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切り抜き詳細

発行日時
2013-3-21 10:26
見出し
まっすぐに延びる線
リンクURL
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記事詳細
 野球場にはホームベースから両翼へまっすぐな白い線が延びる。  丹波軟式野球協会審判部長を務める、 この線を引く名人は、 自身の師匠から教え込まれた。 球を最後まで見る、 よい位置でジャッジするなどの基本を大事にすること、 そして、 まっすぐな線を引くこと。 それは公平なジャッジをする、 自分のためにするんだと習ったという。  ライン際のボール一つ分、 1センチの落下位置の違いで、 ゲームの勝敗が左右されることのあるスポーツ。 当たり前にしか思っていなかった白線がぐっと存在感を放ち、 浮き出て見えてくる。  ただ、 名人は言う。 審判の存在が印象に残らない試合がベストという。 審判でゲームが左右されてはならないという信念があるからだ。 重要でありながら、 当たり前のようにある、 まさに自身が黙々と引いた白線のように。 公式戦のグラウンド準備の際、 他の審判員は誰もラインを引こうとしない。 彼の仕事だとの暗黙の了解があるという。  どんなスポーツでも選手のプレーを下支えする裏方がいる。 大会運営においても、 試合運営においても、 確かに名人が言うように、 裏方が目立つ時は何かアクシデントがあった時だ。 たんたんと進む試合ほど、 審判の確かなジャッジと、 それを支える人たちの努力と工夫がある。   「全国高校女子硬式野球選抜大会」 が3月28日、 丹波市のスポーツピアいちじまで開幕する。 11チームが出場し、 31日まで熱戦を繰り広げる。 選手たちのプレーはさることながら、 グラウンドにまっすぐに伸びる白い線を、 改めてしっかりと見ようと思う。(芦田安生)