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切り抜き詳細
発行日時
2013-5-16 9:52
見出し
藤坂の御田植祭
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3521
記事詳細
篠山市藤坂の春日神社に伝わる豊作祈願の神事 「御田植祭」 を取材した。 この時期、 全国各地で同様の神事が行われることを知ってはいたが、 実際この目で見るのは初めてだった。 この神社が受け継いでいる御田植祭は、 テレビのニュースで取り上げられることの多い、 花笠姿の早乙女達が、 実際の田んぼに稲の早苗を植えるものとは違い、 神社の舞堂を模擬田とし、 宜 (ねぎ) と呼ばれる氏子当番が数人で、 田起こしから田植えまでの工程を所作で表すもの。 木彫りの牛の面を付けた牛役を先頭に、 鋤 (すき) や鍬 (くわ) を手にした農民役が後に続き、 「奥の田んぼ 口の田んぼ…」 の囃子に合わせて、 ぐるぐると堂内を回る。 素朴な所作であったが、 その非日常的な空間からは厳かな気配が強く伝わってきた。 全世界とインターネットでつながり、 携帯電話を駆使する文明社会の片隅で、 伝統が脈々と受け継がれていることの不思議。 村の人々が神事に懸命に取り組んでいる姿を目の当たりにし、 「自然とともに生きていこう」 という強い意志が、 今も伝承されていることを感じた。(太治庄三)