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切り抜き詳細

発行日時
2014-11-30 9:20
見出し
二人の栗ごはん
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4066 二人の栗ごはんへの外部リンク
記事詳細
 〈栗十個剥いて二人の栗ごはん〉、 ご主人と二人の食卓を詠んだこんな温かな句を遺して先日、 句友が逝かれた。 まだ六十七歳という若さだった。 学年では私より一つ下だが、 共に団塊の世代、 明るくたくましく、 そして優しく生きられた。 親しくなったのは丹波で二つ目の句会を始めたときからのこと。 色々な要職に付いておられ、 またとても仕事の出来る方でもあり、 欠席も多かったけれど、 投句は真面目にしてくださった。 背が高くてスラリとして、 例えるなら宝塚の男役のような容姿、 性格は竹を割ったようにさっぱりした、 本当に誰からも愛される人だった。  最後にお会いした十月の句会は、 ひまわり句会との合同吟行会だった。 その前、 少しお休みが続いたけれど元気に参加して下さり、 青垣にある細見綾子の生家では〈潜り戸を潜れば厨 (くりや) 秋の風〉〈秋澄むや綾子家守る丹波弁〉など、 心のこもった俳句を作られた。 青垣町民センターでの昼ごはんは、 彼女の兄嫁さん手作りの栗ご飯やぼた餅を持参、 賑やかに私もいただいた。 目をつぶると、 少しハスキーな彼女の声が活き活きとよみがえってきて目頭が熱くなる。 今年の春だったか、 亡くなられた伯母さんを偲んで、 〈初七日や伯母の遺せし木の芽漬〉という俳句を出された。 さらに、 〈山笑ふ大江の山の鬼笑ふ〉という豪快で明るい俳句も印象に残っている。 春先に山々が芽吹きの頃の季語 「山笑う」 がこんなにもおもしろく詠まれた句は他にない。  あまりにも早いお別れに、 戸惑うばかりだけれど、 心よりご冥福をお祈りいたします。