
同サロンは昨年9月にスタート。当初は今年3月までの予定だったが、継続が決まった。
講師は、パリ第7大学修士で大阪府立大学非常勤講師の西岡杏奈さん。西岡さんが専門的に研究している女性作家、フランソワーズ・サガンにスポットを当て、さまざまなテーマで作品にふれる。原文の朗読や、参加者による意見交換もある。
参加費は1回1800円(オリジナルワンドリンク付)。1回のみの参加も可。問い合わせと申し込みは柏原町柏原の「ジル・ポティエ ジャポン」(池畑美帆社長、0795・72・1600、salon@gillespothie
r.jp)。3月以降の日程は次の通り。いずれも日曜日、午後1時半―3時。
▽3月27日、4月24日、5月22日、6月26日、7月24日、9月25日
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2016年3月13日08:23
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志
井上秀夫婦と親交のあった春日町出身の荻野俊隆について過日、記事にした。鳳鳴義塾(篠山鳳鳴高校)を明治31年に卒業し、19歳で渡米。スタンフォ
ード大学に留学し、アメリカの鉄道会社に勤務したという人物だ。阪鶴鉄道開通に尽くした田艇吉などから「日本という狭い国におらず、世界を見てこい」と勧められ、渡米したという。▼渡米する際、どんな将来構想を描いていたかはわからないが、心中には堅く期するものがあったろう。「志」という言葉を思う。「男児志を立てて郷関を出づ、学ならずんば死すとも還らじ」という、若者の心意気を示した言葉もある。今では耳にしないが、明治の青少年の間では普通に語られていたに違いない。▼優秀な人材を多く育てた鳳鳴義塾。荻野の先輩や同級生には、生涯の友となった元柏原町長の土田文次や元国領村長の上田確郎らがいた。今もその名を残す人物たちと学生時代、熱く語り合い、志を磨いたことだろう。▼教育者の東井義雄はかつて、「中学校などの成績は、頭のよしあしの違いや学力の違いなどよりも『志』のあるなしが基本である」と書いた。しかし今、学校や家庭で志という言葉は語られているのだろうか。▼代わって「夢」が使われているかもしれないが、堅忍不抜を感じさせる点で「志」がまさる。(Y)
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2016年3月13日08:22
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循環型社会に脱皮を
「スイセンの花がはや咲いた」とか、「ツバメが来た」という言葉が聞かれるようになった。先日来の急激な暖かさの影響かと思いきや、寒さがぶり返し、あわてふためく。
先月、丹波市で開かれたリサイクルせっけん協会の関西地域セミナー。「琵琶湖の赤潮の原因になった合成洗剤を河川に流さない」という運動がリサイクル石けんづくりにつながり、全国各地や海外にも普及している。丹波市の旧春日町でスタートした運動も、「川に廃食油を流さない」を合言葉に、廃食油を使った石けんづくりを25年続ける。
石けんづくりをしている市のクリーンセンター内の工房にある日、幼児を連れた母親が訪れ、石けんのお礼を言って帰ったという。石けんづくりをしている循環型まちづくりをすすめる会の西山友子会長がセミナーのあいさつで、「このことが忘れられない」と紹介した。市内の新生児に体や環境に優しい石けんをプレゼントしており、そのお礼だったようだ。石けんづくりは、地道な作業だが、こうしたことが励みにもなっている。技術講習会を受講したメンバーは、「良い石けんを作らねばという気持ちになった」と話していた。
環境といえば、ポイ捨てがやまない。美化作業で大量のごみを集めた人たちは、「満足感と、なぜこんなにもごみが捨てられるのだろうかという不信感もわき、複雑な気持ち」と話していた。自然が芽吹く季節。大量消費、大量投棄から、使えるものは再利用するという、資源循環型社会に、1人ひとりの心がけで脱皮したいものである。「優しさを届ける願い春を呼ぶ」。(臼井 学)
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2016年3月13日08:22
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菜の花びより
丹波での句会の前日、関西在住の友人の案内で、東大阪市にある司馬遼太郎記念館に立ち寄った。今年は司馬氏が亡くなって丁度二十年。その忌日は著書「菜の花の沖」にちなんで「菜の花忌」と称され、俳句の季語にもなっている。
この日、降り立った近鉄八戸の里駅前には、プランターに植えられた菜の花が満開。この地の小中高校、自治体から会社などが、一年かけて育てた菜の花が記念館まで続いていて、とてもあたたかな気持ちになる。
司馬さんは一九二三年(大正十二年)、大阪生まれ、大阪外国語学校蒙古語部卒業。新聞記者をしつつ書きあげた「梟の城」で直木賞を受賞。西郷隆盛や坂本龍馬などを代表とする歴史の変革期を生き抜いた人を主人公とする小説や、日本の地方ならではの暮らしや民衆の気質などをたどるエッセイを数多く残し、一九九六年(平成十年)、七十三歳で亡くなった。
東大阪市小坂(旧布施市)の住宅地の司馬氏の住居に隣接して建てられた記念館は安藤忠雄氏の設計、二万冊の蔵書が壁を埋める展示室とホール、コーヒーの飲めるロビーなど、とてもいい雰囲気。周囲には氏の好んだ季節ごとの樹木が芽吹きの時を迎えている。執筆していた書斎も硝子戸越に見える。
戦争体験もある氏は、常に日本人とは何者なのか、この国は何処へ行こうとしているのかを問い続け、書き続けた。もう少し生きて、混迷の時代を導いて欲しかった。
司馬遼太郎氏の生地を誇りにする町の心意気にも触れ、菜の花びよりの一日だった。