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切り抜き詳細
発行日時
2013-8-22 9:53
見出し
1歩ずつ、1歩ずつ…
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3611
記事詳細
何気なくふと目をやった先には、 外国人のカップル。 背の高い男性が、 腰をかがめて何やら手渡している。 背の小さな女性は弾けんばかりの笑みを見せながら、 「オー、 マイ、 ガー」 といって男性に抱きついた。 愛の告白だったに違いない。 その数分後、 真っ赤に輝くご来光が、 みんなの顔を照らした。 世界遺産の富士山に登った。 自宅のある地元校区の有志でつくる 「幸世倶楽部」 の一行20人で山頂をめざした。 夕方6時に5合目を出発し、 ヘッドランプをつけながら夜の山道を、 岩場を登っていく。 水分をこまめにとり、 酸素も吸う。 山小屋のトイレで用をすませば、 快く200円を料金箱に投げ入れる。 怖いもの知らずの素人ばかりの陽気な旅のはずが、 高度を増すごとに無口になる。 見上げても頂上が近くなっている実感はない。 1歩ずつ、 1歩ずつ。 今から思えば、 高山病の手前だったのだろう。 頭が痛い。 それでも1歩ずつ足を前に出すしかない。 心拍数が上がる。 Tシャツ姿でスタートしたが、 山頂では分厚いジャンバーを羽織ってもまだ寒い。 すがすがしい気分を味わったかと思うと、 先の見えない道のりにため息をつく。 頭痛のつらさに耐え、 それを忘れさせる絶景を眺める。 夏と冬を体感し、 小さな恋にも触れた。 達成感に意気揚々としたと思えば、 弱りきった足腰にとどめをさすほどのつらい下り坂が待っていた。 いろんなものが詰まった1日だった。 1歩ずつ、 1歩ずつ。 登山中、 自然と頭の中で繰り返していた言葉だ。 そんな当たり前のことを確認する旅だった。 下山後に見上げた富士山は、 出発する前よりもでっかく見えた。(芦田安生)