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切り抜き詳細

発行日時
2013-9-12 9:18
見出し
おばあちゃんのへら台
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3630 おばあちゃんのへら台への外部リンク
記事詳細
 妙にかしこまった小さなお客様の前に 「お客様、 本日のランチはオムライスとじゃが芋のスープでございます。 どうぞごゆっくり♪」 と丁寧にお皿を差し出す。 「どうもありがとう。 美味しそうだわ」 とニコニコ顔の小さなお客様方。 そして、 「まぁ美味しいわ。 とっても素敵なレストランね」 と大人顔負けの返しをしてくれる。 これ、 うちの縁側でよくある光景。  週末になると時々、 子どもが増える。 娘はうちでお友だちとご飯するのが楽しみで、 多少人数が増えようが用意するのは同じだし、 お友だちと一緒の食事だとチビ助も落ち着いて食べてくれる。 後ろから眺めると、 小さな背中が行儀良く並んで、 楽しそうなお喋りと、 カチャカチャと忙しそうにスプーンとお皿が触れ合う音が響いている。  小さなお客様のテーブルは、 実は私の祖母が着物の仕立てをしていたへら台。 2メートル弱の細長く低い、 くすんだ一枚板には大小様々な傷や熱したこての焼き型が残っている。  祖母の仕立てた着物は着易いと評判で、 へら台の横には年中、 こてを熱するために火鉢に火が入れられていた。 冬場、 学校から帰ると、 ほんわり暖かく静かな部屋で祖母が針仕事をしながら 「おかえり。 焼けてるえ」 と、 高島屋の包装紙に包んで手渡してくれた手作りのおかきは、 じんわりじんわり焼かれて染み込んだ醤油が香ばしかった。 雨の日はへら台の角でお絵かきもしていたな。 時を越えて今は子どもたちのカフェテーブルに。 古傷の横には小さな落書きが増え出している。 (古谷暁子・ブルーベリー農家)