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切り抜き詳細

発行日時
2013-6-30 8:43
見出し
気高さと愚かさ
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3567 気高さと愚かさへの外部リンク
記事詳細
 人は愚かな存在である。 自分を棚に上げ、 他人を責める。 他人の成功をねたむ。 他人をおとしめることで、 自分の優位を誇ろうとする。 分別を見失って逆上する。 徒党を組み、 多勢を後ろ盾に常軌を踏みにじる。 我が身かわいさに、 保身をはかる。 他人をいじめて快感、 興奮を覚える者もいる。 ▼人は愚かであると同時に、 気高い存在である。 美しいものにふれて、 感動する。 他人が困窮している様子にいたたまれない思いを持つ。 他人の悲しみを自分の悲しみとし、 他人の喜びを自分の喜びとする。 他人の優しさにふれ、 涙を流しもする。 ▼私たちの生きる社会は善と悪、 正と邪が入り混じり、 理不尽もまかり通る混沌の世界。 それと同様に、 人も混沌としている。 たとえば他人をあなどりもすれば、 いたわりもする。 同情と侮蔑、 博愛と差別。 対立する事項が同居しているのが人のまぎれもない姿だ。 ▼自分の中には、 気高さと愚かさが、 よりあわせた縄のようにからみあっていることを自覚したい。 その上で、 より気高く生きようとするか、 愚かさを好むのか。 そのどちらを尊ぶのが、 人として救われるのかは言うまでもない。 ▼いじめは、 人の愚かさを映し出した行為。 いじめを見て見ぬふりをするのも愚かしい。 愚かさと併存している気高さを傷つけず、 大切にしてほしい。(Y)