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切り抜き詳細
発行日時
2013-7-14 9:35
見出し
富士山
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3579
記事詳細
ついに富士山がユネスコの世界文化遺産に登録された。 十年前、 自然遺産としての登録を目指したが、 山麓開発がもたらしたゴミなどの環境問題で、 国内選考ですら落選した。 三年前から文化遺産としての登録に切り替え再チャレンジ。 富士山の歴史的、 文化的に及ぼした影響の大きさにより認められた。 おまけに、 一旦は除外されていた 「三保の松原」 も認定ということで、 富士山の周辺を巡るツアーは大幅に増えるだろう。 東京行きの新幹線に乗ると、 進行方向に向かって左側の席がいっぱいだ。 一瞬だが富士山が見えた日は、 何だかとても得をした気分になる。 昨年の八月の始め、 俳句の仲間と日帰りで 「富士五合目と白糸の滝」 バスツアーに参加した。 名古屋駅では晴天、 夏富士が満喫できると喜んだ。 しかし、 裾野に近づくにつれて曇り始め、 五合目に到着したときは深い霧に閉ざされてしまった。 白糸の滝は見たけれど、 富士山の姿は一度も見ないまま帰った。 山の天気は変わりやすいからとわかっていても悔しかった。 富士山は日本一高い山として登山、 観光のほか、 信仰の山でもある。 また古くから、 和歌や俳句、 浮世絵など芸術の対象としても描かれてきた。 その文化的な要素を主張することで、 三保の松原も認められた。 これについては、 近藤文化庁長官をはじめ、 これに関わった方々の努力の成果であろう。 富士山開きの翌日、 朝日新聞にこんな川柳が載った。 「山開き拝んで帰る人の尻」 「なんとなく拝む気も失せ富士の山」。 ともに庶民の気持ちをうまく代弁している。