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切り抜き詳細
発行日時
2013-12-15 9:12
見出し
熊送り
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3717
記事詳細
宮沢賢治に 「なめとこ山の熊」 という童話がある。 主人公は、 熊捕り名人の小十郎。 小十郎は好きで熊を仕留めているのではない。 家族を養うため、 やむなく生業としている。 熊を撃つたびに、 小十郎は 「てまえを憎くて殺したのでねえんだぞ」 とささやいた。 ▼熊たちは、 そんな小十郎を好いていたのだが、 最後に熊に殺される。 意識が薄れる中、 小十郎は心の中で 「熊ども、 ゆるせよ」 とつぶやく。 生活のためとはいえ、 殺生をしてきたことを詫びながら息絶える。 熊たちが小十郎の死骸に寄り集まり、 その霊を弔う場面でこの童話は終わる。 ▼河合雅雄氏は、 この場面を人送りの儀式とし、 アイヌの熊送りの祭と重ねている (「宮沢賢治の心を読む」)。 熊の死骸を囲んで祭をし、 肉や毛皮を与えてくれる熊に感謝しつつ、 霊をあの世に送るのだ。 ▼人は、 生きとし生けるものの命を取らずには生きられない。 しかし、 人は、 生きとし生けるものの一つであり、 何ら特別なものではない。 そんな思想が熊送りにはあると、 梅原猛氏はいう。 ▼最近、 熊の話題が弊紙をにぎわせている。 出没や被害が続く場合は、 有害捕獲として殺処分されるという。 やむない措置であろう。 しかし、 熊も生きとし生けるものの一つ。 そんな措置をとらせぬよう、 どうか奥山にひそんでいてほしい。(Y)