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切り抜き詳細

発行日時
2013-9-1 9:01
見出し
論語
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3622 論語への外部リンク
記事詳細
 本紙6面で 「論語」 についての講演録を載せている。 論語と聞いて思い出す人物に、 柏原藩の儒者で丹波聖人と言われた小島省斎がいる。 もう一人が、 大物実業家の渋沢栄一だ。 ▼若い頃、 家業の煙草商を営んでいた省斎。 仕事で豊岡の宿に泊まったとき、 同宿した若い娘が弟に論語の素読を授けている光景に出くわした。 娘の賢明さに感心した省斎は、 娘にアプローチし結婚した。 なれそめが論語とは恐れ入る。 ▼その省斎に 「人我を敬う。 吾もとより漠然たり。 人我をあなどる。 吾また漠然たり。 我はただ、 吾が信ずる所を勉むるのみ」 という言葉がある。 自分の尽くすべきことに尽くし、 自分に対する他人の評価に振り回されない。 これは、 論語の 「人知らずしていきどおらず。 また君子ならずや」 に通じる。 渋沢はこの教えを肝に銘じたという。 ▼ 「片手に論語、 片手にそろばん」 を貫いた渋沢にこんな逸話がある。 原敬が内務大臣をしていた時のこと。 ある代議士が面会に訪れると、 たくさんの人が待っていた。 自分は代議士だからと、 順番を無視して原に会いに行こうとすると、 列の後ろの方で渋沢がちょこんと座って順番を待っていた。 渋沢は、 原の大先輩なのに、 かさに着ない。 代議士は大いに恥じたという。 ▼論語を通して人格を磨いたことを物語る話である。(Y)