6月1日に由良川のアユ釣りが解禁される。これを前に由良川漁業協同組合(須藤寅雄組合長)は20日、福知山市などの川でアユの試し釣りをし、生育状況を確かめた。天然もののそ上が盛んで、釣果も良く、期待が持てるという。
漁協では今年度、由良川本支流にアユの稚魚約3・8トン(約52万匹)の放流を計画。綾部市内では4月下旬に行ったが、市内では堤防工事の関係もあり、例年より遅く今月20日から始めた。
試し釣りでは天然アユを狙った。組合役員10人が、戸田橋上流で打ち合わせをしたあと、この付近と音無瀬橋下流、川北橋上流の3ポイントに分かれ、それぞれ約2時間、竿を出した。
音無瀬橋下流では、ウエットスーツに身を包んだ組合員3人が、長い専用竿を手に川に入り、自分の縄張りに入ってくるアユを追い出そうとする習性を利用する、おとりアユをつけての友釣りをした。
最初の30分ほどは手ごたえなく苦戦したが、その後、浅瀬へと場所を移すうちに針にかかり、手際良く取り込んでいた。釣果は22匹。体長は12センチ−15センチだった。
他のポイントでは友釣りのあと、ころがしといわれる素掛けを試した。釣果は良く、体長16センチのものも上がった。
アユ釣りを始めて60年近くになるという漁協組合員の芦田卓さん(75)は、音無瀬橋下流で見学。「水害で河川が氾濫した翌年は、アユの釣果が上がる傾向がみられる。アユの餌となる藻が付いた岩がある浅瀬に群がるようだ。ただ、どの場所に行っても根気強く待たないと掛からない」と話していた。
解禁は1日午前6時からで、漁には遊漁証(日券は7月5日から販売。それまでは年券のみ)がいる。問い合わせは由良川漁協=電話0773(22)2844=へ。
写真=音無瀬橋下流で釣り上げたアユ(上はおとり)