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切り抜き詳細

発行日時
2014-9-7 9:02
見出し
バルテュス展
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3960 バルテュス展への外部リンク
記事詳細
 バルテュス (本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ、 一九〇八~二〇〇一年) の絵画展をみたくて、 丹波での句会を済ませ京都で途中下車、 岡崎の美術館を訪ねた。  大分前、 同級生との旅の途中、 横浜のデパートで 「節子・クロソフスカ・ド・ローラ」 という女性の個展を見た。 スイス在住の画家バルテュスの妻で自身も画家、 その生き方にとても感銘して、 彼女の自伝を買った。 二十歳のとき、 日本を訪れたバルテュスに一目ぼれされ、 熱心なプロポーズに三十歳以上の年の差結婚に踏み切る。 ピカソから 「二十世紀最後の巨匠」 と言われたバルテュスの晩年を支え続けた。 日本びいきの夫のために、 いつも和服をきちんと着こなし、 画業と日常生活を支え続けた暮らしを、 いとも軽やかに書いた自伝にはとても気品が感じられた。  バルテュスの絵の重要なモチーフは少女と猫。 未完成で危うい少女の美しさを、 これほど見事に描いた画家はない。 また幼い時から自分の分身のように愛したのが猫だ。 若い頃の自画像に寄り添う猫や少女の撫でる猫の姿に見入ってしまう。 ポーランド系フランス人の彼にとって、 もう一人重要な影響を与えたのが詩人のリルケだ。 共に芸術を愛した両親のサロンに来ていたリルケ、 彼は後に母親の愛人となるが、 何かとバルテュスの画業を支えた。  私が立ち寄った日は、 二時から京都芸術大学の学生によって、 バルテュスが毎日好んで聞いたというモーツアルトの演奏会があり、 弦楽四重奏に聞き入った。 絵画と音楽療法の幸福を味わう一日だった。