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切り抜き詳細

発行日時
2014-7-24 8:33
見出し
自宅で丹精30種「高い質めざす」 障がい乗り越え果樹栽培 春日町の細見さん
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記事詳細
 丹波市春日町多田の細見正彦さん (64) は、 小児まひや脳梗塞などを患った影響で体が不自由ながら、 自宅横の農場で30種類の果樹を栽培し、 収穫した果物を知人に送り届けている。 販売はしないが、 店に並んでいるくらいの質の高い出来を目指して栽培に励んでいる。 細見さんは 「手間をかけた分、 収穫できたときに喜びを感じる。 送った人が喜んでくれるのでうれしい」 と話している。 写真・自宅で30種類の果樹を栽培している細見さん=春日町多田で  広さ130平方メートルほどの農場には、 ブドウやナシ、 リンゴなど多くの果樹が植わっている。 収穫まで数年かかるというナシやカキなどは、 「接ぎ木」 をすることで収穫までの時間が短縮できるため、 1つの木に2品種を接ぎ木して栽培している果樹もある。 「とにかく観察することを大事に栽培している。 葉の裏に虫の卵がないかなど、 普段との違いに気づくことが大切」 と話す。  毎年、 ブドウは400房ほど、 洋ナシのラフランスは約250房など、 どの果樹も数多く収穫している。 多くは知人に送り、 「 『孫が喜んで食べていたよ』 とお礼の手紙をもらうことがある。 頑張って育てようという励みになっている」 と話す細見さん。 近所の人にも農園を開放し、 果物狩りを楽しんでもらうこともあるという。  細見さんは幼いころに患った小児まひの影響で、 右足が思うように動かせない。 55歳のときには脳梗塞にかかり、 30年ほど勤めた福知山市の日本料理店を退職。 4年前からは2日に一度、 透析のために通院している。  高校卒業後、 趣味になればとブドウを植えたが、 ほとんど収穫できなかった。 その後も数種類の果樹を植えたものの、 なかなか本格的に果樹栽培に取り組めなかった。 10年ほど前、 春日町主催で行われた果樹講座を受講。 基本的な栽培方法や接ぎ木の技術を学び、 少しずつ栽培する数を増やした。  体が思うように動かせないことから、 果樹はいすに座って作業ができる高さに剪定。 リンゴやナシなど、 背が高くなる木は甥や姪に作業を手伝ってもらっている。 草取りをさせる目的で、 冬場は、 ニワトリを果樹園に放す。 フンが肥料にもなるという。 春になると、 日本料理店に勤務した腕前を生かし、 ニワトリを解体して食べるという。  細見さんは 「栽培するからには、 店に並んでいる果物のように立派に育てたい。 これからは人があまり作っていない果樹を栽培したい」 と話している。