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切り抜き詳細
発行日時
2013-4-5 9:14
見出し
戦後復興期の丹波焼 兵庫陶芸美術館でテーマ展 6月23日まで
リンクURL
http://tanba.jp/modules/topics/index.php?page=article&storyid=6605
記事詳細
兵庫陶芸美術館 (篠山市今田町上立杭、 079・597・3961) でテーマ展 「戦後復興期の丹波の作家たち―市野弘之・生田和孝・大上昇・市野信水」 (同美術館、 丹波新聞社主催) が開かれている。 戦後の低迷期を乗り越えて、 丹波焼の復興に尽力し、 現代の丹波焼の礎を築いた4人の陶芸家を紹介している。 6月23日まで。 月曜休館 (4月29日、 5月6日は開館。 翌7日休館)。 開館時間は午前10時―午後7時。 大正時代、 ガラス瓶の台頭で丹波焼の生産は減少。 昭和時代に入ると、 石膏型成形などによる生産の効率化が図られ、 戦時中には硫酸瓶のような規格化した製品を多く手掛けた。 戦後は物資の不足で、 硫酸瓶、 すり鉢、 甕 (かめ) などが飛ぶように売れたが、 次第に人々の生活が落ち着き、 暮らしの中にやきものが浸透すると、 丹波焼の需要は次第に減少し、 低迷期を迎えた。 丹波焼の窯元に生まれた市野弘之氏 (89) =同町上立杭、 延年窯窯元=、 大上昇氏 (1929―2002年) =同町下立杭=、 初代市野信水氏 (1932―1997年) =同町上立杭=は、 この低迷期に作陶を始め、 丹波焼の伝統を生かしつつ、 斬新で新たな息吹にあふれた作品を生み出した。 同時期、 民藝運動を提唱した柳宗悦らが丹波焼を高く評価。 鳥取県出身の生田和孝氏 (1927―1982年) は、 丹波に興味を抱き、 56年に立杭に移住、 日用雑器の制作に励んだ。 同展では4人の代表作を展示。 市野弘之氏は、 2種類の灰釉を掛け分けて文様を表した直径1メートル近くの 「大皿青」 や、 市野氏が成形した素地にイギリス人陶芸家バーナード・リーチが飛ぶ鳥を描いた 「鉄絵飛鳥文皿」 などを出展。 大上昇氏は、 白い化粧土で文様を描く得意の技法 「イッチン描き」 で、 躍動感あふれるエビを描いた 「海老文大皿」 や、 透明な暗灰色の鉄釉を全体に施し、 焼き締めを思わせる風合いに仕上げた 「蒼灰釉瓶」 などを出品している。 初代市野信水氏は、 作陶を始めて間もないころに制作していた、 用途よりも鑑賞性を追求した高さ55センチ、 直径27センチの円筒形の造形作品 「截 (さい)」 や、 68年以降、 制作に専念した茶器などを展示。 60年に同町釜屋で開窯した生田和孝氏の作品には、 鎬 (しのぎ) や面取、 糠釉、 鉄釉、 飴釉などの限られた装飾技法を駆使した大鉢や鶴首瓶などがある。 会期中、 学芸員による展示解説 「ギャラリートーク」 を開く。 日程は4月7、 21日、 5月5、 19日、 6月2、 16日で、 いずれも午前11時15分から約30分間。