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切り抜き詳細
発行日時
2015-3-22 8:38
見出し
恩師の卒寿
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4189
記事詳細
日本を代表する哲学者、 梅原猛先生の卒寿の祝賀会に出席させてもらった。 先生は私の大学時代の恩師で、 初めての拙書の前書きを書いて下さり、 日本ペンクラブへの入会を推薦して下さった。 私が教えて頂いた頃は、 西洋哲学に疑問を感じ、 日本独自の思想研究に入られた時だった。 四年間、 決して勤勉な学生ではなかったけれど、 好奇心を旺盛に、 前向きに生きる姿勢は、 先生から学ばせてもらったと感謝している。 京都駅のホテルグランヴィアでの祝賀会、 先生は満面の笑みを浮かべて、 奥様と登場された。 開会の挨拶は京都造形大学学長 「芳賀徹 (はがとおる)」 氏。 あらゆる分野の日本の文学研究、 比較文学研究などマルチな活躍をされている。 梅原先生との関わりから功績、 また人間的なおかしさなども話されて盛り上がる。 次は先生の京都芸大時代の教え子で、 有名な版画家 「山本容子」 氏。 梅原先生の芸術全体に対する理解と造詣の深さを語られた。 最後は古くから親交のある霊長類学者で篠山在住の 「河合雅雄」 先生。 十年近く前、 二冊目の拙書に前書きを書いていただいたことがあり、 その時以来なので、 とても嬉しかった。 「梅原先生と居ると、 話しかけても自分の思索に没頭していることがよくあり、 やはり天才型の人だと感じた」 と楽しそうに話された。 梅原先生のご挨拶は 「僕は別に大したことはしていない。 自分で書いたというより、 例えば聖徳太子、 柿本人麻呂、 円空、 親鸞などが僕に乗り移って書かせてくれた」 と、 いつもの梅原調で語られ、 終始笑いの絶えないあたたかな会だった。