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発行日時
2013-11-7 11:39
見出し
本尊430年ぶりの修復 歴代住職の悲願叶え 小多田の善導寺
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 篠山市小多田の善導寺 (加藤義康住職) で11月4日、 修復が進められていた本尊・薬師瑠璃光如来座像に魂を入れる 「入仏開眼供養会式」 が営まれた。 鎌倉時代の作とされ、 兵火に遭いながらも地域住民らが守り続けてきた宝の本格的な修復は実に約430年ぶり。 開眼法要を営む加藤住職らの読経が厳かな空気に満ちた本堂に響く中、 信徒らは手を合わせて静かに祈りをささげていた。  寄木造りの座像は、 ヒノキとみられる針葉樹製で像高51・5センチ。 修復は仏師の岩本凌慶さんらが手がけた。  元は同寺に近い山腹にあったとされ、 平安時代に創建された 「興聖寺」 の本尊で、 作風などから東大寺南大門で有名な運慶・快慶の流れをくむ慶派の仏師が1200年代に制作したものと推定されている。  興聖寺は天正6年 (1578)、 明智光秀の丹波攻めの際に八上城の落城と運命をともにして焼失。 しかし、 薬師如来像は僧侶らの手によって兵火を免れ、 文禄元年 (1592) に善導寺が創建された際に本尊としてまつられるようになった。  兵火の傷跡や善導寺が創建されるまで雨ざらしであったことなどから、 当時から激しく傷んでいた像。 指が欠落していたり、 鎹 (かすがい) で無理な補強がなされているなど保存状態は悪かった。  副住職の加藤善明さんが岩本さんらと親交を持ったことなどから、 本尊修復の機運が高まり、 約2年3カ月をかけて修復が行われてきた。  法要には信徒ら約70人が参加。 住職らとともに読経をし、 生まれ変わった本尊を目にすると、 「南無阿弥陀仏」 と手を合わせていた。  また法要に併せて講演会も開かれ、 岩本さんと龍谷大学の石川知彦教授が記念講演を行った。   「先代が 『何とかしなければ』 と話していたことを思い出す」 と語り、 歴代住職の悲願を叶えた加藤住職は、 「気持ちが引き締まる思い。 多くの人の力添えで修復ができ、 とても感謝している」 と話していた。