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切り抜き詳細
発行日時
2014-4-27 8:56
見出し
原発事故想定の甲状腺被ばく量 丹波市、篠山市ともに基準の2倍超
リンクURL
http://tanba.jp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1931
記事詳細
兵庫県は4月24日、 福井県の4原子力発電所で、 東京電力・福島第1原発と同レベルの事故が起きた場合の県内への放射性物質の拡散予測を発表した。 予測の公表は昨年4月にも行っているが、 前回が県内4地点だったのに対し、 今回は621地点と大幅に対象を拡大。 篠山市では高浜原発での事故が最も影響が大きく、 前回予測よりも数値は下がっているものの、 1歳児の 「甲状腺被ばく線量」 が国際基準の2倍以上になると予測。 丹波市では前回予測よりも高浜原発の影響が増加し、 こちらも基準の2倍以上となることが判明した。 一方、 成人を想定した 「実効線量」 は、 同基準を超える自治体はなかった。 県は▽高浜 (関西電力) ▽大飯 (同) ▽美浜 (同) ▽敦賀 (日本原電) ―の各原発が事故を起こし、 福島原発と同レベルのセシウムとヨウ素が6時間放出されたと想定。 過去3年間の気象データで最も平均的な2009年の気象を適用し、 時間ごとに区切った8760ケースで被ばく線量が最大となる時間を特定した。 さらに前回は篠山市、 丹波市、 神戸市、 豊岡市 (各市役所所在地点の周辺4キロ四方) での予測だったが、 今回は1辺4キロ四方、 県内621地点に分けて予測した。 推計した被ばく線量は、 「甲状腺等価線量」 と 「実効線量」 の2種類。 甲状腺のみに対する指標である 「甲状腺等価線量」 では、 大人よりも甲状腺への影響を受けやすい1歳児について、 1週間の積算被ばく量を推計。 IAEA (国際原子力機関) は、 甲状腺がんの発生を抑制する 「安定ヨウ素剤」 を服用する基準を1週間で50ミリシーベルトとしている。 前回、 高浜で基準の3倍超の167ミリシーベルトと予測された篠山市は、 今回、 100・1ミリシーベルトと減少したものの2倍超。 大飯では前回の80ミリシーベルトから83・7ミリシーベルトに増加、 基準を上回った。 丹波市では前回予測で81・8ミリシーベルトとされた高浜の影響が、 今回は107・8ミリシーベルトとなり、 基準の2倍超と大幅に増加。 前回106ミリシーベルトだった大飯が94・8ミリシーベルトとなり、 減少したものの高い数値を示している。 美浜、 敦賀では基準を下回った=表参照。 今回のデータでは31市町で基準を超え、 高浜の影響を最も受けるのは三田市 (139・4ミリシーベルト)、 大飯は猪名川町 (128・3ミリシーベルト) と、 丹波地域も含めた県中東部への影響が大きいことが分かった。 基準を超える確率は0・2―1%と予測している。 一方、 大気中と地表に付着した放射性物質からの全身に対する内部、 外部被ばくの指標となる 「実効線量」 は、 成人の場合で推計。 IAEAは、 屋内退避や除染を行う基準を1週間で100ミリシーベルトとしている。 同線量では、 両市ともいずれの発電所のケースでも、 IAEA基準を超える結果にならなかった。 兵庫県に最も近い高浜原発から県境までは約40キロ。 「原発事故時に緊急防護措置が必要となる区域 『UPZ』 を原発からおおむね30キロを目安」 としている国の原子力災害対策指針では圏外に位置する。 しかし、 県では、 福島原発事故時に30キロ圏外でも防護措置が必要になったケースがあったため、 昨年4月に独自に拡散シミュレーションを行い、 今回はさらに詳細なデータ収集を実施した。 県は、 3月28日に関西広域連合を通じて国に原子力防災対策の拡充を申し入れたが、 今回の結果を踏まえて、 対策の具体化を働きかけ、 県の地域防災計画にも反映させる。 丹波市防災対策室は、 「最重要課題と位置づけ、 具体的な検討に入るよう市長の指示を受けた。 安定ヨウ素剤の保管、 管理の方法を含め、 早急に方針を打ち出したい」 と話している。