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切り抜き詳細
発行日時
2014-5-22 10:52
見出し
嗜好徒然
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3857
記事詳細
私の嗜好は味の良し悪しより、 そのもの自体に付随する物語で決まることが多い。 夫は普段、 甘いものを好まないが、 なぜか、 シュークリームは食べる。 それは、 彼が小さい頃、 お父さんが仕事帰りによく買ってきてくれたお土産がシ ュークリームだったからで、 彼自身の良い思い出と結び付いているのだ。 私自身は、 汁を含んで時間が経ち、 伸びきった麺に愛着を感じる。 それは、 まだ私が子どもの頃、 普段全く台所に立たない父が、 その日は母の体調が悪かったか、 不在だったかで、 おみそ汁の中に乾麺をそのまま入れて、 これでもかとくたくたに煮たものを作ってくれたことがあった。 料理上手な母だったら絶対作らない、 料理とも呼べない食べ物だったが、 その麺を 「美味しいか?」 と私に笑顔で聞きながら、 楽しそうに食べている父の姿が記憶に残っている。 それ以来、 わざと時間をおいて伸びきらせた麺が好物になった。 食べるたびに、 あの時の父の笑顔を思い出す。 私にとっては、 父の笑顔と共に食べられる、 くたくたに伸びきった麺は、 美味しいものの一つなのである。 同じような理由でみかんをあまり食べない。 それは、 学校給食で残ったみかんを家で食べようと持ち帰った日、 そのみかんを兄が間違えて食べてしまい、 私が責めた時に兄が浮かべた悲しそうな表情を、 今でも食べるたびに思い出して、 切なくなってしまうからだ。 セピア色の思い出がふとした瞬間に顔を出す。 あなたにもあなたの物語、 ありますか。 (土性里花・グループPEN代表)