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切り抜き詳細
発行日時
2014-9-7 8:56
見出し
「丹波栗きん豚」商品化へ 丹波栗B級品エサに 近藤栄一商店と氷上高校が共同開発
リンクURL
http://tanba.jp/modules/topics/index.php?page=article&storyid=8250
記事詳細
近藤栄一商店 (丹波市春日町新才) と氷上高校 (同町黒井) が産学共同で、 「丹波栗きん豚」 を開発した。 同校で飼育される豚に丹波栗のB級品を餌 (えさ) として与えることで、 肉質のやわらかくておいしい豚肉が生産できるようになった。 開発から約20年がかりで、 特許庁から認証を得た。 生産した豚肉を地元スーパーで販売するほか、 料亭で味わえるようにする。 市場に出せない丹波栗の活用と合わせ、 地域経済活性化をにらんだ取り組みが注目を集めそうだ。 スペインのイベリコ地方で生産され、 肉質の良さで世界的に知られるイベリコ豚をヒントにした。 イベリコ豚は、 ドングリを餌として与えているが、 丹波栗きん豚には、 ドングリと共通する成分のシステインを含む栗と、 パイナップルの搾りかすの成分のブロメラインを同時に与えた。 与える前と与えた後の豚の検体を検査した結果、 給餌後はうま味成分のグルタミン酸が25倍、 アラニンが5・5倍多く含まれていることがわかった。 同商店の近藤雅朗会長 (60) は、 「丹波に来たら栗きん豚を味わえると評判になれば、 観光で訪れる人も増えるのでは」 と話す。 同商店を中心に同校やスーパーのアルティ (春日町黒井)、 料亭大和 (氷上町石生) や丹波栗生産者がタイアップ。 中兵庫信用金庫春日支店がそれらを結びつけた。 丹波栗きん豚を通し、 地域経済が潤う仕組みを作る。 4、 5の両日に神戸国際会議場で開催された 「国際フロンティア産業メッセ2014」 にも出展。 同商店や同校生徒らが来場者に丹波栗きん豚や、 豚肉料理をPRした。 同校営農科の山内英昭教諭は、 「養豚農家が市内で数少なくなっている。 付加価値が高まり消費拡大が進めば、 栗の餌を使って豚を新たに生産する人が出てくるのでは」 と期待する。 生徒の鳥倉成将君 (3年) と森絵里佳さん (同) は 「脂身が甘く、 おいしいと言ってもらってうれしかった」 と笑顔。 大和の余田亮一さん (62) は、 「関西では豚よりも牛肉が主流だが、 おいしい豚を提供できればと思い、 近藤さんと話を進めてきたのが、 ようやく軌道に乗ってきた」 と喜ぶ。 同商店は、 武庫川女子大学の松井徳光教授 (生活環境学部食物栄養学科) との共同開発で、 しょう油、 味噌、 納豆の3つの食材を含んだ 「丹波納豆おから味噌」、 牛肉をおいしくするうま味物質のグルタミン酸とアラニンが豊富な但馬牛の肉 「卑弥呼」 も開発。 いずれも特許の認証を受けている。