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2016年5月26日09:13
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今ここにある幸福
私たち夫婦の楽しみに「道の駅めぐり」がある。週末あちらこちらと気ままに車を走らせては、お気に入りの「道の駅」に、相も変わらず立ち寄って喜んでいる。
毎回ドライブ始まりで寄るのが、「道の駅あおがき」である。ここでは冬場だったら熱々のよく味が染みた、たっぷりの特製味噌だれ付きこんにゃく田楽(1本100円)を必ずいただく。これを楽しみにわざわざ小腹を空かせて行く。お味噌を塗りながら応対してくれる店のお母さんがこちらの顔を覚えているような、いないような絶妙な感じも好感が持てて気持ちいい。気温が上がってくると、こんにゃくはまた冬までのお楽しみとなるが、そのほかにも揚げごま団子や焼き餅、時々、薄皮饅頭ほとんど餡子(美味しい!)が、運が良ければ置いてある。季節の旬の野菜直売所もあり、かわいいちーたんクッキーなども売っていて、何度訪れてもうれし楽しな「道の駅」なのである。
そして、青垣方面に出ないときは、丹波市春日町にある「丹波おばあちゃんの里」に寄る。ここはトイレが広くて綺麗だし、地元の野菜や卵、お餅やお弁当にお寿司、焼きたてパン(フランスパンがカリッカリで香ばしくて、そのままでも美味しい!)やケーキ屋さんにジェラート屋さんまである。多種多様な品を見ているだけでも楽しい。その時の腹加減と気分に一番合ったドライブ中のおやつを購入する。
自然と美味しいものと夫。極上の3点セットなのであります。
(土性里花・グループPEN代表)
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2016年5月26日09:13
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丹波市音楽祭に24団体が出演 5月29日、...
丹波市音楽協会(植木確郎会長)が5月29日午後1時から、丹波の森公苑で「丹波市音楽祭」を開く。吹奏楽団、女声コーラス、少年少女合唱団、混声合唱団など24団体が出演する。
春日町黒井出身のソプラノ歌手、足立さつきさんが立ち上げたコーラスグループ「コーロ・ディ・マッジョ」が初参加する。入場無料。植木会長(0795・82・5226)。
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2016年5月26日09:09
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子育てママがブース出展 5月28日、丹波...
「子連れで働くママのチャレンジフェスタ ママチャレ2016」が5月28日午前10時―午後3時、丹波並木道中央公園(篠山市西古佐)で開かれる。子育て中の母親らによるハンドメード雑貨やオーガニックのパン、陶器、料理などのブースのほか、協賛企業が料理や木工体験、整体、体操などさまざまなブースを出す。入場無料。
抽選会もあり、こんだ薬師温泉ぬくもりの郷の招待券や、丹波焼、ハム、黒大豆などが当たる。
またステージでは、篠山鳳鳴高校吹奏楽部やシンセサイザー弾き語り、ご当地ヒーローのササグローなどが登場し、親子で楽しめる内容になっている。
赤ちゃんと一緒に教育現場などに出向いて体験授業をしたり、母親の意見を企業の商品開発などに生かしてもらうなどの活動を行っているNPO法人「ママの働き方応援隊」の阪神西校が主催。同公園(079・594・0990)。
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2016年5月22日09:08
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身分相応
公開中の映画「殿、利息でござる」の原作、『穀田屋十三郎』(『無私の日本人』所収)を読んだ。さびれた宿場町を救うため、藩に大金を貸し付けて利息を巻き上げるという難事業に挑んだ庶民たちを史実に基づいて描いた話だ。私財を投げ打つだけでなく、ひとつ間違えれば死罪になる。そんな決死の行動に臨む庶民の覚悟が活写されている。▼著者の磯田道史氏によると、江戸時代には「身分相応」の行動原理があったという。「身分に応じた振る舞いをせよ」という規範で、「武士が見事に腹を切るのも、庄屋が身を捨てて村人を守るのも、この身分相応の原理に従ったもの」と、同書にある。▼身を捨てて村人を守る庄屋。この史実は篠山にもあった。江戸初期のこと。干ばつのため餓死者も出るなか、秋に柿がたわわに実った。村人は柿で命をつないだが、藩は年貢の代わりに柿を納めるよう命じた。村人を救うため、二ノ坪村の庄屋、重兵衛らは京都所司代に訴え出た。▼その結果、柿年貢は取りやめになったが、重兵衛ら9人は死罪となった。「八上高城に於て磔付け」と史料にある。庄屋という身分に伴う使命を果たすため、身命を捧げた高潔さに敬服する。▼それに比して、為政者の身分に離反した知事のおぞましさ。「身分相応」が崩れた現代にため息が出る。(Y)
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2016年5月22日09:07
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校歌誕生史
田ステ女俳句ラリーのために来丹した辻恵美子先生と同人で、前日青垣町の綾子の故郷を訪ねた。まずは腹ごしらえと道の駅で昼食、おいしいお蕎麦と、丹波米の握り飯に「水も空気もいいからよねぇ」と一同感動。まずは綾子生家へ。親戚の方がきれいに掃除をして待っていて下さる。最近、電車で帰ることが多いので私も久しぶり。かなり老朽化しているが、昨年、綾子の縁者が一億円を丹波市へ寄付されたことから、修理して市が関わって保存されるとか。嬉しいことだ。
次に訪問したのは、綾子の母校である芦田小学校。土曜日なのに校長先生が待っていて下さる。「ここも来年は統合で廃校になるんですよ」の言葉に、思わず「えーっ、じゃあ綾子の作詞の校歌もですか?」と聞き返す。「公募で新しい校歌が出来たそうです。でも僕もここの校歌が出来た経緯を最近知って、とても残念なんですよ」と校長。
長く校歌がなかったこの学校のために、昭和四十一年二月に細見綾子の作詞による芦田小学校校歌ができた。当時の安井威彦校長による手書きの「校歌誕生史」を見せて下さる。その最後に「正しい美しい社会を作り上げる社会人としての力と素養を、小さい時よりからだ全身にしみこませ、すくすくと伸びていかんことを祈りて筆をおさめる。昭和四十一年三月三十一日」とある。安井氏は地元高座神社の宮司でもあられたとか。校歌の歌詞「土の恵みの香の中に健やかにこそ生い立ちて」と想いが重なり、なんと素晴らしい教育者がおられたものかと感動を新たにした。
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2016年5月22日09:06
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村山俊氏訃報
村山俊氏(むらやま・たかし=元氷上郡広域行政事務組合助役)19日午前7時34分、急性肺炎のため西脇市内の病院で死去、72歳。自宅は丹波市氷上町佐野428。葬儀は21日、おこなわれた。喪主は長男、俊宇(たかひろ)氏。
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2016年5月22日09:06
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村上完二氏が死去 地域の歴史発掘に尽力
元春日町商工会長の村上完二氏が5月17日午後10時12分、胃がんのため、丹波市内の病院で死去した。92歳。自宅は丹波市春日町黒井2088。葬儀は20日、おこなわれた。喪主は長男正樹氏(ムラカミコーポレ―ション社長・むらかみ呉服店主)。
春日町商工会理事、副会長を経て1983年から96年まで春日町商工会長、87年から96年まで兵庫県商工会連合会監事を務めたほか、郷土史家としても活躍した。丹波の歴史、とりわけ戦国時代の歴史に詳しく、春日町文化財審議委員長として、地域の歴史発掘、文化向上に尽力。「春日町の文化財」、「氷上郡の文化財」、「丹波戦国史」を共同執筆。黒井城跡の国指定、NHK大河ドラマ「春日局」の誘致などでは指導、助言を行うなど手腕を発揮した。
丹波市合併後は初代文化財保護審議会会長を務め、市の文化財保存、調査研究などに尽くした。黒井小学校や春日中学校歌も作詞した。黄授褒章や県ともしびの賞を受けている。
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2016年5月22日09:02
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恩師らと膝突き合わせ
先日、ささやま荘で開かれた篠山市退職校長会の総会のなかで講演をさせていただいた。演題は「篠山の生きものたち」。撮りためてきた動植物や風景の写真約130枚をプロジェクターで映写しながら解説を加えた。
パソコンとプロジェクターとの接続トラブルで、講演時間の半分近くをロスしてしまう事態に見舞われたが、事務局の方々のフォローにより、なんとか乗り切ることができた。元理科教諭や写真を趣味にされている方々からは特に興味を持って鑑賞していただけたようで何よりだった。
講演後は、膝を突き合わせての懇親会。学生時代の恩師をはじめ、仕事柄、取材を通して親交のある方などがちらほらとおられ、リラックスして食事を楽しめた。
まさか、恩師や校長だった皆さんとこのような席をご一緒できる日がやって来ようとは夢にも思わなかった。「人生、何が起こるかわからない」とはこのこと。
恩師と30年前の中学時代の話に花を咲かせていると、「私もええ歳になったのだなあ」としみじみ感じた。幸せなひと時だった。(太治庄三)
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2016年5月22日09:01
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第474問
春日町の婦木農場の若手兄弟が、新鮮野菜をある物に積んで販売して回っています。それは何?
1.軽トラック
2.リヤカー
3.キッチンカー
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2016年5月22日08:59
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日舞「藤有会」発表会 藤間勘有偲ぶ 5...
春日町黒井に拠点がある日本舞踊「藤有会」の発表会が、5月29日午前11時から春日文化ホールで開かれる。現会主の藤間有晃さんの母親で、前会主の勘有さんが一昨年に93歳で死去。37回目を数える今回の発表会は、「藤間勘有を偲ぶ会」と銘打って開く。
勘有さんが古希、喜寿のときに踊った「藤娘」「楠公」をビデオで上映。勘有さんが振り付けた「春日小唄」「柏原小唄」「市島音頭」「黒井おどり」「噫呼篠山城」を、それぞれの地元の郷土民踊保存会や藤間有郁社中が踊る。続いて古典舞踊、新舞踊の披露がある。
午後5時終了予定。入場料1000円。アルティ(春日町黒井)でチケットを販売している。藤有会(0795・74・0213)。
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2016年5月22日08:58
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篠山の人は濃い味が好き? 6月、調査結...
篠山市と兵庫医科大学、ささやま医療センターが2012年度から実施している「高齢化社会における健康増進と医療費・介護に関する追跡調査」が今年度で5年目を迎える。これまでの調査結果からは、篠山の人は塩味を好むことや、魚や野菜の摂取が少ない傾向が浮き彫りになっている。市健康課は、「生活習慣の乱れは認知症などのリスクを高めることにつながる。調査結果を知ってもらい、健康増進につなげてもらえれば」と呼びかけている。
40歳以上65歳未満の国民健康保険加入者のうち、丹南健康福祉センターでの特定健診受診者が対象。市民の健康増進や病気、介護の予防を考えることを目的とする調査には、昨年度末までの4年間に市民1636人(延べ3067人)が協力している。
昨年度の調査では、塩味の嗜好について、「濃い味付けが好き」や「麺類の汁を飲む」「おかずに醤油をかける」などの質問に、一つも該当しなかった人は男性で23%、女性で61%。一方、男性の約4割が2つ以上該当すると答えた。また、1日の推定塩分摂取量も、目標値が男性8㌘未満、女性7㌘未満のところ、男性の30%、女性の24%が10㌘以上となり、味の濃いものを好む人が一定数あることがうかがえた。
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2016年5月21日14:16
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趣味の店「MINEKO」
手作りの洋服と小物
大師の杜(丹波市氷上町絹山)近くの山手にあり、開店1周年を迎えた。氷上町香良出身の森本峰子さん(67)=豊中市=が手作りする婦人服と小物、雑貨を販売している。
作る服は主にチュニックで、価格帯は1000円―3000円。「買ってもらいやすいように」と、1000円―2000円程度の物が多い。生地は、吹田市のデパートで仕入れ、ミシンを踏む。「時代劇に出てくるような家」をイメージした店舗は、夫の手作り。
森本さんは「分かりにくい場所にあるけれど、低価格で既製品でない、オリジナルの洋服を見に来てもらえれば」と話している。
丹波市氷上町絹山字東山59-12栗林平
tel.080・2418・2475
営業時間/月・火・水曜の11:00~17:00
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2016年5月21日14:12
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“地産地消”ログハウス 10年来の構想事...
写真・丹波市産の木材を使ったログハウスのモデルハウスを作った上田紗也さん=柏原町柏原で
東洋製材所(上田棟次郎社長、柏原町柏原2918)が丹波市産の木材を使ったログハウス事業を展開することにし、敷地内でモデルハウスを展示している。10年ほど前に北海道のログハウスのホテルに泊まって以来、ログハウスのとりこになった上田社長の息子の紗也さん(41)が温めてきた事業。「木の良さを広めていきたい。モデルハウスに気軽にお越しください」と話している。
ログハウスにひかれた紗也さんは、ログハウスのカフェや店があれば「ついつい立ち寄ってしまう」ほど好きになり、8年ほど前に同町鴨野の自宅も同社で製材した木材をふんだんに使って建て、現在も増築を続けている。「木の香りは幸せを感じる。毎日、気持ち良く眠れます」とログハウスの魅力を語る。
柏原北交差点そばの見通しの良い場所に展示しているため、市内だけでなく、遠方からの問い合わせもあるという。紗也さんは「丸太小屋で過ごせば性格も丸くなりますよ」とにっこり。
モデルハウスの見学は自由。注文は3坪から。問い合わせは、上田紗也さん(090・1677・0438)。
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2016年5月21日14:05
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権利擁護のNPO理事長 前田公幸さん(...
「意思尊重する仕組みを」
丹波地域などで高齢者や障害のある人の金銭などを含めた権利を守る「権利擁護活動」に取り組むNPO法人「ウィズ・ユー」を設立。社会福祉士や弁護士、司法書士の仲間たちとともに、成年後見制度などを活用し、借金や家族の間での金銭問題、消費者詐欺などの解決に奔走する。
元篠山市職員。高校を出てすぐに入庁し、28歳から健康や福祉関係の部署へ。介護保険制度が導入される際にも担当職員として制度設計に携わった。
「あの頃は介護保険なんてわからなかったし、『福祉の心』もわからなかったですね。でも人の話を聞くことが負担ではなかった」
日々の業務や勉強を通し、少しずつ「支援」の奥深さに気づき始めた。介護、医療に始まり、困窮、虐待、相続―。さまざまな問題が身近な地域にある。そこに介入し、関わった人々が少しでも自立を目指して前向きになっていく姿を見られる仕事にやりがいを感じるようになった。
保健福祉部長を最後に退職し、現在は、篠山市社会福祉協議会の事務局長も務めながら、培った人脈を生かして法人を結成。「高齢者でも障がい者でも、その人の意思を尊重する」。それを反映させる仕組みづくりが、32年間、福祉に携わってたどり着いた答えの一つだった。
「自分でもなぜやっているのかわからないけれど、いろんな人と出会いがあって、一緒に一歩を踏み出すことが好きなんでしょうね」
市や社協の職員として、東日本大震災や熊本地震の支援活動にも自ら飛ぶ。現場に行かないとわからない感覚があり、それが次の支援につながると考える。61歳。
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2016年5月19日09:12
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観光の無料アプリ開発 日本遺産のまちP...
写真・タブレット端末に表示されるアプリのトップ画面。後ろにある案内板のマーカーを読み取ることで、さまざまな情報を見ることができる=篠山市呉服町で
篠山市日本遺産推進協議会が、市内の観光ツールにとスマートホンやタブレット用の無料アプリ「丹波篠山NAVI」を開発した。市内の文化財や見どころスポットなど約50件の位置や説明を案内するほか、現地に立つ案内板と連動することで関連する動画なども見られるシステム。市は、「市外から来られる観光客だけでなく、地元の人にも楽しんでもらえれば」と話している。
アプリには、スポットの説明が見られる「観光一覧」のほか、カメラ機能や位置情報機能と連動して、画面にデカンショ踊りを踊る人が現れたり、どの方向にどんなスポットがあるのかを表示するAR(拡張現実)システムを持たせてある。
案内板は現在、市内約40カ所に設置しており、今月中に50カ所設置する。案内板にあるマーカーをアプリで読み取ることで、ARシステムが起動し、説明と場所にちなんだ空撮や90年前の篠山の映像などを見ることができる。
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2016年5月19日09:10
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「花鳥の美」企画展示 襖絵や皿など春の...
写真・深田直城が描いた「桜に小禽図襖絵」=篠山市呉服町で
篠山市立歴史美術館(篠山市呉服町)で企画展「花鳥の美」(市教育委員会主催)が開かれている。美しい風景や自然を重んじる風流を「花と鳥」を用いて表現したさまざまな芸術作品を展示。襖絵や絵、皿などにあしらわれた花と鳥が作品の中からさわやかな春の彩りを伝えている。5月29日まで。
展示では、江戸から昭和にかけて制作された作品16点を展示。日本画家の深田直城が大正時代に制作した6面の襖絵「桜に小禽図襖絵」や、円山応挙の孫、応震が江戸時代に描いた「鶏に菊図」、13代酒井田柿右衛門の中皿など、ジャンルを超えて、さまざまな作品に「花鳥」が用いられる様子を紹介している。
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2016年5月19日09:09
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棚田沿い歩くノルディック
ノルディックウォーキングの愛好者でつくる「たんばエヌウォーカー倶楽部」が5月29日、山南町谷川の笛路地区で「棚田のある風景『笛路村』でノルディックウォーキング」と題したイベントを開く。
JR谷川駅前のJA丹波ひかみ久下店駐車場に同日午前9時45分に集合。同地区の棚田沿いを歩いたあと、地元有志による昼食を楽しむ。パンなどの販売もあるほか、近くの竹岡農園で無農薬野菜の収穫もできる。
参加費2500円(ランチ代込)、ポールレンタル料500円。野菜収穫は1000円。動きやすい服装で、飲み物やタオル、帽子などが必要。26日までに、同倶楽部の余田さん(090・2106・3988)。
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2016年5月19日09:08
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田ステ女俳句ラリー
柏原の町を吟行する田ステ女俳句ラリーが20回を数え、今年は例年以上の大勢の参加者でにぎわった。表彰式の後、黎明館で開かれた祝賀会では、余興で初夏の季語を数字に見立てたビンゴゲームの音頭を選者の木割大雄氏が取られ、季語が読み上げられるたびにその俳句が紹介されて大好評だった。▼選者の方々は挨拶で「20回もよく続いたもの」と異口同音に感心された。2回目から実行委員会に参加してきた筆者も同感。それは、地元の女性たちの献身的な働きと、全くの格安ギャラで毎年来て下さる選者のご厚意の賜物だ。▼また、コンパクトな距離に木の根橋があり、神社の緑があり、藩邸がありという具合に、柏原の町のサイズが2時間ばかり吟行するのにぴったりということも大きい。多くの参加者がリピーターになり、毎年同じ場所を飽きもせずに歩いて下さる。▼20年前から同じ顔触れのスタッフが働き、見ていて「さすが年月が経ったな」と思わぬでもないが、数年前から新たに若い人たちが加わってきびきびと動いてくださるのは大変ありがたい。▼選者の坪内稔典氏らによる、自筆242句を解説した「捨女句集」(和泉書院)も刊行され、捨女の名は一層広まるだろう。柏原から巣立っていく若い人たちが、「捨女の町」を誇りを持って語れるようにと願う。(E)
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2016年5月19日09:08
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「水泳10段」を取得 累積1550㌔泳ぐ 柏原...
柏原町柏原の善積陽子さん(65)が日本スイミングクラブ協会認定の最高段位「水泳10段」(称号・水泳名人)を取得した。善積さんが通っているピュアスポーツ柏原(PSK)で、これまで10段を取得したのは、全国大会でも活躍している丹南中学校2年生の井上真帆さんを含め3人目で、善積さんは最高齢での取得という。このほど同協会から盾が贈られ、「一つの区切りとしてうれしい。水泳を始めて体の調子も良く、健康になった。特に目標はないが、できるだけ長く続けたい」と喜んでいる。
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2016年5月19日09:05
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農家の“大人”
田植えの季節である。農家の両親を手伝うことはほとんどなかったが、三十路に入って、なんとなく申し訳なくなり、今年初めて自主的に田植えの手伝いを申し出た。
ほとんどの時間は慣れない草刈りを頼まれた。ひたすら腕を振るう中で、「刈る」より「剃る」に近いと気づく。土と草の根元すれすれに歯を入れて滑らしていく様は、髭剃りのように思えたのだ。刈ったはずのところに一本草が出ているのを見つけた時などは、剃り残しの髭のように思えていらいらする。
見かねた母がやってきて、「貸せ」。丁寧に、でも、スピードもある母の草刈りは職人だった。終盤には田植え機も扱ったが、まだまだ父の監督がなければできない始末。嫉妬すると同時に心の中で2人を師匠と呼ぶことにした。
畔に寝そべり、アイスキャンデーを食べながら思った。 「ちょっと大人かも」。
お酒が飲めても、たばこがのめても大人になった実感はあまりなかった。農家では農作業を任せられてこその成人かもしれないと実感した。
植えた苗の列が曲がっている。成人しても一人前は遠い。(森田靖久)