パソコンとスマートフォンのウィルス対策大丈夫ですか?
あっぷ丹波がお奨めするウィルス対策ソフトはこちら
今なら1台あたり年額約450円から
さらにさらに期間限定で1台あたり年317円!!

オルビス

切り抜き詳細

発行日時
2013-11-21 10:46
見出し
あの時確かに立っていた場所
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3691 あの時確かに立っていた場所への外部リンク
記事詳細
 24歳の時、 北から南へ3泊4日で走る列車の駅弁が食べたくて、 インドへ行った。 インディラ・ガンジー国際空港に到着したのは真夜中で、 じっとりと肌にまとわりつく暑さの中、 リムジンバスとは名前ばかりのバスに乗り込み、 インドの生温かく埃っぽい風を顔に受けながら、 ニューデリーの街の明かりが見えてくるまで心細い気持ちで窓の外を見ていた。  バスを降りてやっと見つけた安宿にチェックインする時には、 体中汗だくで、 心の中は不安だらけ。 受付でパスポートを見せる時は、 お腹にさらし (!) で巻いていたので廊下の隅でおへそを見せながら取りだす醜態を乗り越え、 ようやく部屋に入ることができた。  インドでの初めての夜は、 小さな荷物が部屋のどこに置いても無くなりそうで不安で、 リュックを枕にして寝たのを覚えている。 ごつごつしてとても寝にくかったことも。 夜が明けて街に出てみると、 牛、 人、 犬、 猫、 カラスが一気に視界に入ってくるあまりの雑多さに、 脳天にガツーンと衝撃を受けていた。  その上、 インド人は、 一人リュックを背負って所在なさげにうろうろしている日本人を放っておけないらしく、 こちらの気持ちにお構いなしでどんどん話しかけてくる。 話しかけられないように下を向いて歩いていると、 ただのぼろ布だと思っていたものがもぞもぞと動いて、 その下から人間が顔を出したりする。  常識では測れない、 正論じゃ語れない世界に、 あの時、 確かに私は立っていた。  (土性里花・グループPEN代表)