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切り抜き詳細
発行日時
2014-8-10 8:19
見出し
夜の秋
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3936
記事詳細
立秋を過ぎ暦の上では秋、 しかし暑い。 土用の頃と違うのは日が少し短くなったこと。 夜になると虫の声もして、 なんとはなしに秋を感じる。 こうした季節に最もふさわしい季語が 「夜の秋」。 俳句では晩夏の季語なのだが、 実際の季節感としては、 ちょうど今頃。 この季語の初出は大正のはじめで、 原石鼎 (はらせきてい) の〈粥すゝる杣 (そま) の胃の腑や夜の秋〉で、 晩夏の季題として定めたのは、 その師である高浜虚子。 これには反対説もあり、 「古人の夜の秋と詠ひたるものは、 すべて秋の夜のものなり」 と同時代の俳人青木月斗は書いた。 また、 ある気象学者も 「暦通りに夜の気温が下がり始めるのは立秋以降だから、 夜の秋の季語は秋とした方が合理的だ」 と言っている。 これに対して、 文芸評論家で俳句に造詣の深かった山本健吉は 「科学的な厳密さをたてまえとしている人たちは、 こういう気分を主とした季語にはなじめないであろう。 しかし、 夜の秋を夏の季語とすればこそ面白いのであって、 秋の季語なら何の変てつもないはずだ。 秋を感じるのは温度計ではなく気分であり主観なのだ」 と論じている。 日本人の暑さ対策は世界でも比類のないものだと思う。 例えば風鈴、 耳から感じる涼しさだ。 私と前後十歳くらいの年の差の人なら、 蚊帳とか陶枕 (とうちん) の記憶がおありだろう。 田舎なら明け放して寝ることもできたし、 今より三度は低かったのでは。 社会の不安などもあり、 閉め切ってエアコンをつける時代、 こうした味のある言葉は消えてゆく。 せめて俳句でとどめたい。