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切り抜き詳細
発行日時
2013-6-13 8:36
見出し
6月の香りは想い出の香り
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3547
記事詳細
空梅雨のピカピカの空のした、 ほんのりとした桃色に黄色に緑色の小梅を干す。 周りには甘くて優しい香りが広がる。 その香りに誘われてオチビが食べようとすると、 「食べたらお腹痛い痛いやで!」 と、 祖母によく言われたことを言っていた。 そんな申年生まれの祖母はいつも梅干を作るとき、 「お婆ちゃんの年の梅が一番美味しいんやで」 が口癖だった。 小梅を干している間にせっせと終わりかけの実エンドウをサヤから取り出す。 ほんのりと青臭い豆の香りに包まれ、 祖母もこの時期には台所で新聞紙を広げ、 豆を出したり、 山椒の実を掃除し、 横で一緒に手伝ったりしたことを思い出した。 今、 新緑の山々に色を添える淡い黄色の栗の花が、 台所から見える。 心地よい風と共に、 栗のえも云われぬ香りが運ばれてきて、 また思い出す。 母が身篭った時、 どうにも我慢ならない匂いが、 栗の花と祖父の黄緑色のポマードだったそう。 そうそう、 明治生まれの几帳面さを表したかのような七三を作るべく、 祖父はお風呂上りなのに櫛にペッタリとポマードをつけ、 髪をぴっちり分けていた。 夕飯前だから食事中に臭くて私も何度か抗議したことがあった。 その髪分け儀式後は笑顔でなみなみと徳利にお酒を入れ、 溢れたのをなぜか顔にピタピタと塗っていた。 家族は閉口していたが、 あれは化粧水代わりだったのか? 6月の晴れ間、 丹波の様々な香りから懐かしいことをふと思い出し、 一人ふふふと笑うのだった。 (古谷暁子・ブルーベリー農家)