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切り抜き詳細

発行日時
2014-10-5 8:54
見出し
無花果(イチジク)
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4000 無花果(イチジク)への外部リンク
記事詳細
 朝刊を取りに出た夫が 「やられた!」 と叫んでいる。 蜂にでも刺されたのかと見に行くと、 半分欠けたイチジクを手に、 何とも情けない顔。 「やっぱりね、 そろそろネットを掛けなくてはと、 言ったのに」 と私。 直径六十センチほどの大きな鉢に二年前から育てているイチジクに、 今年初めて八個ほど実が付いた。 毎朝水をやり、 熟れるのを楽しみにしていた夫。 そのうちの二個をカラスにやられた。 一番熟れていたのは影も形もなく、 もう一つは二口齧られている。 我が家の地番は今でも山林、 いい環境なのだが、 イチジクには合わないらしく、 地植もしたがだめだった。 そこで大きな鉢に植えて育て始めた。  若かったころ、 夫はそれほどイチジクを食べなかった。 舅がイチジク好きで、 今頃になると、 わざわざ姑の実家まで出かけ、 自分でもいできたと言っては、 嬉しそうに食べていた。 そこまでイチジクに執着する父親を、 当時の夫は冷ややかに見ていたのに、 味覚もだんだん幼児返りしてゆくみたいだ。 結局鉢植えのイチジクは、 ネットをかけたのにほとんどカラスの餌に。 季節を味わうというのか、 やはり私も幼児返りなのか、 それ以後、 スーパーで数回買ってきた。 あまり夫のことを笑えない。  枇杷やイチジク、 柿など、 庭先で採れたり近所から貰っていたものが、 結構高い値段で売られるようになったのはいつ頃からだろうか?やはり高度成長の時代以降かもしれない。 江戸時代の初めに長崎経由で薬樹として伝来したイチジク。 原産はメソポタミア、 六千年以上の永い歴史をもつ果物なのだ。