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2016年5月19日09:05
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翡翠色の思い出
この季節に必ず思い出す風景がある。ザルに山盛り入ったエンドウを、祖母がパコッ♪シャーと指で押し広げると、翡翠色の艶々と並んだ豆がポコポコと顔を出す。横で一緒に座ってポリポリと豆を引っかき出しながら「今日も豆ごはん?嫌やなぁ~」と言う幼き母ちゃん。小学校の給食でグリンピースとむきエビの和え物が出た時なんて、逆流するのを堪えて飲み込み、残すのを許さない先生を心底憎んだ記憶がいまだ鮮明に甦る。
食べることにマメだった祖母は、小豆があればこし餡を作り、おはぎを近所に配って歩いていた。が、小さい頃の母ちゃんは、どうも餡子でさえも、あの微粒子が口に広がる感覚や、ましてや実エンドウの皮のザラリと残りながら青臭さまでも広がるのにはグエ~ッと気持ち悪かった。
ところが、ホント勝手なもので、丹波に来て、豆類の美味しさにはビックリ。粒餡も食べられるようになったうえ、この時期の豆ごはんは、もうオカズ要らず♪何よりも、子どもたちと一緒にペチャクチャお喋りしながら豆を剥いて、炊き上がった豆ごはんの土鍋の蓋を開けた瞬間のフォワ~と立ち上がる湯気の中で「美味しそーっ!」と、みんなで歓声を上げる喜び。そして一緒に食卓を囲みながら、少し塩気のあるご飯と共に口に広がる優しい、若い、甘い、幸せな春の味を堪能。それなのに、口いっぱいに頬張る笑顔を見ながら、やっぱり大嫌いだった豆ごはんの風景を思い出し、微妙な気分になるんだな~。
(古谷暁子・ブルーベリー農家)
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2016年5月19日09:05
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村の歴史、変貌を記述 自治会誌を発行 ...
柏原町南多田自治会(垣内孝之自治会長)が、同地区の歴史や現況などをまとめた本「ふるさと南多田風土記」を発行した(丹波新聞社印刷)。新しく移り住む人が増え、昨年3月現在で416世帯、人口は1784人。丹波市内の自治会でもっとも規模が大きく、半世紀の間に著しく変ぼうした同地区の歴史などを住民に知ってもらい、後世に伝えようと編集、発行した。
同地区は1891年(明治24年)で102戸・506人、1970年で143戸・577人だったのが、85年には416戸・1466人となり、人口が急増。少子化の波に洗われる地区が多い中、同地区は例外で、小学校児童数は微増の傾向にあり、昨年度は116人。9年前と比べて24人の増となっている。丹波警察署、木の根センター、丹波郵便局など公的施設も多い。
発行した同書によると、廃藩置県まで「多田村」と称していたが、明治12年に氷上郡がひとつの行政区となるなか、郡内に「多田」の地名が春日、氷上にもあったことから、混同を避けるために「南多田」になったという。
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2016年5月15日08:17
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パスカルの言葉
84年前のきょう5月15日、海軍青年将校の一団が犬養毅首相を射殺する五・一五事件が起きた。当時、ラジオはこの事件を臨時ニュースとして伝えたらしい。その報道に接した衝撃を、文筆家の相馬御風がエッセーにつづっている。▼「夢にも近い大不祥事件」「新日本における空前の大不祥事」などと五・一五事件を評した御風だが、御風に衝撃を与えたのは、事件そのものだけではなかった。臨時ニュースが終わるや、ラジオから女流講談が流れてきたのに唖然とした。▼「あの大事件のニュースが現実なのか、後で聞こえて来た女流講談、浪花節が現実なのか、何が何だか混沌たる心境」に陥ったと、御風は書いた。翌日の新聞も御風を驚かせた。もちろん五・一五事件を報じていたが、ちょうどその頃に来日した映画俳優、チャップリンを迎えたファンの熱狂ぶりも大きく報じていた。「満州事変や上海事変にも負けない程度」の扱いだったという。▼国を揺るがせた五・一五事件なのに、女流講談にチャップリン騒動。五・一五事件の5年後、日中戦争が勃発。やがて太平洋戦争に突入した。▼パスカルの言葉を思う。「われわれは絶望が見えないようにするために、何か目をさえぎるものを前方に置いた後、安心して絶望の方へ走っているのである」。今に通じる至言だ。(Y)
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2016年5月15日08:17
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第二十回田ステ女俳句ラリー
まさに風薫る五月八日(母の日)、丹波市柏原町で第二十回 田ステ女俳句ラリーが盛大に開催された。前日は雨のち曇りのどんよりした天気だったが、当日は不思議なほどカラリと晴れ上がり、若葉を揺らして吹く風のなんとも心地よい。
今回、私の所属している俳句結社「栴檀」の辻恵美子主宰が、丹波出身の俳人「細見綾子」について講演をすることになり、岐阜・愛知からも十三人の同人が前日から来丹。私は前々日が句会だったので、一足早く丹波入り。講演の演題は「細見綾子の人と作品~泥の好きなるつばめ~」。
まずは、青垣町芦田小学校の校歌にある「土の恵みの香の中に」という歌詞に触れてから、三十数年前に綾子に付いて初めて丹波へ来たときのエピソードから始まる。
細見綾子は明治四十年生まれ、東芦田出身、柏原女学校から日本女子大学へ進み、東京で許嫁と結婚、しかし二年で結核のために夫は亡くなる。丹波へ戻ってすぐ母親も亡くなり、さらに自分も肋膜炎から結核という闘病生活を余儀なくさせられる。たまたま主治医から俳句を勧められたことから、その師松瀬青々に師事。俳句の愉しさを知る。そんな綾子の生涯を俳句でたどり、分かりやすく解説。綾子の代表句でもある「つばめヽ泥の好きなる燕かな」には、綾子の丹波の土地への深い愛情が込められていることをあらためて教えられた。
田ステ女とともに、丹波をこよなく愛した細見綾子をぜひ丹波で顕彰していってほしいという結びの言葉に大きな拍手が湧いた。
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2016年5月15日08:12
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あうん社代表取締役 平野智照さん(丹波...
丹波市商工会員の本発行
関西を中心に出版の企画、編集などを行っている会社「あうん社」を営む。先ごろ、丹波市商工会会員ら24人の原稿を集めた本『おぉ、丹波よ!TAMBA』を発行した。足跡や考え、事業内容など、思い思いのテーマでつづった原稿を1冊にまとめた。「丹波に関して観光ガイドのたぐいはたくさん出ているけれど、人に焦点を当てた本は少ない。人を中心に据えることで、この地域の深みを伝えられると思った」という。
これまでに、『シャープを創った男―早川徳次伝』など自著を10数冊、企画編集本を数十冊発行。創業20年を迎えた一昨年、「新しい出発をしたい」と、「手のひらの宇宙BOOKs」というオリジナル企画を打ち出した。20数人の執筆者で1冊の本を出すというスタイル。学校でのいじめや、行き過ぎた部活動の指導などで我が子を亡くした全国各地の保護者らが思いや体験をつづった『問わずにはいられない』も、この企画のシリーズの1冊として編集・発行。マスコミに取り上げられるなど反響を呼んだ。『おぉ、丹波よ!』は、同企画の9冊目。
田舎暮らしにあこがれ、12年前、妻とともに西宮市から移り住んだ。「自然に即した丹波の生活が楽しく、何かに感動したとき、『おぉ、丹波よ』とつぶやいている。そのつぶやきを、本のタイトルにしました」という。
同企画で今、並行して4冊の編集を進めている。10年間で108冊を出すのが目標。「108は、私の煩悩の数です」と笑った。67歳。
『おぉ、丹波よ!』は、コモーレ丹波の森内の喜久屋書店で扱っており、アマゾンでも購入できる。1200円(税別)。
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2016年5月15日08:10
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成長うれしかった黒井城登山
ゴールデンウィーク、黒井城跡に登った。大人だと40分ほどで登れる低い山。去年は親子3人で、今年はママ友親子も一緒に5人でチャレンジした。
去年、3歳だった娘は8合目くらいだろうか、「赤門」まで登れた。初の山登りだったので、正直、すぐに引き返すことになるかもと予想していたが、小さくても、親が心配しているよりがんばれるんだということを教えてくれた。
4歳になった今年は、頂上まで自分の足で登れ、その成長がうれしかった。友人の子どもは3歳で、小さな女の子たちががんばって山道を歩いている姿を見ると元気をもらえた。
子どもたちは、トトロの歌を歌ったり、割れ目のある大きな石を見て「メロンパンみたい」と言ったり、松ボックリを「おみやげにする」と拾ったり、ほほ笑ましい姿をいっぱい見せてくれた。強風に吹き飛ばされそうになりながら頂上で飲んだ保温水筒のコーヒーも味わい深かった。
ゴールデンウィークは、地元の緑の中で遊ぶのが一番!と今年も思いを新たにした。(古西 純)
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2016年5月15日08:10
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第473問
ショッピングセンター「コモーレ丹波の森」の20周年を記念してこどもの日に開かれたのは?
1.バルーンアートまつり
2.ダンスフェスティバル
3.七五三ファッションショー
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2016年5月14日13:25
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1号トンネル貫通 県道篠山山南線バイパ...
写真・約1年2カ月で貫通し、丹波市側から光が差し込む1号トンネル=篠山市大山下で(丹波土木事務所提供)
道路改築中の県道篠山山南線バイパス「川代道路」(篠山市大山下)のうち、昨年2月から掘削工事を進めていた1号トンネルが9日、貫通した。今後、トンネル内の土砂を運び出し、コンクリートを吹き付け、トンネル出入口の「坑門」を整備するなどし、9月末の着工を目指す。
川代道路は1号(893㍍、)、2号(387㍍)、3号(115㍍)の3つのトンネルからなり、2018年度の完成を計画している。
1号トンネルは最も篠山寄りのトンネルで篠山側から掘り始めた。ダイナマイトで爆破した後、残り数㍍を機械で掘り出すと、直径約1㍍の穴から光が差し込んだ。
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2016年5月14日13:22
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カルガモ...
写真・田んぼのあぜで卵10個を抱卵するカルガモを見守る廣瀬さん=氷上町新郷で
氷上町新郷の田んぼのあぜでカルガモが抱卵しているのが見つかり、近所の住民たちがふ化を温かく見守っている。「親の後をついて歩く行列が見られたら」と、ふ化する日を心待ちにしている。16日まで愛鳥週間―。
発見は5月1日。廣瀬昭さん(74)が田ごしらえの準備であぜ草を刈っていたところ、黒い生き物が飛び出した。よく見るとカルガモで、飛び出した場所で10個の卵を温めていた。
ちょうど田んぼに出ていた近所の人たちも珍しがって集まって来て、みんなで見守ることに。外敵のカラスを見つけては追い払ったり、巣の周りに草を集めて巣を補強しやすくするなどし、無事抱卵を続けているか、毎日のようにようすをうかがっている。
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2016年5月14日13:20
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ギンラン群生、125本 篠山市味間の「音羽...
写真・可憐な花を咲かせるギンラン=篠山市味間新で
味間認定こども園おとわ園の裏山「音羽の森」で、ラン科の希少植物「ギンラン」が数多く咲いている。ヒノキとクヌギが林立する約20㌃の林の中で、125本もの可憐な白い花が褐色の林床を彩っている。ギンランの森を管理している味間地区まちづくり協議会の部会の一つ「音羽の森子育て広場」の「味間新ひょっこり会」(岡本末男会長、9人)のメンバーたちは、「昨年は50本程度だったのに、今年は倍以上咲いてくれた。世話をしてきた甲斐があった」と喜んでいる。
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2016年5月14日13:19
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クリンソウ見頃に 5月22日に観賞会 青...
丹波市最高峰、粟鹿峰(962㍍)の中腹(標高520㍍)に自生地があるクリンソウが見ごろを迎え=写真、地元の青垣町稲土自治会と神楽自治振興会が22日に観賞会を開く。広く参加者を募集している。
五輪塔などの最上段にある九輪にちなんで名づけられた花で、同自生地は2012年に発見された。濃い緑色の葉と紫がかった桃色をした花のコントラストが鮮やか。県レッドデータブックBランク。
午前10時に稲土(明号)の清流館を出発し、浄丸の滝などをながめながら約3㌔の林道をハイキング。現地で足立勲さんによる説明がある。正午に現地解散。
問い合わせは同自治振興会(0795・87・5808)。
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2016年5月14日13:17
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自転車工房「ハイランダー」
自転車への思い熱く
スポーツ(競技用)自転車のメンテナンスとチューンナップをメーンに手掛ける。“ママチャリ”など一般車のパンクの修理(前輪2500円)や販売も行っている。
一時期、自転車レースの実業団に籍を置き、プロレーサーを目指していた店主の村上大輔さん(27)。自転車への思いは熱く、「手足のように動かせるストレスのない自転車に仕上げること」をモットーに仕事にいそしんでいる。
タイヤチューブやレンチ、グローブなどサイクリング関連用品も取り揃えている。
「自転車好きが気軽に集える店づくりをしていきたい」。
篠山市古市161-5(「古市」交差点そば)
tel.080・8304・5151
営業時間/11:00―20:00
不定休
(不在の場合もあるので、来店前には必ず電話を)
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2016年5月12日10:34
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こぶにビックリ 14㎏大物・巨大コブダイ...
写真・14㌔ある巨大コブダイを釣り上げた門内さん=氷上町新郷で
氷上町新郷の釣り愛好家、門内茂夫さん(57)が5月8日、豊岡市竹野沖で体長約80㌢、14㌔もある巨大コブダイ(ベラ科)を釣り上げた。「地球を釣ったのかと思うぐらい重たかった。まさかこんな魚が釣れるとは」と目を白黒させている。
釣舟「海栄丸」でマダイをねらっていて、竿を上げたところ、円になるほどしなった。20分弱格闘、サクラ色をした魚体を水面に引き寄せた時にこぶが見え、「何じゃこれは」とびっくりしたという。
同行していた大木博之さん(74)=同=は「水族館にいるような魚。釣り歴30年以上だが、初めて見た。船頭さんも最近こんな大きいのは見たことがないと言っていた」と感心することしきり。門内さんは「頭のコブもアゴも軟らかい。どうやって食べようかな」と笑っていた。
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2016年5月12日10:33
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力もちの権八丼 「赤じゃが舎」が販売 ...
写真・販売を始めた、篠山まるごと丼「力もちの権八丼」=篠山市真南条上で
篠山市真南条上の農家レストラン「赤じゃが舎」が5日から、篠山のご当地グルメ「篠山まるごと丼」の販売を始めた。地元の民話から「力もちの権八丼」と名付け、もちを入れたり、ごはんを大盛りにし、ボリュームたっぷりの丼に仕上げた。
農事組合法人「真南条営農組合」女性部が運営。同組合の特別栽培米のコシヒカリに、地元の猟師から仕入れた猪肉の時雨煮、大根力餅、ゴボウ、ニンジン、タマネギを入れ、特産「赤じゃが」の素揚げの細切りをトッピングした。
地元の黒豆みそを使った、赤じゃがの団子入りのみそ汁、和え物、香の物、季節のデザートが付いている。地元色を出すため、丼の器は丹波焼を使っている。
1100円。木、金、土曜のみ営業。午前11時―午後3時半(ランチの注文は2時まで)。同店(080・3478・0046、営業時間のみ)。
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2016年5月12日10:31
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佐々木良作
御母衣ダムの湖底に沈む運命だったのを2百㍍上の川岸まで引き上げられた樹齢5百年の荘川桜(岐阜県高山市)。4月7日号本欄に書いたのを、下旬に金沢行きの途次、訪れた。▼繚乱と咲いていた。高速道を降り庄川沿いをうねうねと上った所。電源開発総裁だった高碕達之助氏が2つの寺で出会ったアズマヒガン2本が、添え木に支えられながらも、やや白目のボリュームある花びらを紺碧の川面にたなびかせている。標高7百㍍、「例年、青森の弘前城より1、2日遅いんです」と地元の人。▼しばらく付近をぶらついた後、ダム正面に電源開発が作った記念館を訪ね、記録映画を観る。高碕氏のほか、難しい移植の相談を受けた神戸の“桜博士”笹部新太郎氏、豊橋の造園職人、丹羽政光氏らが写っていた。▼そしてもう1人、見覚えある顔は若き日の佐々木良作氏(後に民社党委員長、兵庫5区選出)。当時、電源開発の総務部長だった彼は、ダム建設反対の「死守会」員が気勢を上げる中野部落に入り込み、大演説をぶったり、どぶろくを飲みながら夜通し説得を続けた。▼曲折を経て妥協が成り、村人たちは郷里を捨てることになったが、佐々木氏とはダム完成後も長く交友が続いたという。「私の履歴書」(日経)に「水底の里も咲くらん花桜」と彼の句。荘川桜は丹波とも縁があったのだ。(E)
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2016年5月12日10:30
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髙橋善敬氏訃報
髙橋善敬氏(たかはし・ぜんけい=誓願寺・名誉住職)8日午前8時50分、肝不全のため、篠山市内の病院で死去、74歳。自宅は、篠山市魚屋町45。葬儀は11日におこなわれた。喪主は次男、新海(しんかい)氏(同寺住職)。
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2016年5月12日10:30
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大納言のブランド戦略
丹波大納言小豆のブランド戦略がまとまった。将来、作付面積400㌶、収量500㌧をめざす数値目標を掲げた。地元の人が誇りに思える農作物にという部分や、ぜんざいの街として誘客しようというソフト面を興味深く読んだ。
自分は、篠山市民が丹波黒大豆を、多可町民が山田錦を思うのと同じように丹波大納言小豆を「地域の誇り」と思っている。生産者ではないが、「最高級」として扱われていることは率直にうれしい。
「ぜんざいの街」は、出雲大社の参道のまちおこしを真似たものだが、産地だから真似ても許されるだろう。丹波栗と丹波大納言小豆を使った最高級栗ぜんざい、8日号6面「あの街この店」に掲載した「いくの」のコーヒーぜんざいのような和洋折衷ぜんざいもおいしい。沖縄の「ぜんざい」は、小豆の上にかき氷がかかっていて年中食べられている。
生産者や飲食、観光業者など直接携わる人以外、市民も一緒になり、楽しみ、盛り上げていけたらいいと思う。(足立智和)
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2016年5月12日10:29
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山の彼方の空遠く 幸い住むと…
山に入ることが楽しくて仕方がない。機会あるごとに諸先輩方に連れて行っていただく。篠山は多紀連山をはじめとした篠山盆地となっていて、どちらを向いても山が目に入るのがうれしい。四季折々に山は表情を変え、日々飽きることがない。時には霧の衣装を身にまとって神々しく朝陽に輝き、新緑豊かなこの時期には何色もの緑の連なりで楽しませてくれ、寒くなれば雪化粧がなんとも愛らしい。これほど美しいところに住んでいる我が身の幸運に驚き、この地と縁のあったことに感謝はつきない。
日進月歩の文化を足元に残し、昔から変わらずここに存在している山に入る。葉の柔らかな重なりが足に優しい。若い頃に遠い外国で登ったよそよそしい山とは違って、ここの山は全てがしっくりと肌になじむ。山の神様がそっと両手で包み込んでくれるようだ。
下を見ながら一心に歩を進める。一歩一歩慎重に足を置く。落ち葉は濡れると滑りやすい。川を横切るときも岩がぐらつかないか確認する。とっさにすがる木も枯れ木ではいけない、頼りなくすぐ折れてしまうから。下ばかり見ていてもいけない、頭上に木が覆い被さっている場合もある。知らずに頭を上げたらごつんである。だから帽子は欠かせない。石を踏み間違って転がしてもいけない。転がした石は凶器となり後から登る人を襲う。自分のため人のために細心の注意を払いながら進んでいく。
そして、幸福が「よく来たね」と微笑んでくれるのが頂上なのです。
(土性里花・グループPEN代表)
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2016年5月12日10:29
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被害者救済の相談会 B型肝炎ウイルス ...
幼少時の集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した被害者救済のための無料相談・説明会が、5月14日午後1時半から丹波の森公苑セミナー室で開かれる。主催は、全国B型肝炎訴訟大阪原告団・弁護団。兵庫医科大学ささやま医療センター副院長の下村壯治さんの講演もある。
幼少時の予防接種で同ウイルスに感染した被害者に50万円から3600万円までの給付金を支払う特別措置法が制定されたが、支給を受けるには裁判所を通じて国と和解する必要があり、そのための手続きなどについて弁護士が無料で相談に応じる。主催の同弁護団によると、丹波市には226人、篠山市には145人の被害者がいると推定され、計20人が和解しているという。
講演のタイトルは、「現代肝臓病とB型・C型肝炎の最新治療について」。
参加費無料で事前予約不要。問い合わせは豊中総合法律事務所(06・6857・3900)。
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2016年5月12日10:28
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初夏に丹波焼で涼 5月18日まで特設展示...
「昭和百景館ささやまや」(篠山市二階町)で、丹波焼を展示する「やきものまつり」と題した特設販売コーナーが開設されている。5月18日まで。
汗ばむ季節に入ることから、メーンテーマを「初夏の涼やかな食卓展」としており、丹波焼の5窯元がさまざまなテーブルコーディネートを提案展示しており、涼やかな色合いの陶器がテーブルを彩っている。
ほかに、お得なお楽しみ福袋(3000円)の販売や丹波焼出店窯元の協賛で10%オフになる特別割引も行っている。
同施設(079・552・5555)。