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切り抜き詳細
発行日時
2013-12-22 8:31
見出し
杉原谷の紙漉(す)き
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3723
記事詳細
丹波の句会員たちと杉原谷へ吟行した。 紙漉きは俳句では冬の季語となっている。 寒い方が締まった良い紙ができることと、 昔は農閑期を利用して家の中でできる仕事とされていた。 丹波布など、 昔は日常着として使用されたものが、 今では伝統工芸、 民芸として工芸館などで伝承されているのと同じで、 全国的に紙漉きも戦後一斉にすたれた。 そして、 再び各地で保存され、 道の駅などに併設した館などで紹介されている。 和紙を使うことが日常からなくなった時期は、 ちり紙がティッシュと呼ばれるようになり、 筆の代わりに筆ペンを使い始めた頃からであろうか。 さて、 丹波市からトンネルを一つ越えると播州多可郡、 こんなに近いとは思わなかった。 道の駅から川を渡ると、 杉原紙研究所がある。 ガラス越しに、 男性が紙を漉いている。 幹事さんが予約をしておいてくれたので、 紙漉き体験の部屋へ案内される。 ハガキ二枚ほどの和紙を漉き、 色を入れる作業をみな真剣にやっている。 説明を聞きながら十分ほどで終了。 あとは館内を見学して、 紙を漉いている人に質問したりする。 杉原紙という名前は全国的につかわれていたが、 その名前のルーツがこの杉原谷であることを発見したのが寿岳文章氏。 その蒐集品などの展示された文庫が隣にあり見学。 英文学者でありながら、 和紙のルーツを訪ねて全国を歩かれた氏の生き方に感動した。 道の駅の向かい側に青玉神社がある。 樹齢千年という夫婦杉や乳の出を祈る大銀杏などがあった。 一月にはコウゾの寒晒しなども見られるとか、 また来てみたい。