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切り抜き詳細
発行日時
2013-3-10 8:26
見出し
春の雪
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3460
記事詳細
昨秋から、 丹波で二つ目の句会を始めた。 午後の 「ひまわり句会」 のあと、 夜に設定したので、 現役の方や若い方も参加して下さる。 どちらの句会でも 「ものをよく見て、 まず写生しましょう」 と毎回言うのだが、 これが難しい。 写生を体感してもらうには吟行が一番いい。 幸い、 句会の翌日は土曜日なので吟行を計画、 山南町の名刹、 石龕 (がん) 寺へ行くことにする。 さて、 当日は朝から雪。 積もりはしないがかなり寒い。 背中にカイロを貼り、 小川の農協前に集合。 「ひまわり句会」 にも声をかけ、 総勢十一人に。 石龕寺には、 小学校か中学の頃に遠足で来たような記憶がうっすらとある。 集落から長い参道があり、 それに添って渓流が続く。 「これは雪解水だから、 雪解川と詠んでもいいです」 とか、 「山裾の竹が黄ばんでいるでしょう。 竹は普通の植物と逆で、 今が 『竹の秋』 で春の季語です」 など、 眼前にある季語を解説。 一日中雪が舞い、 時には吹きつける。 「寒いけど、 この雪はまさに春の雪、 とてもいい句材です。 ぜひ詠んでください」 とも。 お寺さんのご好意で、 暖かな部屋をお借りでき句会を始める。 「春の雪阿吽の間 (あい) を通り抜け」 「蜘蛛の囲にとどまりてゐる春の雪」 「春一番睨みをきかす仁王像」 「扁額や春の雪降る仁王門」 「紅梅の白梅よりも芽の大き」 「春の雪大切株に触れて消ゆ」 「竹の秋登り来し道振り返る」 「春の雪弘法大師の傘に積む」 など、 普段の句会には出ない写生の効いた俳句がたくさん出たのでびっくり。 吟行の楽しさと成果が分かってもらえたみたいだ。