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2016年7月31日09:05
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手帳にほっこり
「まるでごみ屋敷」の怒りに満ちた妻の声に重い腰を上げた。車庫の片隅に山積みになった雑誌や衣類、車の部品など、幼少期から30歳ごろまでの思い出の品を捨てることになった。
ほこりまみれの衣服の塊をどかすと、あの当時どれだけ探しても見つからなかったカバンがあっさり出てきた。錆びてはいるが上等な折りたたみ椅子も出てきた。「また使うかも」と取り置こうとした瞬間、「そんなん、いつ使うん」とぴしゃり。未練のある品々を次々に「捨てるボックス」に放り込んだ。
手帳が出てきた。裏表紙に「小1」の文字と自分の名前があった。記憶にないが開いてみると、ドラえもん、飛行機、なぜか巻きウンチのイラストが描かれており、「インフルエンザ注射をするハンコを押す」「なかよし会の準備をしてくる」など学校からの連絡事項がどうにか解読できる文字で書かれていた。ページの後半からは「庄三の靴20㌢」「1年B組で叱り方の映画“善悪のけじめ”」などの若き日の母親のメモ書きがぎっしり。懐かしさにほっこりとし、そっとポケットにしまい込んだ。 (太治庄三)
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2016年7月31日09:04
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海の日と山の日
この原稿を書いている今日は、夏休みが近い7月18日。夏休みに入ると、海水浴場は親子連れらでにぎわうことだろう。今日は「海の日」でもある。
この日が制定されたのはまだ新しく平成七年、施行は平成八年から。当初は七月二十日に固定されていたのだが、なるべく連休にした方が経済効果もあがるという「ハッピーマンデー制度」により、平成十五年から第三月曜日に定まった。
もう一つ、今年から施行される国民の祝日がある。それが「山の日」。実は私も三カ月ほど前、スケジュール帳を繰っていて、八月十一日が赤字で「山の日」と書かれているのに気が付きびっくり。「えーっ、いつ決まったん?誰が決めたんや?」と久々に疑問符おばさんに。ネットで調べたら「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としているとか。経過としては、国民の祝日として日本山岳会や自然保護団体からの意見を受け、二〇一三年四月、超党派の「山の日制定議員連盟」が設立、幾度かの審議を経て、お盆休みと連続しやすい理由で、十二日の案が決まりかけた。しかし、この日は日航ジャンボ機が御巣鷹山で墜落した日でもあると、群馬出身の小渕優子氏らが懸念を示し、十一日に。確かに、今も追悼の登山を続けている遺族にとって、その日が国民の祝日ではいけない。
山に親しむ趣旨は悪くないが、経験の少ない無謀な登山で大切な命を落とす事故も多発している。まずは夏ならではの青嶺を愛で、豊かに水を供給してくれる山々に感謝しなくては。
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2016年7月31日09:02
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篠山で楽しく暮らしたい(隊)世話人 森...
自由に提案、自由に集う
月例会に集まった人たちの中からやりたいことを提案し、やりたい人がやりたいように実施するサークル「篠山で楽しく暮らしたい(隊)」。月例会には篠山市外からも含め毎回20―30人が参加する。しばりのない自由な雰囲気がうけたのか、会員は60歳代を中心に約60人まで増えたが、管理する名簿があるわけではなく、参加、不参加、入会、退会も自由だ。
島根県出身で、2001年に篠山市へ移住した。当時はサラリーマンで大阪へ通勤。暗くなってから帰宅し、休日は買い物に行く程度。退職してから篠山を楽しもうと思ったが、どこにおいしい店があって、どこに見どころがあるのか分からない。楽しく暮らすための情報交換ができる場をつくろうと知人らと市民センターに集まり始めたのがきっかけで、12年にサークルを立ち上げた。
月例会では参加人数にかかわらず、5人以上の賛同があれば企画が成立するルール。グラウンドゴルフや野菜栽培、桶ット卓球、市内散歩―。実現した企画は実にさまざま。別のグループにも所属していたり、店のオーナーという会員には宣伝の場にしてもらう。それが新たな企画のネタになる。
「同じ市内でも、住んでいる地域から外れると文化や行事ごとも知らないことが多い。外から見るとすごいことでも、きっと地元の人にとっては当たり前のことなんでしょう。サークル活動などでもそれぞれはがんばっておられるが、横のつながりがない。『暮らしたい(隊)』が、それらをつなぐ場になり、何かしら地域に還元できるようになれば」と話す。「今は篠山で楽しく暮らせています」と笑顔を見せた。67歳。
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2016年7月31日09:00
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山口武司氏訃報
山口武司氏(やまぐち・たけし=元山南町議会議長)26日正午、うっ血性心不全のため、西脇市内の病院で死去、91歳。自宅は、丹波市山南町梶472ノ2。葬儀は、7月29日におこなわれた。喪主は長男、和也(かずや)氏(特別養護老人ホーム松寿園施設長)。
地方自治など地域に貢献した功績で、2013年に旭日単光章を受けている。
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2016年7月31日08:58
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全国公募展で準大賞 画家の足立慎治さん
画家の足立慎治さん(42)=丹波市氷上町石生・丹波カルチャーセンター講師=が、全国公募展「雪梁舎フィレンツェ賞展」で準大賞にあたる「フィレンツェ美術アカデミア賞」を受賞した。1カ月間、ルネサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェで創作活動を行うことができる賞で、足立さんは「西洋美術に携わる者にとってあこがれの地。画学生に戻ったような気持ちで出来る限りのことを吸収してきたい」と渡欧を楽しみにしている。
出品作は100号(162㌢×162㌢)の油彩「Tree climbing」(木登り)。1歳の長女が、木の影を踏んで歩く様子をモチーフにした。
「歩き始めたばかりの娘が、不思議そうに影を見ながらよちよち歩く姿を見て、枝分かれした人生を一歩一歩踏み出す様子と重なった」と足立さん。「子どもを描いたが、自画像のようなところもある。何を見ても物珍しく、驚きにあふれている子どもの眼で世界を見ることを忘れないようにしたい」と話す。
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2016年7月31日08:57
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チャリティー音楽祭 8月7日、丹波青年...
丹波青年会議所(0795・72・3398)は8月7日午後1時―同2時半、創立45周年記念事業として、丹波の森公苑大ホールで災害復興支援チャリティー音楽祭「丹音祭」を開く。
第1部は午後1時―2時半、丹波市内在住在勤の女性10人による「丹音姫」称号争奪のカラオケ大会。第2部は午後3時半から、J―POPユニット「ET―KING」のライブ。午前11時―午後5時半、お好み焼きや冷やしうどん、肉料理、いか焼き、ピザなどの飲食ブースを開く。
1、2部共通の整理券を午前11時から配布する。1人につき2人分まで入手できる。定員(700人)に達し次第、配布を終了。入場時にチャリティー募金(500円から、熊本地震支援金に)が必要。
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2016年7月31日08:55
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幸世が運用案を承諾 東芦田新水源問題
丹波市水道部は東芦田新水源問題に関し、幸世自治振興会から「やむを得ない」と運用案、確認書をともに承諾する回答を得たことを7月29日の市議会産業建設委員協議会で報告した。青垣地域自治振興連合会の承諾はすでに得ており、関係自治協議会との協議が整った。2012年8月のマンガンを含んだ濁水の発生に端を発した問題は4年を経て、解決の道筋がついた。市は、辻重五郎市長も参加する説明会を8月8日に幸世地区で開く。
細見滋樹水道事業管理者が、幸世から回答があったことを報告。
運用案は、▽既存の市原水源(青垣町市原)と西芦田水源(同町西芦田)の揚水量を増強し、青垣地域と幸世地域に配水▽桟敷水源(氷上町桟敷)の水は春日地域に送水(一部)▽東芦田水源の水は、盆や正月など水需要が高まった時に使用する―というもの。青垣地域には市原と西芦田浄水場から、幸世地区には西芦田、桟敷、氷上中央の浄水場の水がそれぞれ配水される。
非常事態により東芦田新水源を使用する場合の取り決めを記した「確認書」は、▽自然災害による水道施設の被災▽取水井戸の枯渇―など6項目の「使用基準」と、▽両地区に状況を報告し、協議を行う▽立会に応じる―など3項目の「使用手順」で構成。
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2016年7月30日17:18
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本場博多とんこつらーめん「いっぽし」
店内仕込み丁寧スープ
兄が営む人気ラーメン店「いっぽし」(神戸市)で修業をした杉上知之さん(31)=丹波市氷上町清住=がのれん分けで店を構えた。ラーメン(670円)に、好みの具材(50―100円)をトッピングする。兄の店は鶏白湯、杉上さんは「大好き」という豚骨スープで勝負する。スープは店内の大きな寸胴で約2日半かけて丁寧に仕込む。豚骨は九州から、麺や高菜、紅ショウガなどは博多から取り寄せ、本場の味に迫っている。
「替え玉」(100円)は「バリカタ」がお勧め。チャーシュー丼、あぶりチャーシューねぎまみれなども近日メニュー化する。
丹波市柏原町田路28-1
Tel.0795・73・2273
営業時間/平 日:午前11時―午後2時28分、午後5時半―午後9時58分
土日祝:午前11時―午後7時58分
月曜定休
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2016年7月30日16:55
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いづみや製菓 柏原駅に出店
JR柏原駅構内の商業観光施設「ウッディプラザ山の駅」の一画に、いづみや製菓(山南町和田)が「柏原・山の駅店」を出店した=写真。丹波市の土産用に開発した新商品を販売したり、簡単な観光案内を行うなど、丹波市のPRに一役買っている。
木の根の橋の焼印を入れたせんべい「木の根」や、栗、黒大豆、ブルーベリーなど、丹波市らしい食材を使ったせんべいをセットにし、「木の根せんべい」と名付けて同店限定で販売している。このほか、約30種類の自社製のせんべいや、進物用のせんべいのほか、黒大豆のケーキや甘納豆、漬け物などを仕入れて販売し、観光客や駅周辺住民の幅広いニーズに応えている。
同スペースは丹波市商工会が柏原町の物産を販売していたが、3月末に閉店。さらに、JR構内のキオスクも閉店することを聞いた同店(廣内尚登代表)が「丹波市の玄関口をなんとか盛り上げたい」と5月から出店している。
月曜定休。午前10時―午後5時。
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2016年7月30日16:45
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こだわりの直売所巡って 8月1日から初...
写真・野菜直売所のスタンプラリーをPRする生産者ら=篠山市吹新で
篠山市内にある15カ所の野菜直売所を巡るスタンプラリーが8月1日からスタートする。すべてのスタンプを集めると記念品がもらえるほか、抽選で丹波篠山牛が当たる初めての企画。生産者らは、「こだわってつくった地元の野菜をたくさんの人に知ってもらうきっかけになれば」と参加を呼び掛けている。10月末まで。
1直売所で1品以上の購入か、食事1回でスタンプを押す。15個集めると完走賞の記念品がもらえるほか、5つ集めて応募すると、すきやき肉500㌘が10人に当たる。
各直売所の場所や販売品などの特徴を記したパンフレット(A4判)がスタンプの台紙になる。直売所や公共施設、丹波篠山観光協会などに置いているほか、市のホームページからもダウンロードできる。
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2016年7月28日11:24
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平均98歳で“女子会” 趣味持ち寄り作品...
写真・定期的に女子会を開いている末枝さん、静子さん、ふみ子さん、千代子さん(左から)=篠山市真南条上で
篠山市真南条上の高齢女性4人が、近所の農家レストラン「あかじゃが舎」で月に1度、女子会を開き、ランチとおしゃべりを楽しんでいる。4人は、小林千代子さん(96)、岸本末枝さん(94)、小林静子さん(100)、小林ふみ子さん(100)で平均年齢は98歳。4人は、「長生きはうれしいこと。良い友だちにも出会えて幸せ。みんなとおしゃべりをし、笑顔を見ていたら気分も晴れます。このような日々が一日でも長く続けば」と話している。同レストランでそれぞれの趣味や特技を持ち寄った作品展も開いている。8月6日まで。営業日時は、木―土曜日の午前11時―午後3時半。
以前は、民謡の会や年中行事などで定期的に顔を合わせることがあったが、2年ほど前から集まる機会がなくなった。昨年9月、同集落内にあかじゃが舎がオープン。ふみ子さんが「集まっておしゃべりしましょう」と声をかけ、女子会がスタートした。
毎月第4金曜日が女子会の日。午前11時半ごろ、自宅から歩いてレストランに集合している。ランチを食べながらのおしゃべりは、近況から始まり、村の行事や趣味の話、健康や薬のことなど多岐にわたる。4人は、「難しい話はしません。人のうわさ話もしません。人の話は勉強にもなります。ただ、少し耳の遠い人もいて、話が伝わらないときもありますが」と笑う。
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2016年7月28日11:22
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「わらべの詩」原画展示 よしずみさん初...
写真・初めての作品展を開いているよしずみさん(右)と幻さん=京都府京丹後市網野町で
本紙「丹波こども新聞」で漫画と詩「たんばわらべの詩」を連載中のよしずみあいさん(35)=丹波市=が、京都府京丹後市網野町下岡1018の「こころの森美術館」(0772・72・5686)で、初めての作品展を開いている。「わらべの詩」の原画のほか、携わったポスターや挿絵、チラシの原画など約30点を出品している。
同美術館は、古民家を改修し、昨年11月にオープン。同美術館長で木版画家の幻一さん(73)とよしずみさんは、よしずみさんが学生時代からの知り合いで、美術館のパンフレットをよしずみさんが手がけたことがきっかけで作品展につながった。
子どもたちがスイカの皮を口にくわえた「スイカノ皮入レ歯ノ図」など、新作も出品。水彩、ペン、鉛筆、色鉛筆などで描いており、いずれもほのぼのとしたタッチ。「ご縁があって頼んでもらった絵ばかりなので、1人では描けなかったと感謝しています。見た人に少しでも面白いなと思ってもらえれば」とよしずみさん。幻さんは「見る人がふわっとした気持ちになる絵。絵本作家になりたいという夢も応援したい」と話していた。
8月28日まで。午前10時―午後5時。月曜休館。無料。
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2016年7月28日11:20
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ちーたんタオル販売 特別展記念で 丹波...
写真・ちーたんをあしらったマフラータオル
丹波市観光協会(0795・72・2340)は、丹波竜化石工房ちーたんの館(山南町谷川)で行われている特別展「丹波竜と竜脚類展」(8月31日まで)の開催を記念し、ちーたんをあしらったマフラータオルを製作し、販売を始めた。
高品質ブランドの今治タオルで、中央に「CHIーTAN」の文字、両端にちーたんのイラストがデザインされている。
縦20㌢、横120㌢。ピンクと黄色の2色。盆明けから紺色も追加。650円。8月31日まで520円で販売する。
また、ちーたんファンからの要望を受けて、ストラップ付きの「ちーたんマスコット(小)」(高さ約10㌢、550円)の再販を始めた。
かいばら、あおがきの両観光案内所、ちーたんの館で販売している。
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2016年7月28日11:19
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保養キャンプ食材など募る どろんこキャ...
丹波市を会場に福島から子どもたちを招いて保養キャンプ(7月29日―8月4日)を開く「どろんこキャラバン☆たんば」(高橋典子委員長)が、キャンプで使う食材や活動支援金を募っている。
食材は米や野菜など。支援金は、子どもたちの宿泊費や移動費、食材費などに充てる。
支援金は、ゆうちょ銀行総合口座(記号14320、番号41908431、口座名・どろんこキャラバン☆たんば)へ。食材提供は事務局の吉田さん(090・5362・1883)へ。
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2016年7月28日11:18
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今日以来
「あきれてものも言えない」話が毎日のように耳目に入ってくるが、大国が国家ぐるみでドーピングを隠ぺいとは、極め付きである。しかもプーチン大統領は「反ロシアの陰謀」と開き直り、リオ五輪への参加を巡っては、裏で金も動いたのか、IOCの結論も腰砕けのていたらく。▼ドーピングの記事の傍に、フォルクスワーゲンの排ガス不正を「社長は以前から知っていた疑い」の見出し。このニュースも「あのVWが
!」と世界を驚かせたが、日本の三菱、スズキも同様の不正を暴かれ、国土交通省の監督官を「性善説に頼りすぎた」と嘆かせた。▼「恥の文化」を持つはずの日本なのに、東芝、東洋ゴム、旭化成など有名企業の幹部が続々と謝罪する羽目に。パナマ文書で明るみに出た脱税疑惑などは、霞んでしまうほどだ。▼「企業倫理」などというものは、競争激化の前に劣化してしまったのか。ある証券会社の常勤監査役を務める友人は「経営者の資質の問題だろう。サラリーマン重役はおかしいと思うことがあっても、異を唱えられないからね。社外取締役を取り入れても、形だけなら意味はない」と話す。▼「人の善意を信じることは怖いことです綱渡りです。人の悪意を信じる方が安全でし
ょうね、寂しいけれど」。中島みゆきが軽快に歌う「今日以来」が妙にリアルに響く。(E)
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2016年7月28日11:17
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絡みつく意見
原発事故の際に甲状腺がんのリスクを低減する安定ヨウ素剤。これまでは錠剤か粉末しかなかったが、乳幼児も服用できる製品が開発された。
今年度は30㌔圏内の自治体に配備されるが、独自に事前配布を行っている篠山市の酒井市長が来年度以降、配備に意欲を見せている。
安定ヨウ素剤関連を扱う際、いつも3つの意見がキーボードを打つ手に絡みつく。
「そもそも原発がなければ、安定ヨウ素剤もいらない」
「原発は不要だが、今はなくならないので、対策は必要」「原発は必要。もしもの時のために準備しておけばいい」
篠山市の場合は2つ目の意見になると思う。
現状、国は原発政策を推進している。利権がある、代替エネルギーが確立されていない―。さまざまな情報があふれているが、無学な私には判断がつかない。
ただ、現地でも、丹波でも、何度も会っている福島の人々のつらさだけは見てきた。だから、原発事故があのような悲しみを生み出すものだということはわかる。
準備をしながら、先のことを考える。それしかないのかもしれない。(森田靖久)
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2016年7月28日11:17
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小さくても大きな笑顔が元気の源!
朝5時前、東の空が茜色に染まり、西の空には取り残された月が浮かんでいる。嵐の前の静けさの中、ほっと一息漏らす。6時、摘み手さんたちがやってきて、ブルーベリーの実を丁寧に一粒ずつ完熟を見極めながら摘んでいく。7時前、ラジオ体操を終えたお姉ちゃんがチビタを起こし、畑に向かって「おかーさーん、紘基が起きたぁ~!」の合図でいったん、母ちゃん撤収。「早く着替える!」「さっさと食べる!」「歯磨きしたぁ?靴はいた?右と左なんで逆?!」と焦る母ちゃんを余所目に、チビタはのんきに朝食を取り、歌を歌い、走り回る。そしてマイペースでご機嫌麗しく登園♪
海の日を皮切りに始ま
った摘み取り園のお客様も毎日何件か来て頂き、お姉ちゃんは案内にせわしなく動き回わり、電話番も。父ちゃんと並んでパック詰めを手伝い、荒稼ぎすることも多々あり。チビタも日曜は熱烈しつこい?接客を張り切ってしてくれる。
お昼をそそくさと済ませば7時までぶっ通しで発送の段取り。こんなドタバタ喜劇が3週間以上続いており、少々疲れてきた。するとチビタが配達の帰り道、夕焼けを見ながら「虹がぁ、虹がぁ、空にあがってぇ♪きみのきみのぉ~気分も晴れてぇ~♪きっと明日はいい天気ぃ♪きっと明日はいい天気!」って歌いだした。そう、子どもなりにちゃんと一生懸命支えてくれてるんだ。「おかぁさん泣いとってん?もう1回歌って元気あげようか?」って、余計泣けるじゃないか!
(古谷暁子・ブルーベリー農家)
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2016年7月28日11:16
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「水の分かれ橋」踊る 7月30日、水分れ...
第30回記念「生郷水分れまつり」(生郷自治振興会、同実行委員会主催)が7月30日午後5時から水分れ公園で開かれる。東小学校第49代の鼓笛隊の演奏で幕を開け、ラッキー抽選会などを予定している。
今年は、スポーツクラブ21氷上東(川口秀穂会長)のよさこいソーラン教室が初出演。子どもと大人約20人が「歓祭」を披露する。同クラブ理事でメンバーの片山佳織さんは「メーンで踊る子どもが、笑って踊ってくれれば」と話していた。
このほか、JA丹波ひかみの同グループ「なごみ」の舞台イベントのほか、東小鼓笛隊の歴史を写真で振り返るパネル展、恒例の花火大会、ゲームコーナー、飲食の販売なども。
また、「みんなで歌って踊ろう」と題し、いとう秀一さん(キングレコード)を招き、伊藤さんの歌に合わせ、ご当地ソング「水の分かれ橋」を氷上おどり保存会のメンバーが踊る。故・七扇七十郎さんが振り付けしたもので、同祭りで初お披露目となる。「丹波市音頭」も伊藤さんの歌声に合わせて踊る。
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2016年7月28日11:16
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毎日新聞社会部編集委員 中尾卓司さん
取材の体験をバネに
(なかお たくじ)大阪府池田市在住
1966年(昭和41)篠山市西本荘生まれ。50歳。篠山鳳鳴高校、大阪大学文学部卒。90年毎日新聞入社、大阪社会部、東京外信部、ウィーン支局などに勤務。岡山支局次長、おおさか支局長を経て現職。大阪大非常勤講師として、現代ジャーナリズム論も講義。
6月に丹波の森公苑で開講している丹波OB大学で講演した。「様々な経験を重ねてきたが、50歳になってやっと、自分のことを語れるようになった。みなさんも乗っていただき、リラックスして話が出来た」と笑顔。
講演では、様々なニュースの現場での取材体験を披露。なかでも、7年前のオーストリアのウィーン支局勤務時に、プラハでの「核無き世界を目指す」というアメリカのオバマ大統領の歴史に残る名演説を聞き、記事にしたことが印象深いという。「この演説を聞いていたから、最近、話題のアメリカオバマ大統領の広島訪問時の17分間の演説と見比べられた。時代の変化を感じた」と言い、取材経験がバネになった。
欧州滞在時には、コソボ独立、EU(欧州連合)の多くの国の国境審査廃止などにも遭遇。「イギリスのEU離脱問題が世界を揺るがしており、感慨深い」と当時を思い起こす。「パスポートをチェックすることなしに、陸続きの欧州の国々で自由に行き来出来るようになったのを目の当たりにした。その後も、イギリスは出入国にパスポートが必要だった」と語る。
母校の旧雲部小学校時代に忘れられない思い出がある。小学2年の時に病気で自宅療養したが、担任の先生が毎日訪問し、勉強を教えてくれたという。「先生や友だちの励ましのおかげで、3、4年生と順調に過ごせた。療養中は、本をよく読んだ。本が好きになったのはこの時期があったから」と話す。
「黒大豆の枝豆の収獲時に、帰郷したこともある。星もきれい。都会では味わえないふるさと。少子高齢化が気になるが、役に立つことがあれば、声をかけてほしい」。
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2016年7月28日11:15
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金谷山佛性寺(宮津市金屋谷)
戦国の雄細川幽斎縁の寺院である。元和年間(1615―24)、宮津藩主京極高広が舞鶴の田辺藩から移るときに、ともに来た明誓上人が創建した名刹である。寺院には貴重な文化財も多い。本尊は快慶の流れをくむ仏師の手によるものであり、内陣の襖絵は、狩野派の佐藤正持の筆になる「源氏物語澪標図」である。下陣欄間にも与謝蕪村の手による経ガ崎の波涛の図の彫り物がある。また八角堂は現在の聖徳太子堂として、昭和12年に宮大工として水上勉の父が携わった。
山門の彫り物が目に入る。狭い梁の間に色彩が地味になってしまっているが、龍が設えてある。3つの爪で握った宝珠が大きい。髭は銅線を左右に長く伸ばしている。木鼻の唐獅子と獏はやや造作が大振りである。ほかの狭い梁間にも麒麟が躍動している。6代目中井権次正貞の最晩年の彫刻である。中井一統11代目の中井光男さん宅から至近の所の寺院である。
元高校教諭 岸名経夫