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2016年12月1日18:24
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こうが山ゴスペルクワイヤ 12月3日、中...
丹波市氷上町中央地区の子どもや保護者、地域住民を中心につくる「こうが山ゴスペルクワイヤ」(八尾由江代表)が12月3日午後6時半から、中央小学校体育館で「こうが山ゴスペルコンサート」を開く。総勢70人ほどで、ゴスペルソングやクリスマスソングを中心に、美しいハーモニーを届ける。ハーモニカ奏者の足立やすひろさん(64)=同市青垣町奥塩久=らのユニットも特別出演する。無料。
ソプラノ、メゾソプラノ、アルト、男声、“子ども”の5部合唱。1部は「ジングルベル」などクリスマスソング、2部は、足立さんのユニットによる演奏、幅広いジャンルの曲を披露する。
3部はゴスペルソング。ゴスペル風にアレンジした中央小学校歌のほか、「オーハッピーデー」などを歌い上げる。
同グループは2005年の立ち上げ以来、毎年コンサートを開催。今年は、中央地区の有志で結成した、地域活性化をめざす団体「たんばろうプロジェクト」の主催。より手作り感あふれるコンサートにしようと、「輪」をイメージした会場設営にする。
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2016年12月1日18:23
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オペラユニット「LEGEND」 12月11...
写真・本番に向けて練習に励む「レジェンドと歌う会」のメンバーたち=篠山市黒岡で
男性5人組のオペラユニット「LEGEND」のコンサート(同実行委員会など主催)が12月11日、篠山市のたんば田園交響ホール(篠山市北新町、079・552・3600)で行われる。市内のコーラス愛好家らとの共演もあり、出演する市民たちが本番に向けて練習を重ねている。実行委は、「とても親しみのあるグループで、楽しいステージになる。ぜひ来場を」と、呼びかけている。関西初の公演という。
コンサートは2部構成で、「グラナダ」「ペチカ」「ムーンリバー」といったお馴染みの曲など17曲が披露される予定。男性2人によるピアノ伴奏も注目という。
LEGENDから地元の人たちと歌を通じた交流がしたいとの申し出を受け、同実行委(波部香代子委員長)が出演者を募集。合唱団に所属している人や一般からの41人と、篠山鳳鳴高校の生徒や篠山少年少女合唱団がこれに応じ、「レジェンドと歌う会」を6月に結成、9月から月1―2回のペースで練習している。
午後1時半開場、2時開演。チケットは指定席4000円、自由席3500円(高校生以下1000円)。
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2016年12月1日18:21
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「丹波黒ごま」集荷 生産組合 上品質に...
写真・唐箕を使い、黒ごまを選別する芦田組合長(左)と松岡さん=丹波市春日町野村で
「丹波黒ごま生産組合」(芦田美智則組合長)が11月25、26の両日、丹波ひかみ農協春日営農経済センターで黒ごまの集荷を行った。組合員が持ち込んだ黒ごまを、等級ごとに選別した。
同組合が全量出荷しているごま製造加工会社「和田萬商店」(大阪市)の松岡義仁さんが立ち合い、唐箕で選別した。唐箕から黒ごまが出てくると、色合いや粒の大きさなどをチェック。品質によって「特A」「A」「B」など6段階に等級分けした。
松岡さんは「組合員の黒ごまに対する手入れが良い。国産ごまが少ない中、これだけ上品質の黒ごまをいただけ、ありがたい」と笑顔。今年初めて、黒ごまの生産に取り組んだ市島町の「十市営農組合」(上田幸男組合長)の河内雅治さん(72)=同町上竹田=は、「手探りでの栽培だったが、組合で140㌔ほど収穫できた。良い品質に仕上がった」と話していた。
芦田組合長によると、今年の組合員は65人で、栽培面積は約6㌶。「栽培技術を高め、収量を伸ばした人もいる。機械化を進め、栽培面積を10㌶に広げ、10㌧の収量をめざす」と話していた。
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2016年12月1日18:20
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篠山市内「ひきこもり」54人 市検討委が...
自立したり、社会生活を営むことが困難な「ひきこもり」―。篠山市では「市ひきこもり支援検討委員会」が昨年度、民生委員・児童委員らの協力を得て、各地域での実態を調査した結果、94件の回答から54人が引きこもり状態にあることがわかった。関係者は、「調査結果は氷山の一角」と分析している。内閣府は全国で約70万人がひきこもり、予備軍も約155万人いると推計するなど、本人だけでなく、家族にも大きな負担となっていることから、早急な支援が求められている。
調査ではひきこもりを、「義務教育を卒業後の15歳以上65歳未満で、6カ月以上、自宅にひきこもり、会社や学校に行かず、家族以外と親密な関係がない状態」と定義。民生委員児童委員が把握している情報で、▽担当自治会にひきこもり傾向の人がいるか▽その性別、年齢▽ひきこもりに関する相談の有無―などを聞いた結果、男性44人、女性10人がひきこもり状態にあることがわかった。男性では50歳以上が13人で最も多く、次いで30歳代の12人、20歳代の10人と続いた。女性では30歳代の4人が最も多かった。
うち長期のひきこもりとされたのは男女合わせて41人で、うち男性50歳以上が11人を占めるなど若年層だけの課題ではないことが浮かび上がる。
また、情報提供元は「近隣から」が7件と最も多く、「家族から」の4件を上回っている。
市地域福祉課障害福祉係によると、内閣府が推計したひきこもり人口を篠山市に当てはめると15歳から39歳までで184人いると推察されることなどから、実際には調査結果以上の人がひきこもり状態にあると考えれるという。
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2016年11月27日18:00
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東京で雪
仕事で一路、東京へ。この日は11月24日、上空に真冬並みの寒気が流れ込んだとのことで、朝から雪が降った。11月の都心での降雪は54年ぶり、積雪は1875(明治8)年の統計開始以来初めてという。転倒事故などもあったようだ。
数日前の天気予報で、取材日の東京は寒くなりそうと知った。取材時間の関係で前日に上京したが、現地に向かう新幹線車内の電光掲示板でも、「都心で降雪か」の文字が躍っていた。着いて空を見上げると、まだ夕暮れには早い時間なのに、異常なほど暗かった。
「丹波でもまだ降っていないのに、東京で降るかいな」と根拠のない高をくくっていたが、翌日、本当に降った。朝からテレビは雪のニュース一辺倒。最初はみぞれだったのが、やがて本降りに。もともと、冬でも割りと薄着で過ごしているが、耐えられない寒さだった。「何でこんな日に…」とこぼしながら、しぶしぶ傘とマフラーを買った。
まさかの雪。丹波も間もなくかも。“大けが”をしないよう、冬支度を早めにしようと誓った。とりあえず、タイヤ交換からか。(田畑知也)
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2016年11月27日18:00
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ビジネスパソコン訓練受講生を募集
丹波職業訓練協会は、ビジネスパソコン訓練の受講生を募集している。来年1月17日―3月16日の平日昼間、同協会(柏原町柏原3573)で、ワードやエクセルなどの基礎を学ぶ。求職者が対象。受講無料(テキスト代など6501円は負担)。定員10人。12月26日、同協会で選考(筆記と面接)。応募は12月15日まで。ハローワーク柏原(0795・72・1070)。
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2016年11月27日18:00
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田渕清彦さん(篠山市口阪本) 「緑白綬...
篠山市口阪本の農事組合法人・丹波たぶち農場代表理事、田渕清彦さん(64)がこのほど、公益社団法人・大日本農会(総裁=秋篠宮文仁親王)から「緑白綬有功章」を受けた。同法人は1881年に創設された国内初の全国的な農業団体で、同章は農事改良や有益な研究などへの功績が顕著な人に贈られる。今年度の県内農業者では唯一の受章で、丹波地域では1997年に大前勉さん(84)=東河地=が受けて以来。「県から推薦していただき、これまで46年間やってきたことが認められ、ありがたいこと」と受章を喜んでいる。
田渕さんは高校卒業後、農業の道へ。規模拡大を進めながら、水稲では堆肥を使うなどの環境に配慮した栽培技術を確立。黒大豆枝豆のもぎ取りやイチゴ狩りなどの観光農業や市民農園にも取り組み、経営の多角化を実現した。
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2016年11月27日18:00
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南三陸町に派遣中 酒井克美さん(篠山市...
復興祈念公園を整備
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町の復興を支援するため、今年度、篠山市役所から同町役場に派遣されている。津波によって壊滅し、多くの悲しみに埋まったまちが、新たなまちとして生まれ変わっていく姿を目の当たりにしながら、日々の業務に励む。
復興市街地整備課に所属。壊滅した旧市街地につくられる「震災復興祈念公園」の整備事業に携わっている。「方言が聞き取りづらくて大変」と苦笑いしつつ、職員でつくる野球部の応援に出向くなど、地元の人々との親交を温めている。
入庁5年目。篠山市役所では、上下水道部経営企画課に勤務してきた。職員派遣に手を挙げた理由は、震災後にボランティアとして南三陸などを訪れていた母。「お母さんから現地の様子を聞いていて、いつか自分の目で見てみたいと思っていました。職員として行ける機会なんて滅多にないと思って」。
初めて訪れたまちで目の前に広がったのは、かさ上げのための土が山のように連なる景色。もともとそこに何があり、どんな人の営みがあったのか想像できない。震災から5年が過ぎ、当時の話をする人もあまりいない。土地と心に残った傷を覆いながら、まちは前に進もうとしている。
計画に携わった公園は、震災の悲惨さとともに防災の大切さも後世に伝える。「観光で外から公園を訪れてもらうことも大切だけれど、私は地元の人が訪れてくれるようなところになるといいなと思っています」
篠山市役所からの派遣職員は4代目で、先輩から周辺の観光情報が載った雑誌が引き継がれている。趣味は釣り。でも、魚介類は苦手。28歳。
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2016年11月27日18:00
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大槻先生
平成九年、大槻隆先生が亡くなられたとき、「ありがとう大槻先生」という拙文を本欄に書いた。その六年後、先生の甥の谷口氏が先生の書簡などを編集されて書かれた「叔父大槻隆追悼記」についても書かせてもらった。
今月六日付けの本紙一面の記事を読んで、大槻先生の生きられた時代とその苦悩について、再び考えさせられた。大槻先生は一九二二年生まれ、いまもし健在ならば九十四歳、あの戦争の時代の波にまともに揉まれた世代でもある。当時としては最良の生き方でも、敗戦国になった途端、すべてはマイナスの結果と罪に問われてしまう。最も身にしみることは、私たち団塊の世代を教えることに、ありったけの情熱を注いで下さったという感謝の想いだ。「お前らアは、ほんまにさんこなもんや」というのが口癖だった先生。それは、自分たちの青春時代と比べて、如何に自由であるか、それだけに良く生きて欲しいという願いが込められた言葉であったと、今にして思う。そんな先生の想いに応えられたかと思うと、忸たる思いで申し訳ない気がしてならない。先生の人文地理の授業の迫力は独特で、教えられたことは今も脳裏に焼き付いていて役立つことも多い。教師になられてからは、自分の知識を後輩に伝えることに力を注がれた。
県立柏原高校の入り口にある立派な柏陵会館の建設にも尽力された。来年は先生が亡くなられて二十年になる。今年、来年と古稀を迎えるさんこな同級生たちが集まって、墓前に感謝を捧げるのも供養かなと思う。
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2016年11月27日18:00
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篠山鳳鳴高校
篠山鳳鳴高校が創立140周年を迎えた。明治9年創建の私立篠山中年学舎が始まりだが、教育の源流はそれよりも110年前に創建された藩校「振徳堂」にさかのぼるという。振徳堂の教育方針を示した「學規」に、「学問を志す人なら誰でも授業を受けてよろしい」とある。教育に理解のある懐の深い方針だ。▼鳳鳴高校の校祖と仰がれるのは、篠山藩主・青山忠良の子、忠誠。明治8年から学業の優秀な旧篠山藩士の子弟を東京の自邸に招き、学費を与えて学校に通わせたが、「学生の基本を養う学校が篠山になければならない」と考え、篠山中年学舎を創建した。▼忠誠は、学校の創建について福沢諭吉に相談。賛同した諭吉は英語と物理化学の2人の教師を篠山に送り込んだ。教師に忠誠は「新しい文明の時代に篠山を導いてほしい」と望んだという。忠誠には、「文明は学問がもたらすものなり」との考えがあった。▼鳳鳴高校の卒業生、河合隼雄氏が著書『未来への記憶』の中で、山奥のように言われる篠山についてこう書いている。「青山藩の殿様が学問に熱心だったので、それで、田舎やけど、わりに文化程度が高いんです」。▼教育を重んじ、教育を通して文明をもたらそうとした先人の営みの上に築かれた篠山。教育は人をつくるだけでなく、まちもつくった。(Y)
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2016年11月27日18:00
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第499問
11月20日に行われた丹波市議会議員選挙。新たに議員となったのは、現職何人、新人何人?
1.現職11人、新人9人
2.現職10人、新人10人
3.現職9人、新人11人
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2016年11月27日18:00
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人との距離が超近い
村では、知らない間に人が集まる。糸を紡いだり、糊付けしたり、織ったりしていると、通りがかりの人が足をとめて、話をしながらごく普通に作業を手伝う。さりげなくて、当然のこと過ぎて、いい。(でも後でこっそりやり直したりもしてる…笑)
ラオスはなんせ人が近い。人の家におじゃますると、大概の場合たくさんの人がいる。家族かと思っていたら友人や隣人だったり、説明が難しいくらい遠い親戚だったり。まるで自分の家かのようにドシンと存在しているから見分けがつかない。
村がまるでひとつの家族のようだ。存在が近すぎて大変な時もあるけれど、小さな子どももご老人もみんなに見守られている。
ひきこもりや孤独死の説明をしても、『はて?』という顔をされるのは無理もない。
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2016年11月27日01:42
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山南・石龕寺でもみじ祭 42人で武者行列...
写真・総勢42人による武者行列=山南町岩屋で
「石龕寺もみじ祭」(同実行委員会主催)が11月20日、丹波市山南町岩屋の同寺(堀井隆洋住職)で開かれた。勇猛な武者行列があったほか、食品販売、スタンプラリーなども行われ、来場者は色づいた紅葉を愛でるとともに、楽しい時間を過ごした。
武者行列は、農村公園を出発。ほら貝を吹く山伏の後ろに堀井住職、馬に乗った戦国武者、市内学校のALT(外国語指導助手)らが務めた侍大将、同町内の小学生による少年武者、物詣と続き、総勢42人で地域内を練り歩いた。
戦国武者は、同寺に縁がある足利尊氏と足利義詮。同町自治会長会の村上茂会長(72)が尊氏役、市商工会山南支部の廣内章平さん(40)が義詮役を務めた。鎧兜を着けた勇猛な2人の姿に、来場者はしきりにシャッターを切っていた。
村上会長は、「武者になった気分。気が引き締まる思いだったが、楽しませてもらいました」と笑顔だった。
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2016年11月27日01:39
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色淡い小豆商品化 青垣の足立義郎さん ...
写真・商品化した「若さや小豆」を手にする足立義郎さん=丹波市青垣町森で
丹波市青垣町森の足立義郎さん(64)が、等級落ちの原因になる赤みが少ないピンク色の丹波大納言小豆を真空パックし、「若さや小豆」と命名し、赤飯用として売り出した。完熟前のやわらかい豆で、浸水の手間が入らず、袋から出してそのまま米と炊ける。足立さんは「期間限定の漁師飯ならぬ農家飯として売り出していきたい」と話している。
一昨年、知人からさやが褐色になる手前、黄色をした若いさやの小豆で赤飯を炊くとおいしいことを教わった。試しに炊飯してみると色、食感とも乾燥させた小豆と遜色がなかった。周囲にたずねると、同じように赤飯にして食べている人がちらほらあった。「色が淡いのは、選別してよる。価値がなかったものが商品になり、生産者の収入が増える。調理する人も、手軽に赤飯を作れる。しかも、収穫期の一時期しか品物がない特別な感じもあり、いいことずくめ」と、商品化を決めた。
丹波栗の生産者で、むき栗を真空パックする設備を利用。黄色のさやから色づき始めた粒を取り出し、ふるいにかけてサイズを整え真空パック。3合の米と炊く150㌘入り(1袋300円)をこしらえ、JA丹波ひかみ本店前の「とれたて野菜直売所」で販売している。
「知っている人は知っていて食べているのに商品化されていない。手でさやをもぐ小規模農家向きで、どんどん真似してもらって、広めていければ」と話している。
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2016年11月27日01:37
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大塚病院通所リハ 広さ3倍、大浴場も好評
写真・歌や体操を行う3倍広くなったフロア=丹波市氷上町絹山で
旧大塚病院跡地に整備され、11月5日にオープンした大塚病院「通所リハビリテーション・厨房棟」(丹波市氷上町絹山)が利用者に好評だ。旧施設より3倍の広さがあるフロア、ジャグジー付きの大浴室にカラオケルーム、ゲームコーナーなどを備えアメニティを高めるとともに、リハビリ機器も一新した。同施設では「利用者の在宅生活を支えたい」と話している。
鉄骨造2階建てで、1階がデイケアサービスを提供する通所リハビリ。2階が厨房など。建築面積989平方㍍、延べ床面積1790平方㍍。
リハビリでは、低周波(神経まひ)、中周波(筋力アップ)、干渉波(筋肉のこり)を目的に応じて使い分けるSSP治療器、パワーリハビリ機などを整えた。新厨房は、急速冷凍した食事を再加熱しても味を損ねることがない「クックチル」に対応できる最新の設備を備えた。
武田礼子看護師長は「広々として利用者は喜んでおられ、お風呂は温泉気分でゆっくりつかったり体を伸ばしたりされています」と言い、正垣隆好療法士長は「機械を使うことで視覚効果も手伝って運動をしていることが実感でき、意欲的に取り組まれている」と、メリットを話す。
施設一新に合わせ、これまで氷上、青垣地域中心だったが春日、山南地域の利用者の送迎も始めた。将来的に、施設の受け入れ可能能力の60人まで増やしていきたい意向。利用日は月―土曜、祝祭日も営業。随時見学を受け入れている。同施設(0795・82・8900)。
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2016年11月24日19:25
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圓了寺(朝来市山東町矢名瀬町)
国道9号と427号線が交差する山東町大垣近くの寺院である。創建は比較的新しく明暦4年(1658)。2年後大火があったが、現在の仏閣は文政6年(1823)に再建された。鐘楼を潜って拝殿に近づく。やや黒ずんだ竜の彫り物が目に入る。珍しい浪の上に浮かぶ竜だ。大きく白く見える眼で左下方を睨んでいる。髭は木で宝珠は中央に白みを帯びている。木鼻の唐獅子と獏はやけに鑿の切れが鋭い。持ち送りは松に山鳥。手挟みの火炎から飛び出す鳳凰は見事である。
本堂内部を拝見した。正面欄間五面に花鳥風月が岩絵の具を使って多彩な彫り物となって浮かんでいる様だ。その上五面の空間にも山鳥が踊っている。天井は折立格天井で色は薄れているが、たくさんの花が描かれ、やや広くあいたスペースには、大きな竜の色彩図や虎のそれもある。青竜軒の名の下に6代目中井権次橘正貞が一統を率いてしつらえた名作である。
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2016年11月24日19:25
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本明寺(丹波市市島町東勅使)
国道175号を東勅使で右折し、少し行った所に佇む古刹である。道路から少し入っただけで、道路の騒音が途絶される静かな雰囲気の寺である。ここは浄土真宗本願寺派に属し、「古事記」が完成した和銅5年(712)に開祖された由緒ある寺院である。
本堂正面の向拝を見上げる。梁間はそれほど広いものではないが、竜の彫り物がしつらえられている。左前方を威嚇するように睨んでいる。どういうわけか目が白く、銅線の髭が纏わりついている。口を大きく開け、舌を立てている。何といっても狭い空間からはみ出す、“いらか”の迫力が素晴らしい。宝珠を右爪でしっかり握っている。木鼻には、鑿の切れ味鋭い大きな造りの唐獅子と獏がいる。手挟みの菊の花の多彩さもいい。本堂内を覗う。色鮮やかな色彩を纏った天女が舞っている。西本願寺派の彫り物師のものだ。文政5年(1822)、6代目中井権次正貞の力作である。
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2016年11月24日19:24
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現職9人、新人11人 激戦の市議選
丹波市議選(定数20)は現職13人、新人15人が立候補。現職と新人4人ずつが落選した。最下位当選者は1048票。次点との差はわずか8票の大接戦だった。
事前の陣営の予想通り票がばらけた。当落ラインを1200票を軸に1100―1300票と見る陣営が多く、この間に8人が入り、1000票台は2人だった。最下位当選の得票数は前々回(2008年、定数24に30人が立候補)の1084票を下回った。
落選した候補は、▽同一校区に候補者が複数いる▽地盤の有権者数が少ない▽出馬表明が遅かった―などの要因がある。
最多得票は3期連続で公明党公認の藤原悟さん(65)=丹波市山南町谷川。2―4位をいずれも市島の新人3氏が占めた。当選した現職9人のうち得票を伸ばしたのは日本共産党公認の西脇秀隆さん(66)=同町和田=のみ。党公認候補の5人(公明2、共産2、日本維新の会1)はそろって当選した。
旧町別は、氷上が1議席減らし、春日が1議席増やした。
女性議員は2人増の4人。最年少は39歳。新議員の平均年齢は59・1歳と前回の60・85歳からわずかに若返った。
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2016年11月24日19:23
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林檎裸となる
「世界病むを語りつゝ林檎裸となる」という中村草田男の句を、俳句をたしなむ先輩から教わった。各節字余りで読みにくい。1930年代、第2次世界大戦が迫りくる時代の空気を漂わせる。▼米大統領選でトランプ勝利の報に、筆者もヒトラーを思い浮かべた。ナチスは選挙で合法的に勝って政権を獲得した。第1次大戦後の疲弊したドイツ、くたびれた国民の心情に乗じて。▼ただ、2人の資質はかなり違う。ヒトラーはかつて貧乏な画学生。しかし偏執質で、天才的な着想力、行動力を持っていた。裕福な家に育ったトランプはビジネスを成功させる合理性を備え、利害得失に敏いが、単純。似ていそうなのは、思い込んだらぐいぐい押してくるところだ。▼安倍首相が「信頼できる指導者と確信した」と話したのは、それこそ外交辞令だろうが、ロシアのプーチン同様に手ごわい相手だ。▼第2次大戦後、70年以上経った。組み直された世界秩序がそこここで綻びを見せてきた21世紀初頭。今の様相は、歴史が繰り返す気配すら感じさせる。「強いアメリカ」、「強いロシア」、「強い中国」。そして欧州でも日本でもそんな声が沸き上がれば、行き着く先は目に見える。林檎をかじりながら語り合う時、人々は裸になった地球まで想像してはいまい。(E)
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2016年11月24日19:23
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出没相次ぐクマ
丹波市でツキノワグマの出没が相次いでいると先日、本紙で報じた。私が把握しているだけでも10月1日から11月21日までに、市島町を中心に28件の目撃・痕跡が確認されている。まったく報告のなかった篠山でも18日、藤坂峠で目撃が報告された。森林動物研究センターによると、冬眠前に栄養を蓄えようと、おもに但馬地域から南下してきた個体なのだという。なわばりを持たないため良好なえさ場には、複数のクマが集まってしまうこともあるのだそう。冬眠に入るのは、例年なら12月中旬。もうしばらく警戒が必要だ。
同センターの調査によると、県内の生息頭数は推定約940頭。20年間、保護対策を進めたことにより絶滅の恐れが当面ない800頭を上回り、それどころか、人身・農作物被害が深まる恐れがあるとして、県はクマの狩猟を解禁した。猟期は12月14日まで。
取材を通して、幻の動物と思っていたクマが増加傾向にあるということ、1000頭足らずでも人との軋轢が生じてしまうという兵庫県内の自然の懐が意外に浅いことにも驚いた。(太治庄三)