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切り抜き詳細
発行日時
2013-11-24 8:59
見出し
最大の教育
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3697
記事詳細
きょう24日まで植野記念美術館で、 篠山市に住む関口寛治さんの喜寿記念彫刻展が開かれている。 関口さんは、 兵庫県文化賞を受けた彫刻家、 初代磯尾柏里の四男で、 長く柏原高校の美術部顧問を務めた。 ▼柏原高に奉職して間もない頃、 関口さんは父親について新聞の取材にこう答えている。 「親が一生懸命にやっている姿は打たれるものが大いにありますね。 何も言われなくても最大の教育です」。 ▼初代柏里は決して円満な人格者だったわけではないが、 彫刻にかける情熱にはすさまじいものがあった。 そんな父親のありのままの姿が無言の教育となったのだろう。 ありのまま子どもに対する。 この姿勢は、 親だけでなく学校教諭にも大切だろう。 ▼思想家の吉本隆明は、 先生にとって大事なのは 「地」 を出すことという。 「自分がふだん何を勉強しているか、 ふだん何をやっているか、 性格はどんなふうか、 自分の本来の姿を隠さず出せればそれで十分なのだ」。 良き先生に見せようと、 いかにとりつくろうとも、 生徒は先生の 「地」 をしっかり見抜く。そして、その「地」 こそが最大の教育となる。 ▼関口さんの彫刻展は、 柏原高校美術部の教え子たちが企画し、 準備した。 教え子がみずから骨を折ったのは、 関口先生の豊かな地にひかれ、 感化を受けたからに違いない。(Y)